概要
カイ・キタムラとギリアム・イェーガーらが中心となって立ち上げたゲシュペンストシリーズの強化プラン。その概要はゲシュペンストシリーズを、L5戦役以後の最新技術でスペックアップするというもの。
最初期のパーソナルトルーパーであるゲシュペンストシリーズは量産・拡張性に優れているとはいえ、EOT特別審議会の妨害もあって量産配備が遅れ、その間にイスルギ重工のリオンシリーズ、マオ・インダストリーの量産型ヒュッケバインMk-Ⅱなどの後発機に対抗できず、政治家からも旧型機と不評を受け、淘汰されつつあった。旧特殊戦技教導隊時代からゲシュペンストシリーズに関わっていたカイはその状況に強い不満を抱いており、その不満を理解していた周囲の薦めにより、ゲシュペンストの強化プランを立ち上げることを決意。同じく元教導隊でゲシュペンストシリーズに関わり続けてきたギリアムを誘い、ゲシュペンストシリーズを一般量産型としてでなく、エースパイロットやベテランパイロットのための高級カスタム機として性能を底上げすることを考案。ゲシュペンストを愛する者達によるゲシュペンスト乗りのためのゲシュペンスト改造計画を実行に移す。これが『ハロウィン・プラン』発案のきっかけである。
初期段階として、ギリアム専用機のゲシュペンスト・タイプRの全面改修機「ゲシュペンスト・タイプRV」をロールアウト。これはまずインスペクター事件中にオルレアンから引き上げられて実戦投入された。
戦後、そのデータをもとに、カイが提案した現場運用を主とした量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改がロールアウトした。シャドウミラーが持ち込んだ量産型ゲシュペンストMk-Ⅱも参考にされており、機体にはテスラ・ドライブによる飛行機能の標準装備や、出力向上に合わせた強力な近接武器や射撃武器などが開発された。この時はクライ・ウルブズに配備された長距離砲装備型と、教導隊に配備された接近戦仕様の2種類が試験的にロールアウトしている。
さらに、修羅の乱におけるこれらの実戦データをもとに、量産型Mk-Ⅱ改はさらなる改良が進められ、封印戦争直前の段階で、武装パターンに合わせた換装パックを任務に応じて使い分ける方式が取られている。現在は長距離砲装備のノーマルパック、接近戦仕様のグラップルパック、ライディース・F・ブランシュタインやラーダ・バイラバンの搭乗機であったシュッツバルトのデータを反映した砲撃戦仕様のキャノンパックが主流となっている。後にカチーナ・タラスクやラッセル・バーグマンといった、ゲシュペンストを乗り続けたベテランパイロットには、こちらの換装パック型の量産型Mk-Ⅱ改が譲渡されている。
競合相手であるツェントル・プロジェクトやリオンシリーズとは全く違う方向へ発展したゲシュペンストは、名実ともに失地回復へ成功の兆しがある。立案者のギリアムやカイは感無量のことだろう。
なお、プラン名が欧米で行われる行事・ハロウィンを冠しているのは、ゲシュペンストが幽霊の意味を持つことからと思われる。