どうして概要が説明されるんだろう?
PSP用ソフト『イレギュラーハンターX』に収録されているムービー『The day of Σ』にて、イレギュラーが異常発生している事を耳にしたエックスが呟いた一言である。
これを聞いたゼロはエックスにこう返答した。
『プログラムのエラー、電子頭脳の故障。俺達レプリロイドの高度な情報処理能力の、いわばツケだな』
それに対してエックスは答えず、表情を曇らせるのだった。
どうしてセリフが解説されるんだろう?
エックスもイレギュラーハンターの一員である以上、ゼロが解説した程度の知識は持っていたと思われる。しかし、エックスはそれでもこの疑問を抱かざるを得なかった。
これはエックスが他のレプリロイドには無い「苦悩する」回路を持っているために「理論的には説明できない、何か感情的な理由があるんじゃないか」と考え、苦悩した結果の発言なのである。
例えれば「人が人を殺すメカニズムが理論的に証明された時代に『どうして人は人を殺すのだろう』と言う」ようなものである。イレギュラー化が上記した様な「プログラムのエラー」だけで片づけられるものではないんじゃないか、とエックスは考えるのだ。
案の定、シグマは「エックスの持つレプリロイドの可能性の探究」の結果、ルミネは「食物連鎖的に考えれば進化した自分たちが古い存在を淘汰するのは当然の事」と考えた結果、イレギュラー化した。言い換えれば、イレギュラー化の要因となる「考え」を探究しようとして、二人はイレギュラーとなったのである。そう考えれば、エックスのこの感情は結構深い。
一方、ゼロの側もそんな「甘い」考えを持つエックスをバカにすることなく、律義に答えを返している。対照的に見える両者だが、実際は深い信頼関係で結ばれている事を示した会話とも言えるだろう。
どうしてセリフがネタ扱いされているんだろう?
本来、少し説明的過ぎる事を除けばネタ要素を含んだ一幕ではないのだが、イレギュラーの巣窟たるMAD動画『ゼERO』ではこのシーンを題材とした動画が多数制作されており、結果として『The day of Σ』を代表するネタシーンとして認識されるに至っている。
代表的な使い方としては、異様な言動を続ける登場人物に対し、エックス(SEエックス)が蚊帳の外から遠回しにイレギュラー扱いするような形で発する事が多い。また、動画視聴者も製作者の634氏や他の動画制作者・視聴者をイレギュラー扱いする形で使用する事もある。
また、そこに加えてゼロの「いわばツケだな」を逆から読んだ「いわばケツだな」なんてセリフもセットで使われる。
しかし、言うまでもなくこんなセリフを発する当人もイレギュラーである。
まぁゼERO動画では上記のようなマジメな設定は無視して、ひたすらイレギュラー化する彼らを笑ってしまおう(いわばケツだな)。
余談だが、ラジオ番組『杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン』では、MCの杉田智和が「どうして櫻井さんのロックマンみたいな声をあげるの?どうしてイレギュラーは発生するんだろうって……」「んんんんん!!って奴がね。ふざけるな!」「あれ大好きなんだ、テンションが高すぎて」などと発言しており、彼もまたこのシーンをロックマンXを代表する名台詞だと認識している事が窺える。どうして貴方まで!?
しかし、ゼEROのせいでネタにされまくっているこのセリフだが、そもそもこのセリフ自体笑い者にできるものでは一切ない。
ここでいうレプリロイドを人間に置き換えて考えてみると、いかにエックスの疑問に対する答えが難しいかが分かるセリフであると言える。
見方によっては、レプリロイドもある意味人間であることを暗喩しているセリフとも解釈できるため、過度なネタ扱いは厳禁である。
と言うかそもそもの話、言ってしまうとゼEROシリーズというもの自体がロックマンXのイメージや精神をぶち壊す目的で作られたものであり、沢山の製作者もファンなどではなく、ロックマンXを揶揄しようとしたアンチである事が分かっている。詳細は触れないが(検索などもお勧めしない)、ゼEROシリーズはあまりにも危険かつ卑猥な下ネタなどの悪質なセリフで度々騒動になる、ネット界隈でもかなりタチの悪い『イレギュラーそのもの』である点には留意したい。
どうして関連タグがこれだけなんだろう?
ゼERO ゼEROウィルス感染者 作者はイレギュラー こいつで抜かないでください こいつでは無理でした
チキン冷めちゃった:ファンを騙ったアンチによって作られたネタつながり。あちらもエックスやゼロと同じく、ネタの関係者がとばっちりというイレギュラーをくらってしまっている。