概要
ドラマ「TRICꞰ」に登場する日本科学技術大学教授・上田次郎(演:阿部寛)の著作の一つ。
2千部くらいは売れたらしいが、今ではブックオフくらいでしか見かけないとのこと。
またこの言葉は、上田の座右の銘にして魔法の呪文でもあり、自分自身に「なぜベストを尽くさないのか」と問いかけることにより、超人的、時には非常識な能力を発揮することができる。
備考
元ネタ
タイトルの元ネタは、第39代アメリカ大統領だったジミー・カーターの自伝『なぜベストをつくさないのか:ピーナッツ農夫から大統領への道(Why not the best?)』(1979年邦訳)より。その更なる元ネタは、ジミー・カーターが原子力潜水艦建造計画の面接時に「兵学校の成績ではベストを尽くさなかった」と述べた際ハイマン・G・リッコーヴァー提督から返された言葉。
まさかの出版
最初は劇中における単なるパロディの一つだったが、2004年に学研から「日本科学技術大学教授上田次郎のなぜベストを尽くさないのか」というタイトルで本当に出版された。内容はドラマの小ネタ本であるが、ファンなら思わずニヤリとするネタ満載で、表紙からしてネタ感溢れている。
余談:辛辣な田中節の顛末
同じネタが「銀河英雄伝説」の著者・田中芳樹の「七都市物語」(1990年刊行)に、ほぼ同名の架空小説として使われている。
ブエノス・ゾンデ市の若き執政官にして独裁者であるエゴン・ラウドルップが自身の自伝に付したタイトル。これだけで前述の元ネタへの皮肉であることが丸わかりである。
ラウドルップは「先制的自衛権」(※恐らく当時議論が盛んだった集団的自衛権への揶揄)を掲げ隣国のプリンス・ハラルドへ武力侵攻し、これが失敗すると周囲に手のひら返して粛清の嵐をおこすなど作中では論理の飛躍という名の迷走が目立っていたが、これに対して主人公のアルマリック・アスヴァール将軍が言い放ったのが「君はなぜベストを尽くしてもだめなのか・・・・」というものであった。 田中氏得意の辛辣な毒舌である。
しかし、当の田中芳樹自身もシリーズ作品の絶筆やストーリーの破綻などが随所でみられるなど商業作家としてあるまじき行為が多々あり、不特定多数のユーザーから「なぜベストを尽くさなかったのか」と苦情されることが常態化していたりする。
関連タグ
- なぜベストを尽くしたのか:反対語
ブーメラン:ぶっちゃけ、他人を煽る時などに安易に使うとこれに陥りやすい。