概要
- 1823年、イギリスのオペラ作品「ミラノの乙女」の劇中曲として作詞・作曲される(原題"Home,Sweet Home")。原題を意訳した「楽しき我が家」とも。
- 日本語版は1889(明治22)年の『中等唱歌集』に収録され、以来代表的な唱歌の一つとして、明治・大正・昭和を通じて多くの日本人に親しまれてきた。
- 原曲は「イギリス民謡」として紹介されることも多い(「民謡」という場合、古くからその土地の民衆に伝えられてきた歌で作者も不明であるが、この曲は近代に制作された楽曲で、作詞者・作曲者も特定されている)。
- また、明治以降スコットランド、アイルランドの民謡・歌曲が多く唱歌の原曲として紹介されたため、これらと区別するため「イングランド民謡」などと呼ばれる場合もある。
- 邦題の「埴生の宿」は「畳や床を敷かず、地面(土間)むき出しの家」という意味で、質素な住まいを表している。「埴(はに)」の字は「粘土質の土」を意味する(例:埴輪)。
使用されている作品
- 火垂るの墓
- 二十四の瞳:1954年版で使用。
- ビルマの竪琴:日本兵とイギリス兵がともに歌う場面に用いられる(メイン画像参照)。
- 連続テレビ小説:主に昭和初期~終戦直後を舞台にした作品で多く用いられる。
- 仮面ライダーV3:50話「小さな友情」で、風見志郎が孤児の少年・健一にハーモニカを吹いて聞かせる場面で用いられる(志郎にとっては妹・雪子との思い出の曲でもあった)。
- ガールズ&パンツァー:劇場版で使用。原題の「Home!sweet home!」名義。
チャイムとしての使用例
かつては「はにゅう」違いか埼玉県羽生市の防災行政無線の夕方のチャイムとして使用されていた。現在でも正午に流されているが途中で切られてしまっている。
鉄道においてはJR三角線の石打ダム駅や北大阪急行千里中央駅の接近放送、近鉄特急の桑名駅到着時の車内チャイムとして用いられている。
音源
原曲
日本語歌詞
ハーモニカ演奏