概要
平均サイズは甲長20cm〜30cmで、大型のものは約40cm。
色は背側が緑色で、腹側がくすんだクリーム色。
稀に全体が淡い黄色やクリーム色の突然変異個体も出現する。
日本の本州以南、中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム等の東アジアから東南アジア、ハワイにも移入。
南西諸島には食用や貨物に紛れ込んだとされるものが逃げ出して野生化している。
特徴
別名:ニホンスッポン、シナスッポン、アジアスッポン、キョクトウスッポン、チュウゴクスッポン。
漢字で『鼈』と書く。
水搔きが発達し、泳ぐのが上手である。日本では本州以南に広く分布する。最大甲長は、35㎝前後。70㎝という記録は捨てられたカミツキガメやワニガメの間違いである。即ち現在日本に生息し、確認されている在来種のカメ類の仲間では最大の種類でもある。
日本で「スッポン」というと、殆どがこのカメ類を指す。
非常に臆病な性質で、まず自分から人間やエサ以外の物体を襲う事はない。
防御反応として噛みつく危険性があり、不用意に指を近づけると最悪喰いちぎられる恐れもある。俗に「雷が鳴っても離さない」とも言われるように一度噛みつくと力ずくで外すのはほぼ無理であるとされるが、体を水中に浸してやるとすぐに離して逃げていく。甲羅の後ろを持っていても、長い頸を伸ばして嚙もうとする。
流れの緩やかな河川や水田、水路、池等の淡水域に生息し、よく底の泥の中に身を潜める。
通常のカメと違い甲羅は比較的に薄くやわらかく軟骨質で、手足と比べて首が長い。ただし、首以外を甲羅の中に引っ込めることはできない模様。日光浴のために上陸するが、非常に臆病な性格な為、驚くとすぐに水中に飛び込んでしまう繁殖期は日本の場合、6~7月で、1度に10~50個の卵を産む。
人との関係
少なくとも江戸時代以前より食材とされており、現在も高級料理に用いられていて老舗の商店街の魚屋でも生きたまま並べられている事もある。
骨以外のほぼ全てが可食部位。
栄養価が高く特に精力増強や美肌によく効くとも言われており、ニホンスッポンのエキスをサプリメントとして生産販売する企業も多い
日本料理としては鍋料理(丸鍋)、雑炊、吸い物、唐揚げなどがあり、国外では中華料理やフランス料理等にも用いられる。
骨以外のほぼ全ての部位を食すことが可能。栄養価が高く特に精力増強や美肌によく効くと言われ、スッポンのエキスをサプリメントとして生産・販売する企業も多い。大抵は鍋料理にして賞味されるが、中には生きたスッポンを木綿でぐるぐる巻きにして火中に投じ、丸焼きにする「地獄焼き」なる豪快な料理法も存在する。
老舗の商店街の魚屋でも生きたまま並べられていることもあり、60年ほど前の子供たちは川で偶然捕まえたスッポンを売って小遣いを稼いでいたという。
食材として養殖化されて飼育知識が早く浸透したことと、意外と愛嬌のある顔つきからペットとして飼われることも多い。小さな仔亀の頃から飼ったり長く飼うことによって、人に慣れてあまり噛みつかなくなったり多少のスキンシップもできるようにもなるという。ただしほぼ完全水棲のため大きさと水量のある水槽での飼育と、爬虫類として定期的な日光浴は欠かせないので注意と覚悟が必要。
分類
元々は、1種(2亜種がいるという説もあった)だと思われていたが、現在は複数の種に分けられると言われている。
これはミトコンドリアDNAの配列が別種レベルで、分岐していた事が分かったからである。然し、核DNAの配列の分岐は不鮮明であった。
2014年の調査によると日本に分布するスッポンは「シナスッポンP. sinensis 」と「アムールスッポンP. maackii 」であった。この事からアムールスッポンとされていたものは、ニホンスッポンと同種であるという説が生まれた。
日本爬虫両棲類学会は、P. japonicusに「ニホンスッポン」、P. sinensis は「チュウゴクスッポン」という標準和名を充てる案を提案しており、2023年10月30日まで会員に意見を募集する予定である。