概要
膨大な数の漫画作品がある現代日本においては、表紙で如何に閲覧者を引き込めるかが重要になる。美麗であれば真っ先に誰もが飛びつくが、逆に下手すぎても気になってしまうのが人間の性。
このことを利用して以下のように分けられる。
①上手い表紙なのに中身が伴わない
もっともよくある表紙詐欺のパターン。
美麗な表紙なのに、それに付随する本編の絵柄が明らかに下手。要するに見掛け倒しである。
下記のように様々な理由が存在する。
- 単純に一枚のイラストを描くのは上手だが、漫画を描くのが下手
- 表紙に注力しすぎて力尽きた
- 下手だと分かっているから、せめて表紙だけは綺麗にしておこうという悪あがき
- 意図的に読者を騙そうとしている、いわゆる釣り
なお、同人誌の場合は「衣(外側の表紙)ばかり立派で具(中身)が伴わない」という意味から「テンプラ本」などと呼ばれる。
②下手な表紙なのに中身が美麗
上記とは逆に、ものの数秒でできそうな表紙(落書き同然だったり、酷い時にはタイトルだけが書き殴られている、など)だが、中のイラストは本気全開というパターン。作者が本編に力を入れすぎて表紙を描く気力が尽きた場合に使われることがある。
また、下手な表紙に突っ込むためにやってきた読者をビビらせ、自身の虜にする際にも使用される。
当然、読者側にとっては嬉しい不意打ちとなりやすい。
その他、原作で絵が下手な登場人物が描いた(という設定の)絵が表紙になっている場合もある。この場合はあくまで表現の一手法で、必ずしも表紙詐欺を意図していないこともある。
③上手い表紙でしかも中身も美麗、下手な表紙でしかも中身も普通
先述の二つのどちらかであるということを期待してやってきた閲覧者に制裁を下す逆転の発想
。
上手い絵の人が表紙を描いたら上手いに決まってるだろという暗黙の誇りがそこにある。ただし、これは至極当然のことなので、この意味でのタグ乱発は避けた方がいい。
④「刺激的な表紙」なのに「中身は(ギリギリで)健全」、または「健全な表紙」なのに「中身はエロ・グロ」
豊満な肉体、飛び散る血……閲覧者は18禁やグロテスクを期待しているのだが、蓋を開いてみれば全く無関係。逆に安全かと思いきや、思いがけない合体シーンが描かれていたり……油断大敵。
⑤百合作品だと思ってたら男が出た
互いを見つめ合っていたら百合、カメラ目線だったら画面外に誰かいるという見分け方はあるが、あまり当てにならない。
逆にBL作品だと思ったら女が出てきたことも……。
⑥ギャグな表紙なのに中身はシリアス、シリアスな表紙なのに中身はギャグ
意味はそのまま。
関連タグにある「あそびあそばせ」は、こちらに該当する。
⑦表紙に描かれているキャラが作中で登場しない
個人やサークルで製作されている同人誌の場合は『表紙に載ってるキャラが作中ではHシーンどころか出番すらない』というケースが稀にあったりする。
また、成人向けアンソロジー作品においては『表紙に描かれているキャラクターは有名なクリエイター・同人作家・エロ漫画家が描いているものの、そのキャラクター(ヒロイン)は肝心のアンソロジーに収録されているエピソードには一切登場しない』というパターンが有名である。
(ただし、『カバーイラスト:○○』のように表紙だけで中身には携わっていないことは表紙に明記されているため、厳密には詐欺には当たらない)
関連タグ
あそびあそばせ:商業作品で代表的な表紙詐欺である。しかも、公式まで開き直って自虐ネタとしてCMで使い始めた。
パッケージ詐欺:ゲームにエロゲ、更には食べ物等といった色々な形式の作品・商品で起こり得る『表紙詐欺の立体版』とも言うべき悲劇のこと。
OP詐欺:『内容を楽しむ前の予想』と『内容を楽しんだ後の事実』が大きく異なっているという点で共通している。
表紙買い:表紙詐欺の作品が誘発させやすい