浅見渡「警察の弱体化、犯罪の多発、そして何よりも、ロンダーズファミリーの存在!今程確実な安全が望まれている時は無い!このシティガーディアンズは、警備安全保障と言う分野に、全く新しい時代を築く物となるだろう!」(Case File.28)
概要
物語中盤から登場する、対ロンダーズファミリーを目的とした民間警備会社。本作における第三勢力に相当する。
かねてより、浅見渡率いる浅見グループと日本政府の内務省治安維持局の主導の下で、警察との調整の上で設立に向けての動きが進められており、設立後は社長も渡自らが兼務している。
民間企業という体裁は取っているものの、上記の通り設立に際しては日本政府との間で連携がなされており、これにより銃火器による武装や、隊員の銃の携帯も認められている等、民間の警備会社としては異例と言える超法規的な強権も、ある程度認められている事が窺える。
本拠地は、浅見グループ傘下の第三総合研究所に設置されており、渡の執務室や会議室を初め部隊の訓練施設や演説をする為の大会議場、メディカルルーム等も一通り存在する。
実働隊員は、コバルトブルーのユニフォームとキャップに身を包み、隊長は赤いベレー帽を着用する。前述の通り銃の携帯も認められている他、ロンダー囚人やゼニットとの戦闘ではグレネードランチャーやアサルトライフルといった重火器や、現場への移動に際しては黒い特殊専用車をそれぞれ使用する。なお、彼等が所有している銃はいずれも対ロンダーズ用に開発された特別製であり、拳銃であってもゼニットを破壊できる程の威力を持つ。
彼等の装備も、基本的には第三総合研究所で研究・開発されており、タイムファイヤーのスーツの解析も主にここの研究班の下で行われていた。ちなみに20世紀の技術では結局実現には至らなかったものの、渡はこのスーツの量産と全隊員への配備という構想も抱いていた。
対ロンダーズを目的に結成された組織ではあるものの、別に対象はロンダーズに限らず、契約者からの依頼であれば相手が人間であっても出撃して契約対象を守るべく行動する。
加えて、対象がロンダーズ関係や契約者への危害が大きいと判断された危険団体の場合は、警察と協力しての組織の捜査や囮捜査、場合によってはロンダーズとの取引等も彼等が主導して行っており、こういった捜査権が認められてるのも超法規的特権だと言える。
企業理念
事実上の対ロンダーズ組織として結成された警備会社である為、所属する隊員達も各方面から優秀な人材がかき集められており、後に本部長にまで上り詰めた滝沢直人もその一人である。
一方で、企業理念として「契約者の命や財産をロンダーズの犯罪行為から守る事」を第一としている。言い換えればこれは「契約者以外の人命や財産の保護の優先順位は低い」、もっと言えば「業務の範疇を超える形で人命を積極的に守る事はない」という事を意味しており、この点においてもあくまで自社の利益を優先する「民間企業」としての色彩が濃厚となっている。
以上の点からも窺えるように、シティガーディアンズは単純な防衛組織とも違うビジネスライクな集団であり、同じく対ロンダーズを目的としたタイムレンジャーとも根本的に一線を画した存在であると言える。
こうしたスタンスに関して、渡の息子の浅見竜也は「馬鹿げてる」として否定的だったが、一方でアヤセは「どういう安全を選ぶかは個人の自由だし、選択の幅が広がっただけだ」と評し、ユウリも自身の古巣であるインターシティ警察が民間企業を前身に誕生した組織である事を引き合いに出し、一定の理解を示している。
また、現場に逃げ遅れた民間人がいる場合は普通に逃がしたりもしているので、別に契約外の人間は全く無視して守らないという訳ではない。あくまで最優先は契約者というだけである。
ちなみにそのインターシティ警察は、後にまさにシティガーディアンズが基礎となって生まれた事が明らかになっている。劇中で渡はマスコミから「いずれシティガーディアンズは警察に取って変わるのではないか?」と質問されていたが、実際に後世ではそうなったと言える。
加えて、作中の時点でも終盤になると組織の影響力拡大に伴って、警察も事実上シティガーディアンズには逆らえない下位の立場に置かれている事が描がれている。
主な活動記録
- エステティシャン・ドミーロを連れて行動するリラに対し、リラが泊まっているホテルのスタッフの連絡を受けて初出動。この時はまだシティガーディアンズ設立を公表する前の段階だったが、リラの護衛に当たっていたゼニットを撃破してリラを退けている(Case File27・28)。
- 上記の出動より数日後、マスコミ向けにシティガーディアンズの設立が大々的に発表される。またこの直後にヘルズゲート囚ジャグルの出現に際し、契約企業からの要請により出動。この時の戦闘で隊長の土方が負傷し、長期療養を余儀なくされる(Case File28)。
- ブイレックスの出現により混乱する状況の中、滝沢直人がブイレックスを巡る争奪戦を制し、同機とそれに付随するタイムファイヤーの力を入手する。その功績が認められ、土方の後任として直人が2代目隊長に就任する。また、同時期には失敗に終わったものの、渡が竜也以外のタイムレンジャーをスカウトしようと動いてもいた(Case File29・30)。
- カウンセラー・ゼクターが巨大化した際、タイムファイヤーとブイレックスが出動。本来であればその近辺に契約物件がない事から出動の対象外であったが、「タイムファイヤーの量産とブイレックスの戦闘データ収集」を目的とした渡の意向により例外的に出動に至った(Case File31)。これ以降も戦闘データ収集の為に、ロンダーズと積極的に交戦するようになる。
- 復帰した土方の為に新たに本部長のポストが設けられるが、就任早々に土方が直人との確執から、彼が発したSOS信号を無視するという不祥事を起こす。その結果、事件収束後にその責任を問われて土方は組織を追われ、後任の本部長には直人が昇格する形で就任する(Case File37)。
- ヘルズゲート囚エンボスによるレダーウイルスの感染拡大を受け、治療用ワクチンの基であるドン・ドルネロの血液を5億で購入。その際にドルネロの逮捕も狙った直人の独断専行により血液が台無しになりかけたり、ワクチン完成後にドルネロの差し金でこれを強奪しようとした連続窃盗犯ドーバの襲撃に遭うも、最終的に無事医療機関へのワクチンの輸送は完遂されている(Case File39・40)。
- λ2000を狙ったヘルズゲート囚ハーバルによる第三総合研究所襲撃事件が発生。その際に研究所を視察に訪れていた渡も巻き込まれて重傷を負い、一時危篤状態にまで陥る(Case File42)。
- Gゾード出現に際し、直人は独断でブイレックスを出動させてこれと交戦。また彼自身の野心の暴走から、先のメイデン事件で入手した30世紀に関する情報を治安維持局長官の伊吹にリーク。これを受けて伊吹は政府を動かして関東地方の非常レベルを引き上げると共に、それに伴っての特例事項としてシティガーディアンズの管轄を浅見グループから治安維持局へと移行。本部長である直人にも隊の全権が委任される事となる(Case File43・44・46)。
- 上記の措置でシティガーディアンズの運営から切り離されるという、直人による事実上のクーデターに対し、負傷より回復した渡は予め握っていた伊吹の過去の不正行為を公にして解任に追い込み、シティガーディアンズの管轄を自身の手に取り戻すと共に直人の後ろ盾を剥奪。さらにかねてより(直人に内密で)進めていたブイコマンダーのボイスキー解除が完了したという事実を突きつけ、タイムファイヤーの変身者というアドバンテージをも喪失した直人を、懲戒解雇に追い込むという「反撃」に打って出た(Case File48)。
- 大消滅の本格化という非常事態に際し、渡は出動中の全隊員に対して「一般市民の保護」を指示し、これによって大規模な一般人保護作戦が展開され、タイムレンジャーの活躍もあって多くの人々が救済された(Case File50)。