概要
僕のヒーローアカデミアに登場する概念、及びそれに基づいて流布された終末論。
解説
作中における超常能力・"個性"は、両親から子供へと受け継がれることで、より強力なものへと変化していくことが知られている。
個性特異点とは"個性"の持つこの性質に着目した仮説であり、将来的に「強すぎる"個性"が持ち主である人の肉体を破壊する」という現象が発生することを予測した仮想の概念である。
彼が学説を発表した時代には、"個性"に対する研究や実証が不十分であり、この学説に対して懐疑的な研究者が大半を占めていた。
作中の時代ではオカルトの類として語られることも多く、その場合は専ら「強すぎる"個性"を持った人間が、悪意を持って世界を滅亡させる」という本来とは異なる意味で用いられている。
ドクターは個性特異点の概念について、人体をコンピューターの「ハードウェア」、"個性"を「ソフトウェア」に例えて説明しており、ソフトウェアの性能の向上にハードウェアの性能が追い付かなくなり、やがては容量(メモリ)不足に陥って立ちいかなくなってしまうようなものであると語った。
作中では実際にこの現象が発生した事例が幾つか確認されており、ワン・フォー・オールの四代目継承者は、晩年に「身体にヒビが入る」という不可解な現象が発生した後、40歳という若さで老衰している。
また、この身体のヒビはオール・フォー・ワンの"個性"を受け継いだ死柄木弔、ナインにおいても発生しており、多数の"個性"を一つの肉体で所持することには大きなリスクを伴うことを意味している。
この現象の最たる例は、他でもないワン・フォー・オールである。
この"個性"は、「継承」という特殊なシステムによって、通常の"個性"よりも早いスパンで人から人へ力が受け継がれたことで、すでに常人の手には余るほどの強大な力へと成長している。
また、複数の"個性"を操るAFOにとっても、個性特異点における容量の問題は深刻であり、ドクターは彼のために特異点を克服した人間・マスターピースを作り上げる計画を立て、その研究の過程で脳無等の様々の副産物を生み出した。
実際のところ、オカルトとしての個性特異点もまた一概に誤りとは言えず、現に作中にはたった一人で社会を破滅させかねないほどの危険な"個性"の持ち主が少なからず登場しており、緑谷達よりも下の世代の子供達が、強力な"個性"を躊躇なく人に向けて放つ姿を見て、作中の登場人物達が将来に不安を抱く場面も描かれている。
それゆえにOFAの歴代継承者達は、緑谷に対して、"個性"という「力」そのものではなく、力を制し行使する「心」が重要であることを繰り返し諭し、彼が道を誤ることが無いように導いている。
関連人物・個性
一般人の肉体であれば受け継ぐだけで肉体が破裂するほどの莫大なエネルギーに加えて、多数の"個性"が精神の昂ぶりによって暴走するリスクがあり、更には自らの"個性"を持つ人間が継承すれば、それだけで寿命を縮めてしまう。
突然変異により極めて強力な個性を持つ。"個性"の詳細が明かされておらず、彼女自身が身体の出来上がっていない子供であるため、将来的にどのような結末を迎えるかは未だ不明である。
異常なほどの肉体強度によって複数の"個性"所持に無改造で適応している。つまり"個性"ではなく肉体が突然変異を起こしたようなものであり、肉体が"個性"を追い越した極めて珍しい事例であると言える。
青い高熱を放つ反面、長時間使用すると皮膚が焼け焦げる"個性"を持つ。
ただ彼の自傷は"個性"そのもののスペック以前に、身体と"個性"の相性による側面も大きいため、個性特異点による現象と呼べるかどうかは判断が難しい。