概要
水に浸した大豆をすり潰して(豆乳)から搾り、凝固剤を加えて固めた加工食品。
そのまま賞味する(冷奴)他、味噌汁の具にしたり、更に加工したり(油揚げ、厚揚げなど)して食べる。
元は中国で生まれた加工食品だが、日本では江戸時代を境に盛んに作られるようになり、同時に豆腐料理も発展していった。
「豆腐百珍」(とうふひゃくちん)という本には、百種類もの豆腐料理が記載されている。
尚、名称に「腐」とあるが所謂“腐る”とは無関係。日本の豆腐は発酵させていない。
豆腐発祥の地・中国では「腐」はチーズなどの加工乳を指す言葉としても用いられ、“豆の汁で作ったチーズ”位のニュアンスが含まれていると思われる。
歴史
神代
素戔嗚尊が殺した美しいオオゲツヒメのお身体から次々と五穀が誕生した。目から稲、耳に粟、鼻に小豆、陰部に麦、そして尻から大豆。豆腐の出現には大豆が欠かせない。
縄文時代
大豆を擂りつぶす石器と煮炊き用の土器があった。また海水を製塩土器で丸ごと煮つめて結晶塩を製造していたが、海水の成分の中にはニガリ(塩化マグネシウム)も含まれていたので、縄文時代の日本人は豆腐を作るための材料を全て持っていた。
なお、豆腐が生まれたのは古代中国で、日本よりはるか早くから作っていた。
平安時代末~南北朝時代
奈良の春日大社の神職の日記に、御供物の記録があり、その中に「唐符」とある。これが豆腐の当て字と見られており、寿永2年(西暦1183年)のことで、日本における最古の記録である。
日蓮宗の祖である日蓮の手紙に「すりとうふ」とあるのも古い例の一つである。
南北朝の頃になると、豆腐の記録が少しずつではあるが増えてくる。