容姿・生態
原語では「ハウス・エルフ」。
大きな耳と目に小柄かつ細身のみすぼらしい容姿をしており、多くは甲高い声で話す。
そのひ弱な見た目に似合わず、杖を使わずに強力な魔法を扱える。
特定の魔法使いに仕え、身の回りの世話や家事・雑用をこなす。
隷従の証として薄汚い枕カバーやキッチンタオルを衣服代わりに身に付けている。また、衣服を与えられる事は彼らにとって主人から解雇される事を意味する。
彼らにとっては魔法使いに生涯無償無給で隷従する事こそ名誉であり、主人に対しては絶対的な忠誠を誓う。そして彼らにとっていいご主人様とは「理不尽に殴ったり怒鳴ったりせず、その上でやりきれないほどの仕事を与えてくる」人を指し、それ故に仕事がすぐ無くなってしまう貧しい家は好まないのである(労働で対価を得るのは不名誉であるため商売などをさせることはできない=生活水準の改善には役に立たない)。
逆に相応の対価や自由を求める事は彼らにとって不名誉な事で、作中で彼らの過酷な境遇に納得がいかないハーマイオニーが彼らへの人並みの扱いを求める「S.P.E.W.(妖精福祉振興協会、度々SPEW(スピュー=反吐、吐瀉物)と論われていた)」を設立したが、ホグワーツで働くハウスエルフ達から猛反発を浴びる羽目になった。
上述の理由から、仕える魔法使いは大抵が裕福かつ由緒ある家系である事が多く、魔法使いの間ではハウスエルフを従えている事が一種の社会的ステータスになっている。
主人が死んだ場合、ハウスエルフも財産として他者へ相続される。
酒には非常に弱く、バタービール(USJのそれは水飴を生姜とお湯で溶き、冷やしてバターの泡を乗せたノンアルコール飲料だが、原作の物はごく微弱なアルコールが入っている)で酔いつぶれるほど。
また、虐げられる描写が目立つが、中には(家系や出身寮を問わず)彼らを見下さず大切に扱う魔法族も存在する(アルバス・ダンブルドア、レギュラス・ブラック、ハリー・ポッターなど)。
特にダンブルドアはハウスエルフでありながら給金を求めてきたドビーに対して、本人すら遠慮して値切るほどの高給を提示しており、彼の慈悲深さや偏見を持たない柔軟さが現れていると言える。
能力
魔法使いに隷従し、主人から虐待されても逆らえない彼らだが、実は強力な魔力を持っている。高度な魔法である姿現し術も使うことができ、人間なら姿現しできない場所でさえ瞬間移動できる。
ドビーは自分を自由にしてくれたハリーを守るためにルシウス・マルフォイを吹き飛ばし、ルシウスも攻撃を諦めて退散している。
つまり名門出で元死喰い人であるルシウスでさえ、本気を出したドビー相手には分が悪いと思ったということである。
おそらく彼らがこうした魔法を使えるのは、「主人もしくはそれに準ずる者を守るため・その命令を遂行するため」という条件の元でのみ可能と思われる。
スピンオフゲーム「ホグワーツレガシー」内では、ハウスエルフ用に作られた甲冑を見つけることができる。とある間抜けな魔法使いがハウスエルフの力に目をつけ、自分の身辺警護をさせるため作らせたらしい。
しかしハウスエルフは鎧を服=解雇通知と見なし、姿を消してしまったようだ。
作中に登場した屋敷しもべ妖精
シリーズ中で初めて姿を見せた妖精。
魔法使いの奴隷としてではなく一個人としての考えを持つが為、要領の悪さも相まって同族からは厄介者扱いされている。
かつてはマルフォイ家に仕えていたが、ハリーの計らいによって自由の身となる。
元々ハリーの事を尊敬していた事もあり、以降は協力者となるが……。
女のハウスエルフ。高所恐怖症
かつてはバーテミウス・クラウチ・シニアの家に仕えていたが、とある騒動に巻き込まれてクラウチ家を解雇され、ホグワーツへと流れ着く。
忠誠心がとても高かった事が災いし、ホグワーツへ再就職した後も解雇されたことを受け入れられず、バタービールを飲んだくれて泥酔する毎日を送っており、ドビーと同じく他のハウスエルフ達から軽蔑されている。
ブラック家に仕えている不気味な風貌のハウスエルフ。
主家の影響もあってか純血主義的発言が目立つ。その為唯一の主人にあたるシリウスのことを一族の恥と軽蔑し、シリウスもシリウスで坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとばかりにクリーチャーを冷遇。相性は最悪だった。
シリウスの死後、その遺言に従って嫌々ながらハリーに仕えることとなった。
しかし自身を可愛がってくれていたレギュラス・ブラックからの果たせなかった遺言をハリーが果たしてくれた上、唯一の遺品であるロケットを贈られてからは態度を一変させ、純粋に忠誠を誓うようになった。