概要
南米バル・ベルデ共和国の元大統領アリアス一味によって娘を誘拐され、引き換えに現大統領の暗殺を強要されたジョン・メイトリックス。
バル・ベルデ行きの飛行機に搭乗させられる直前、娘を捕えているアリアス一味の一人・サリーは「ビールでも飲んでリラックスしな、娘の面倒は俺がしっかり見ててやるよ」と、メイトリックスを挑発・愚弄しつつ、彼のシャツのポケットに紙幣を突っ込んだ。
「面白い奴だ、気に入った。殺すのは最後にしてやる」
と、不敵な笑みを浮かべるメイトリックス。その迫力にやや気圧されつつも、所詮はただの負け犬の遠吠えだと思って聞き流し、薄笑いしながら飛行機を見送ったサリーだったが……
まさかわずか1時間後に、メイトリックスが監視役のエンリケスの首をへし折り、飛行機から飛び降りて脱出し、ビッグスらショッピングモールの警備員を蹴散らしながら自分を追って来るとは夢にも思わなかったのである。
そして筋肉式カーチェイスの末にサリーを追い詰めたメイトリックス。
崖の上から、利き腕とは反対の左腕(要は「そう長く捕まえてられないから早く話さないと落としちまうぞ」ということ)でサリーを宙吊りにし、娘のジェニーがどこにいるか聞き出そうとするが、サリーは意外に口が固く「何も知らない」の一点張り、しかしふと「クックが知ってる、奴と会う約束をしている」と言ってしまった。
恐らくサリーとしては「この場を乗り切った後メイトリックスをモーテルに誘い込みクックと2人がかりでメイトリックスを仕留める」という目論見だったのだろう、クックは元グリーンベレー隊員なうえ、コマンドー隊員を複数名葬っており、ある程度メイトリックスともやりあえる実力者であるため(後の大暴れを考えると考えが甘いが)この時のサリー視点では特に分の悪い賭けではない。
しかし実はメイトリックスはサリーが運転していた車からモーテルの鍵を見つけており、「このモーテルで会うんだろ?」とサリーに突きつける。(鍵を見つけた時点でサリーはほぼ用済みであったが、このモーテルがサリーの潜伏先なのか他の用途があるのかが分からなかった)
口を滑らせた事で、情報は持ってない、案内役も不要、と自分がもはや見逃してもらえる条件を提示できず用済みになったのを悟ったサリーは自身の運命を悟り情けない声を上げ始める。
「お前は最後に殺すと約束したな」
と、彼が空港でのセリフ引き合いに出した事で、サリーはそれをダシになんとか命乞いを図るが、メイトリックスは
「あれは嘘だ」
の一言で手を放し、サリーは絶叫と共に崖下の暗闇に落下していったのであった。
誰が言ったか筋肉式キャッチアンドリリース。
伏線と思いきやそんなことはなく、悪党相手の約束をあっさり反故にする痛快さから人気がある。
シンディ「アイツはどうしたの?」
メイトリックス「放してやった」
他の作品
『ジョジョの奇妙な冒険』第5部「黄金の風」
よく似た台詞に「〇〇と言ったが・・・スマン、ありゃ嘘だった」がある。こちらは主人公ジョルノの台詞である。
鎌倉殿の13人
最終回で三浦義村が北条義時に言っている。詳しくはおなごというものはな、キノコが大好きなんだを参照。
魔術士オーフェン
長編『魔術士オーフェンはぐれ旅』第10巻にて、主人公オーフェンがボルカノ・ボルカンに対して「言うことを聞けば、借金をチャラにしてやる」と言ったが、その後、指示に従ったボルカンに対して、しれっと「あれは嘘だ」と言いのけた。
ボルカンは「おい!」とツッコんだが、ボルカンの弟ドーチンは「やっぱり」と納得していた。
ヒューマンバグ大学
拷問ソムリエシリーズにおいて、外道の1人である大鳥において、デスゲームで最後に生き残った宮内義人が楯突いた際に放った一言が「生き残った者の命は助けてやると言ったな。あれは嘘だ」と言い放ち崖から落とすという完全に確信犯ある。
pixivでは
「〇〇と言ったな、あれは嘘だ」と言う具合に、いともたやすく行われるえげつない行為的なニュアンスで用いられる事が多い。