各務原線

かかみがはらせん

岐阜県各務原市の新鵜沼駅と同県岐阜市の名鉄岐阜駅までを結ぶ名古屋鉄道の路線

路線データ

鉄道要覧による起点は名鉄岐阜駅だが、旅客案内、運行管理、列車番号の付番は新鵜沼駅を起点として扱っている。

各務原市から岐阜市、および犬山線を経て名古屋への通勤・通学路線となっており、犬山線と運転系統上一体化している。（鉄道要覧準拠の終点である新鵜沼駅では岐阜方面へ折り返すことが難しい）

全線にわたってJR東海高山本線と並行しているが、本数では圧倒的に各務原線が有利。ただし運賃・所要時間の面ではJRに負ける。

かつて田神-新岐阜間には路面電車である田神線経由の美濃町線の列車が乗り入れていたが、分岐駅の田神駅には急行・準急は停車しないために各務原線と田神線を直通利用する場合に限って重複乗車の特例が設けられていた。田神線が廃線になった時にこの特例も廃止されている。

全線が濃尾平野を走る関係上、平坦な区間が多いが羽場-鵜沼宿間に木曽川が形成した河岸段丘を33.3パーミルの勾配で一気に駆け下りる区間（逆方向の場合は当然ながら駆け上がる）がある。

全線にわたって高山本線と競合しており、運賃や所要時間ではこちらは劣るが本数や高山本線の交換待ちの影響でこちらの方が優位になっている。

因みに高山本線は単線で速度が出せるが、こちらは全線複線となっており本数で優位を保っている。

なお、2023年3月18日のダイヤ改正により、ワンマン運転を開始、全列車終日名鉄岐阜～犬山(三柿野)間での折返し運転に変更される。

これに伴い、午前中に設定されていた中部国際空港行きや豊橋行き、知多半田行きなどの直通列車が消滅することになる。

この路線で語り草となっているのが、名鉄の名鉄らしいカオスな要素が寄せ集まったこの列車。現在ではありきたりな列車になってしまったが、2024年3月の運行系統分離まではそれはそれはカオスな列車だった。

この列車は岐阜を2両の急行吉良吉田行きとして発車。新鵜沼で前に6両増結し、2+2+4の8両で名古屋へ向かう。名古屋で普通に種別変更すると、そのまま鳴海に向かい、鳴海で急行に戻って豊明に特別停車して終点吉良吉田に向かう、という何の変哲もない列車に見えるのだが…

堀田を出ると鳴海まで8両の電車は止まれないため、呼続、桜、本笠寺、本星崎の4駅連続で締め切り。岐阜から来た車両からは降りられない。
鳴海で、後ろの4両を切り離し。前の4両が急行吉良吉田行きとして発車する。後ろの4両はここで普通豊明行きに変わるため、岐阜から来た車両は吉良吉田に行かない…ように見えるが…
この間に岐阜を3分遅れて出発した急行豊橋行きに抜かれるが、前の4両が急行として後を追いかけるため結局新安城で追いついてしまう。停車時間に余裕がないため乗り換えはできない。なおここでかつては準急になっていたため北安城に特別停車する。
残された豊明行き普通はそのまま豊明に向かい、2024年3月までは豊明到着後に回送としてさらに西へ。新安城で西尾行き急行として運用され、さらに回送で吉良吉田に来る。

という、特別停車、締め切り、種別変更2回と名鉄あるあるのオンパレードという列車だった。

●：全列車停車〇：臨時列車停車ㇾ：通過駅