メイド鬼太郎
めいどきたろう
概要
6期ゲゲゲの鬼太郎第58話「半魚人のかまぼこ奇談」で見せた鬼太郎の衝撃の女装。
ある海難事故の背後に妖怪が関わっているのではないかと思い、1人でとある港町を訪れた鬼太郎は、事件の首謀者である半魚人(CV:松山鷹志)とタッグを組んで金儲けを企むねずみ男の罠に掛かり、半魚人の“深海妖術”によってダイオウイカに変えられてしまう。
その後、散々利用された挙句の果てにダイオウイカの天敵であるマッコウクジラに襲われた鬼太郎は瀕死の重傷を負ってしまい、最早用済みと見なした半魚人(の独断)によって一本10万円×100本のかまぼこにされてしまうが、事を知ったねこ娘達がかまぼこを買い占め(砂かけ婆が株や不動産、仮想通貨、租税回避などで稼いでいた資産を提供)、恐山の妖怪病院で治療を受け(治療費の1億も砂かけ婆が提供)、何とか元に戻る事ができた。
そんな事は露知らず、阿漕な商売で稼ぎに稼いだ金に物を言わせて完全に人間社会に馴染み、自身が経営する大会社で働いていた半魚人の元に、紫のセミロングヘアースタイルの絶世の美少女がメイドとして働きにやってきた。
(ちなみに雇う条件が、「月給100万、だがほこり一つ落ちていてもクビ、呼んで3秒以内に駆けつけなかったらクビ、熱があろうと家族が死のうと休みはなし」というブラック企業も真っ青なブラックさだった)
その美貌を垣間見て一目惚れした半魚人は彼女に大金を積んで結婚を申し込むが、彼女からは「私は人間、あなたは妖怪。結婚はできませんわ」と妖怪を理由に断られてしまう。
それでも諦め切れない半魚人は恐山の妖怪病院を訪れ、1度人間に成れば2度と妖怪には戻れないのを覚悟の上で今まで稼いだお金をつぎ込み、人間となって再び彼女の前に現れ結婚を申し込む。
が、実は彼女は鬼太郎の変装。高笑いと共に変装を解いて正体を明かす鬼太郎に、報復を恐れて怯える半魚人だったが、鬼太郎はそのままその場から去っていった。
ホッとする半魚人だったが、実はこの時すでに鬼太郎の復讐は完了しており、自分が切り捨てたねずみ男によるバイトテロの報復により、事業は急激に傾いて融資の打ち切りや破産の憂き目に遭う。こうして彼は金が全てである残酷な人間社会で生き続けなければならなくなってしまい、後悔と絶望のどん底に叩き落とされるのだった…。
という、原作や第2期と同様の顛末を迎えるのだが、女装したメイド姿の鬼太郎の余りにもハイクオリティな容姿に釘付けになった視聴者は多く、様々話題を呼び、騒然となった事は言うまでもない。また声色まで完全に女性のものに変わっていて、SNS上では某国民的お色気キャラや30分前の世界の前世を思い浮かべたという呟きも見受けられた。ちなみにニュースに載ったのは前者。天然ボケの入った演技は後者のファンに対するサービスの意味合いが強いだろう。
さらには、同回が放映された6月2日はCVを担当する沢城みゆき女史の誕生日でもあった。何たる偶然…。
ちなみに
実は鬼太郎が女装したのは今回だけではなく、原作『かまぼこ』(第2期13話)の回、第3期第13話「おりたたみ入道」、第4期88話「妖怪ふくろさげの罠!」でも披露しているのだが、予想の斜め上を行く美少女姿だった6期とは違っている為、あまり話題にはならなかった(と思われる)。
また原作および過去アニメでは鬼太郎がリボンやカツラをつけて女装していたのに対して、6期では精巧なマスクを被るという某怪盗アニメのような変装術を使用している。ちなみに6期鬼太郎はその怪盗の仲間(前述)と同じ声だったりする。半魚人の男心をくすぐって手玉に取る見事な手口は、まさに中の人が演じていた永遠の悪女さながらである。
ここまでやたらと徹底していたのは、メタ的に考えると上述にあるように半魚人に一目惚れされて結婚を迫られる展開があったためなのかもしれない(規制が緩く何でも許された時代だった原作・2期はともかく、いくら尖った路線の6期といえども、ニチアサから分かりやすい女装姿の少年に半魚人が結婚を迫る絵面はさすがにまずいと判断されたのだろう)。
また、原作の逆さ首三姉妹に対しては、自分の能力で実際にメイドに変化している。
なお、半魚人は三期では女王人魚とめでたく結婚したが鬼道衆に結婚式を邪魔されて嫁を拐われるトラブルに見舞われた。
ついでに言うと、このタイプの半魚人と海女房はデザインがほぼ同じなため、間違われやすい。
なお、妖怪千物語では、ぬらりひょんの手下の半魚人が操る大イカと、鬼太郎を助ける化け鯨の対決がある。また、大海獣に変化した際はシロナガスクジラ達に救われたが、ねずみ男と共に魚になったらサメに襲われたこともある。
なお、マッコウクジラに似た魚の中国妖怪・奔䱐や、も水木氏はイラストに描いている他、とある妖怪図鑑での人魚ことマーメイドは西洋の古い鯨の見た目にそっくりである(化け鯨のデザインも西洋の古い鯨の絵画から着想したとされる)。