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滝沢直人

たきざわなおと

滝沢直人は『未来戦隊タイムレンジャー』の登場人物である。
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演:笠原紳司

概要

 第6の戦士タイムファイヤーに変身する。
 本作品の追加戦士であるが、立ち位置はどちらかと言えば第3勢力に近く、他作品では仲代壬琴/アバレキラーがこれに近い(アバレキラーとは、恐竜型の相棒を所有しており、その運命や『海賊戦隊ゴーカイジャー』では伊狩鎧/ゴーカイシルバードラゴンレンジャーと3人で大いなる力を与えた、という共通点もある)。

 渡の息子である竜也とは高校時代から因縁のある間柄であるが、出自の違い故に相容れない関係と見なしており、彼がどんなに友好的に接しようと不寛容な態度を貫こうとしかしなかった。
 現在においても、姿勢の違いからことあるごとに衝突し、彼を「力から逃げた」と称して批判的に接している。

人物

 浅見竜也の父、浅見渡が組織した私設警備会社シティガーディアンズの隊員。

 何事にも屈しない「力」を得るためにとにかく自分の出世を最優先する野心家。ゆえに必要以上に攻撃的な物腰で、一見すると「嫌な奴」にも見えてしまう。
 更には、その並外れた上昇志向故に、自らがのし上がる為ならば、対立者や上の立場の者ですらも蹴落とすのは当然の事として考えているという、連帯感が求められる治安維持を担っている組織に属する人間としては、致命的な欠点を抱えている。

 このような主義・思考に陥ってしまったのは大学時代の経験にあり、自らの高い才能を見込まれて推薦で名門大学への入学を果たすも、恵まれた環境を過ごしている上流階級の学生達からは常に格下扱いされ認められなかった事にある。
 これによって「どんなに才能に恵まれても、環境に恵まれない限りは恵まれている奴の取り巻きにしかなれない」と偏った考えを抱くようになった結果、力に対する異常なまでの執着心や環境に恵まれた者への敵愾心に取り付かれてしまうに至っている。
 唯一、竜也だけは例外で普通に接していたのだが、直人にとってそれは格上の人間の格下の人間に対する傲慢な哀れみにしか映らず、結果的に彼に対する逆恨み的な感情へと発展させてしまう事になった。

 一方で、市民や街を守るシティガーディアンズとしての職務は誠実に遂行し、決して野心だけの人間ではない様子も見せており、タイムレンジャーとも対立はしつつも、
シオンの説得を受け入れてロンダーズ囚人をわざと見逃す
・前述のレダーウィルスでの失敗を後悔してサポートに徹する
・資金繰りに困った竜也達に助け舟を出す(大金を払う代わりにブイレックスの清掃というぶっ飛んだ依頼を押し付けてきたが)
・Vシネマ「未来戦隊タイムレンジャーVS救急戦隊ゴーゴーファイブ」ではピエールに狙われていた巽モンドを被弾して変身解除してしまいながらも身を呈して守り(本人曰く「ちょっとはりきり過ぎて、オーバーヒートしただけですよ」との事だが、直後にピストル連射で応戦し一糸は報いている)
・タックに「クロノスユニットの起動」に協力して欲しいと頼まれた際、モンドからも「ワシの子ども(即ち「ゴーゴーファイブ」のメンバー5人)を…地球の未来を救う為なんだ!」と懇願されて素直にタックに協力(竜也達と一緒であるかどうかを把握しているかどうかは不明だが、見ようによっては「モンドからの頼みで動いた」とも解釈が出来る)し、タイムロボαをブイレックスに載せる様に取り繕う

など、本質的には善人寄りの人物であるのを見せている。
 前述のロンダース囚人の一件もあってか、タイムレンジャーの中でもタイムグリーン/シオンとは比較的良好な関係を築いており、本人からも夢の中で仲間と認識されていた。

 しかし、「力」を得て何かを成すでもなく、ただ「力」を得る事ばかりに腐心し、目的と手段を履き違えて振り回されている姿勢は最後まで変わらなかった。その結果、最終的に自らの決定的な破滅へと繋がる要因となってしまった。

劇中の活躍

 Case File.28から登場。
 シティガーディアンズの第二班所属として出動していた所を偶然達也と再会。彼の考えを一貫して否定する態度をとっていたのだが、ロンダーズファミリーとの戦闘で隊長の土方を庇ったタイムレッドのマスクが割れ、その正体が散々見下していた達也であった事を知り、衝撃を受ける。
 ちなみにこの時、現場に駆けつけた渡も息子がタイムレッドであった真実を知る事になり、困惑を隠せない様子を見せていた。

 その後、土方が負傷して戦線を離脱したのを好機と見て、渡に自身を土方に代わるシティガーディアンズの隊長に任命するよう渡に直談判するも、そのギラついた野心を見抜かれていたのか、この時は却下される。
 しかし、諦めようとせず、タックの通信で聞いたブイレックスの制御装置に興味を示した事で、タイムレンジャーの行動を密かに追跡。ブイレックスの制御装置を巡ったタイムレンジャーとロンダーズの戦いに乱入して制御装置を強奪し、それが変形したブイコマンダーによって第6の戦士・タイムファイヤーとなり、念願の強大な力を得る。

 ユウリから出自が分からない危険過ぎるタイムファイヤーの力を渡すよう求められるも、それを手離すはずも無く拒否。自身を説得しに現れた竜也の言葉にも耳を貸さず、これまで溜め込んでいた彼に対する私怨を織り交ぜる形でタイムファイヤーの力で圧倒する。
 その後、渡の根回しによって竜也からタイムレンジャーの仲間達を引き抜き孤立に追い込もうとしたが、彼等からは拒否される事になり、代わりとしてブイコマンダーの機能でブイレックスの制御に成功。タイムファイヤーとブイレックス、双方の巨大な力を手に入れた功績から、失脚した上司の土方に代わり、シティガーディアンズの隊長に昇進する(ただし、これは直人の実力が渡から正当に評価されたと言うよりも、彼以外に扱えないタイムファイヤーとブイレックスの力が、組織の敵に回るか制御下に置けない事を恐れたが故の政治的判断であった可能性も否定できない)。

 その後、負傷から回復した土方が復帰して自分以上の地位である本部長に就任するも、休職していた彼が自分の上司となる事が気に食わなかった事で反抗的な態度を取り対立。
その末に、問題行動を起こした土方が渡によって追放処分に追い込まれた結果、空席となった本部長の座に就任し、更なる地位を得る事になる。
 この一件で増長する様になった結果、レダーウィルス事件ではドルネロの血を購入した際に用意した5億も取り戻して手柄を立てようと欲をかいた結果、失敗。多くの人間の命を危険にさらす事になった為、その身勝手さに激怒したアヤセに殴られて咎められている。

 しかし、こういった問題を起こしても、タイムファイヤーの世間からの評価はタイムレンジャー達よりも良いらしく、35話では入院している少年がタイムレンジャーよりもタイムファイヤーに見舞いに来てほしいと我侭を言う程であった(息子がタイムレンジャーである事に難色を示している渡による情報操作の可能性も高いが)。













その結末(ネタバレ注意)

 シティガーディアンズの頂点にまで上り詰め、「浅見渡の後継者」になるとも称された直人。

 しかし、ハーバル事件で渡が瀕死の重傷を負った際(ちなみに本来の歴史ではここで渡は死亡するはずだった)、竜也が会長代理に就きそうになった事に反感と危機感を覚えた結果、渡が動けない身である隙を突く形で、治安維持局の伊吹敬長官に取り入ってタイムレンジャーとロンダーズに関する真実を密告。
 これによってシティガーディアンズを浅見グループから切り離し、治安維持局直轄の組織にした直人は、その全権を掌握する事になる。

 その後もタイムファイヤーとして前線で戦い続けるも、自らの力の象徴であったブイレックスに「大消滅」の引き金となる「真実」が隠れていた事実が発覚。タイムレンジャー達にブイレックスで戦い続ける危険性を訴えられるも、完全に自らの力を過信するようになった直人は、聞く耳を持たないままネオ・クライシスに戦いを挑んだ結果、返り討ちに遭う形で敗北してしまう。

 その後、駆けつけたシティガーディアンズに次の指示を行おうとする直人であったが…

「命令を聞く訳にいきません。あなたは先程、シティガーディアンズに関わる全ての任を解かれましたので…」

 己の個人的な竜也への私怨やエゴの為にシティガーディアンズを私物化したやり方から渡を支持していた一部の隊員達の反感を募らせてしまい、直人の実力を認めてタイムファイヤーを任せていた渡ですらも、身勝手な理由から実質的にクーデターを起こした直人を許す訳にはいかなくなり、回復した彼によって伊吹の不正を暴かれてしまった直人は後ろ盾を失ってしまう。
 それでも、ブイレックスとタイムファイヤーの力を後ろ盾にしようとする直人であったが、実は彼の暴走を兼ねてより懸念していたと思われる渡は、(直人に)内密で組織の研究班にブイコマンダーのボイスキーを解除させており、「ブイコマンダーを唯一使用出来る人間」では無くなった直人を組織の指導者として認める者は、もはや誰もいなかった。
 ブイコマンダー確保の為に拘束しようとするシティーガーディアンズの隊員達から逃走した直人は、一転して犯罪者も同然という形で追われる身となり、完全に失脚に追い込まれてしまう。

 「力」を妄信し、「力」さえあればのし上がる事が出来ると頑なに考え、シティーガーディアンズを切り離された渡からの最後の忠告にも関心を示そうとしなかった直人に待ち受けていたのは、より強大な「力」による敗北という無情な結果であった…。

 大消滅が迫る中、もはや地位を返り咲く事は叶わない身となった直人は、それでも奪われずに済んだブイコマンダーの「力」さえあれば巻き返しが出来るとタカを括っていたが、そこへゼニットに追われる少女と遭遇。彼女を逃がそうと変身せずに拳銃で応戦しようとした結果、その油断が災いしてゼニット達の集中砲火を受けてしまい、仲間達と別れて単独行動していた竜也に助けられて救護所に辿り着く。
 その竜也と「力」について語り合う中で、直人はようやく竜也の考え方に理解を示すようになるのだが、取り返しの付かない裏切りを犯してしまった彼に、もはや後戻りは許されなかった…。

 そんな中、3001年ではリュウヤがデータベースにある情報を入力していた。

「2001年2月3日。タイムレンジャー4名、ユウリ・アヤセ・ドモン・シオンが31世紀へ帰還。
同日、ブイレックスのパイロット・滝沢直人、死亡

 リュウヤがデータを入力したその時、少女が逃がしてしまった小鳥を捕まえに行った直人は、ゼニットの凶弾に倒れる。
 竜也を「力から逃げた」として見下した直人に待ち受けた結末は、まさに「力に溺れた」としか言いようの無い者の末路で、また力を妄信し続けた自らに致命傷を与えたのは、皮肉にも最も力の弱い敵であるゼニットであった。

「浅見…お前は変えてみせろ」

 その言葉を最後に、直人はブイコマンダーを竜也に託して、息を引き取ったのだった…。

 竜也に託されたブイコマンダーとブイレックスは、末来と現代の両方を救う切り札となった。

最終回のエンディングでは竜也がランニングする中、ペットショップに優しい顔で少女に微笑みかける直人そっくりな青年の姿があった…。








ブイコマンダーの真実
 シティガーディアンズのサポートロボットであるタックのデータベースにさえも載っていなかったブイコマンダーやタイムファイヤーへの変身能力、そしてブイレックスの情報であったが、実はこれらは本来、30世紀のユウリ達の上官であるリュウヤが使用するはずだった力であった。

 しかし、2994年に行われた時間移動実験によって、リュウヤは「ギエンとブイレックスの戦いで大消滅が巻き起こる歴史」と「Gゾードによってギエンが殺害されて30世紀が消滅してしまう歴史」という二つのルートを知る事になるのだが、どちらのルートにおいてもタイムファイヤーになった自分が死んでしまう結末が待っていた。
 自らの死を恐れたリュウヤは、それを回避させる為の「手段」として、時間移動実験の失敗に見せかけて意図的に制御装置であるブイコマンダーと共にブイレックスを時間流の中を彷徨わせ、自分ではない「別の誰か」の手に渡るよう仕向けており、その結果、ブイコマンダーを手に入れてしまったのが直人であった。
 つまり、直人の手にしてしまったブイコマンダーは、実質的に所有者を「破滅の運命」へと誘う死の片道切符で、タックがタイムファイヤーに関する真実を知らなかったのも、都合の悪い情報を隠す為にリュウヤによって改竄されていた為であった。

 しかし、直人を人身御供にして生き延びようとしたリュウヤ自身もまた、因果応報と呼べる結末が待っていた…。

余談

 小林氏は「2人のレッドが並び立つことに意義を感じない」「この作品のヒーローは未来人だから新たな仲間を設定しにくい」ということで、本作の追加戦士を第3勢力的な立場に設定したという。

 直人の最期は演者の笠原氏たっての希望であり、「竜也と仲良くなるぐらいなら死なせてほしい」「タイムロボの横にブイレックスを立たせたくない」等とかねてよりメインライターの小林靖子氏に要望していたことから実現したものである。

 海賊戦隊ゴーカイジャーにも登場。
レジェンド大戦においては他の死亡した戦士ともども復活し、戦線に参加している。
その後、仲代壬琴ドラゴンレンジャーと共に、伊狩鎧に大いなる力を託したのだった。

関連タグ

未来戦隊タイムレンジャー アンチヒーロー 小鳥

飛羽高之小津勇志葉薫鳳ツルギ:いずれも劇中で2人目のレッドとして登場した。

仲代壬琴:演者が「主人公と和解する」事を良しと思わなかった第三勢力のアンチヒーローだが、あちらはスポンサーの意向に負けて、最終的に主人公と和解する展開となった(ちなみにこちらは直人とは違って明確に悪事を働く描写が多く、敵側寄り)。

駆紋戒斗:『主人公とは思想の違いから性格的に相容れないものの、一定の共闘関係にある』『今際の際で主人公の事を認める』など性格や言動に重なる部分がある。

戸沼充クルス…中の人が同じ特撮キャラ繋がり。不遇の人生を送っていたという共通点を持つものの、どちらも直人以上に哀れな末路を辿っていた。

電気王:彼と同じく「力」にこだわっているエルドランシリーズの敵幹部

草加雅人:協力することもあるものの、主人公を常に敵視していることが共通

ローズマリー3年後の1時間後のアニメに登場した直人と同じく野望を抱いているダークヒロイン

歴代追加戦士
早川裕作←滝沢直人→大神月麿

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