「ホタルって不思議な生物だよね?火に飛び入ったり、突然老化したり。でもそうなっちゃうまで、毎晩、星よりも眩しい光を放ってるんだよ」
概要
星核ハンターの一員、装甲「サム」を纏って戦う。任務に忠実で、粘り強い性格。
スウォームに打ち勝つための兵器として生まれた彼女は、成長速度が一般人とは異なり、その寿命は極めて短い。「生」を求めて星核ハンターに加わり、運命に抗う方法を探している。
プロフィール
人物
今はもう滅びた帝国「グラモス」出身の、何処か儚さを帯びた美少女。現在は星核ハンターの一員で、賞金額は97億2300万。
まだグラモスが存在していた頃、スウォームの脅威に対抗するべく遺伝子操作によって生み出され、装甲を纏って戦う生体兵器の戦士として運用されていた。グラモスが滅んで尚もスウォームと戦い続けた末生き残りとなった彼女は、装甲の覚醒と共にスウォームを自身の母星諸共葬った。その後星核ハンターカフカに回収され、自らの生命の意味を求めて星核ハンターとなった。
遺伝子操作によって一般人とは異なる成長速度を以て生まれた代償に、あらかじめ植え付けられたロストエントロピー症候群の影響で、その人生は短い内に終わりを迎える運命にある。
「ファイアフライ-Ⅳ 戦略強襲装甲」通称「サム」は、戦闘時に自身が纏う装甲であると同時に、ロストエントロピー症候群の影響を抑えるための医療カプセルの役割も担っている。
等身大の少女らしい人柄と願望を持つ一方、経歴ゆえか効率主義(悪く言えば脳筋)の傾向にあり、物事をより早く片付けようとしたり、戦闘においても殲滅力に長けた手段を好んでいる。
「運命が自身を作るのではなく、自身が運命を作る」考えを持っており、運命に縛られる星核ハンターでありながら、自身の運命を自ら切り開こうとしている。そのため、「開拓」の運命を歩むナナシビトに少なからず憧れを持っている。
生まれつき夢を見る機能を持たず、必要な睡眠時間も極めて短いため、夜は屋上で日が昇るまでの中変わりゆく景色を眺めている。
能力と戦術
フィールド探索中はホタルの状態で操作し、戦闘時にはサムを装着する。
必殺技によって強化状態に移行して弱点撃破を狙い、それに伴う撃破/超撃破ダメージを与える撃破アタッカー。弱点撃破によって高いダメージを叩き出せるが、弱点保護を行う敵に対しては火力を発揮しにくく不向き。
軌跡
- 通常攻撃「コマンド-フラッシュオーバー推進」
削靭値-10。
指定した敵単体に装甲「サム」の攻撃力50%~100%分の炎属性ダメージを与える。
- 戦闘スキル「コマンド-天火轟撃」
「進攻、開始」
「準備完了、起爆」
削靭値-20。
自身の最大HP40%分のHPを消費し、自身の最大EP50%~60%分のEPを固定で回復する。指定した敵単体に装甲「サム」の攻撃力100%~200%分の炎属性ダメージを与える。残りHPが足りない場合、戦闘スキルを発動する時、装甲「サム」の残りHPが1になる。自身の次の行動順を25%早める。
- 必殺技「ファイアフライ-Ⅳ-完全燃焼」
「「ホタルは…生きるために死ぬ」」
「「自分のために戦うよ。すべてが…燃え尽きるまで!」」
「完全燃焼」状態に入り、自身の行動順を100%早める。通常攻撃「コマンド-フラッシュオーバー」が「ファイアフライ-IV-底火斬撃」に、戦闘スキル「コマンド-天火轟撃」が「ファイアフライ-IV-死星オーバーロード」に強化される。「完全燃焼」状態の時、速度+30~60。さらに、「ファイアフライ-IV-底火斬撃」または「ファイアフライ-IV-死星オーバーロード」を発動する時、自身の弱点撃破効率+50%、敵の弱点撃破被ダメージ+10.0%~20.0%、その回の攻撃が終了するまで継続。アクションバーに「完全燃焼」のカウントダウンが出現する。カウントダウンのターンが回ってきた時、装甲「サム」は「完全燃焼」状態を解除する。カウントダウンの速度は70に固定される。「完全燃焼」状態の装甲「サム」は必殺技を発動できない。
- 強化通常攻撃「ファイアフライ-Ⅳ-底火斬撃」(「完全燃焼」状態中)
「「アクション4、点火」」
削靭値-15。
自身の最大HP20%分のHPを回復する。指定した敵単体に装甲「サム」の攻撃力100%~200%分の炎属性ダメージを与える。
- 強化戦闘スキル「ファイアフライ-Ⅳ-死星オーバーロード」(「完全燃焼」状態中)
「あたしは…星海を燃やし尽くす!」
「戦うために生き、生きるために戦う!」
削靭値-30。
自身の最大HP25%分のHPを回復する。指定した敵単体に炎属性弱点を付与する、2ターン継続。その敵に装甲「サム」の攻撃力(0.2×撃破特効+100%~200%)分の炎属性ダメージを与え、隣接する敵に装甲「サム」の攻撃力(0.1×撃破特効+50%~100%)分の炎属性ダメージを与える。撃破特効は最大で360%までカウントされる。
- 天賦「ホタル式源火中枢」
残りHPが少ないほど被ダメージがダウンする。残りHPが20%以下の時、ダメージ軽減効果が最大値に達する、最大で被ダメージ-20%~40%。「完全燃焼」状態の時、ダメージ軽減効果は最大値を維持し、効果抵抗+10%~30%。戦闘開始時、EPが50%未満の場合、EPを50%まで回復する。EPが満タンになる時、自身にあるデバフをすべて解除する。
- 秘技「Δコマンド-焦土隕撃」
「ファイアフライ-Ⅳ、起動!」
削靭値-20。
空中に跳び上がり、自由に移動する、5秒間継続。継続時間終了後、落下攻撃を行い、一定範囲内のすべての敵を攻撃する。各ウェーブ開始時、敵全体に炎属性弱点を付与する、2ターン継続。この後、敵全体に装甲「サム」の攻撃力200%分の炎属性ダメージを与える。
追加能力
「αモジュール-アンチラグバースト」 | 「完全燃焼」状態の時、炎属性弱点を持たない敵に攻撃を行う場合、本来のスキルの削靭値の一定割合の靭性を削る。 |
---|---|
「βモジュール-自己制限装甲」 | 「完全燃焼」状態の時、装甲「サム」の撃破特攻が一定割合以上の場合、弱点撃破状態の敵に攻撃を行った後、その回の攻撃の削靭値を一定割合の超撃破ダメージに転換する。 |
「γモジュール-過負荷コア」 | 装甲「サム」の攻撃力が一定値を超えた時、一定の超過分があるにつき、自身の撃破特攻が一定割合アップする。 |
星魂
①「かつて安眠せし赤染の繭」 | 強化戦闘スキル「ファイアフライ-Ⅳ-死星オーバーロード」をは圧胴する時、ターゲットの防御力を15%無視し、SPを消費しない。 |
---|---|
②「砕かれし空からの墜落」 | 「完全燃焼」状態で強化通常攻撃「ファイアフライ-Ⅳ-底火斬撃」か強化戦闘スキル「ファイアフライ-Ⅳ-死星オーバーロード」を発動して敵を倒す、または敵を弱点撃破状態にする時、装甲「サム」が追加ターンを1獲得する。この効果は1ターン後に再度発動できる。 |
③「静かな星の川で眠る」 | 戦闘スキルのLV.+2、最大LV.15まで。通常攻撃のLV.+1、最大LV.10まで。 |
④「いつか蛍火をこの目に」 | 「完全燃焼」状態の時、装甲「サム」の効果抵抗+50% |
⑤「夢のない長い夜から明ける」 | 必殺技のLV.+2、最大LV.15まで。天賦のLV.+2、最大LV.15まで。 |
⑥「終わりの明日に咲き誇る」 | 「完全燃焼」状態の時、装甲「サム」の炎属性耐性貫通+20%。強化通常攻撃「ファイアフライ-Ⅳ-底火斬撃」または強化戦闘スキル「ファイアフライ-Ⅳ-死星オーバーロード」を発動する時、弱点撃破効率+50% |
装備・編成について
- 光円錐
- 遺物。
- 編成
作中の動向
開拓者視点の物語
開拓行路「喧噪と騒動」
ピノコニーの「黄金の刻」を散策中の開拓者は、ハウンド家から「密航者」と呼ばれ迫られる銀髪の少女を発見し、突然その少女に助けを求められる。
少女を庇ってハウンド家と対峙していたところへ、ハウンド家の保安官であるギャラガーが現れ、探しているのは「銀色の鎧を着た密航者」であり、「銀髪の女の子」ではないと部下に注意をし、その場は事なきを得る。
助けられたこのホタルという名の少女は、ファミリーのアイリス家の役者であると名乗り、庇ってくれた恩返しとして「黄金の刻」の観光ガイドをしてくれることになる。
色んな観光スポットを巡っていく中で、ピノコニーの歴史や文化に対する理解を深めていくと同時に、ホタルとの関係も順調に縮まっていき、観光行為自体も道中で出会った者からは「デート」とからかわれるほど雰囲気のあるモノになっていく。
しかし、この過程で起こった様々なハプニングを経験していく中で、開拓者はホタルが何らかの秘密を隠していることにうすうす気付く。
そんな折、ホタルから突然の告白を受ける。自分は本当は「地元の人間」ではないこと、ハウンド家に追われていたり主人公に接近したりしたのは理由があること、しかし助けてくれたことに感謝してることやナナシビトに憧れている気持ちは嘘ではないことなど。
その上で彼女は、もう一ヶ所、開拓者を連れていきたい場所があると告げる。そこは観光スポットではなく、むしろ彼女だけの「秘密のアジト」とも言うべきとっておきのところだという。
「そこで、あたしが知ってることを…できる限り君に教える」
彼女の「秘密のアジト」はドリームボーダー区域のとある展望台にあった。そこは、夢の中の空に一番近い場所であり、町の喧騒から離れ、ドリームメーカーの言い争いも無く、誰にも邪魔されることなく、今の風景、人、そして夢を感じられる場所だった。
この場所で、ホタルは以下の内容を開拓者に打ち明けた。
1. 自分は確かに「密航者」である。
2. 自分はピノコニーの多くの「現地人」と同じ星間難民であり、故郷はとっくの昔にレギオンかスウォームによって滅びている。
3. 現実ではロストエントロピー症候群という病を患っており、医療カプセル内での生活を強いられている。
4. 「時計屋の遺産」を追い求めているが、開拓者と対立することを望んでいない。
5. ほかにも隠している秘密があるのは確かだが、まだ開拓者に打ち明けることはできない。
「焦土の夢を見た。1本の新芽が土を突き破り、朝日に向かって咲き誇る。そして、あたしに囁くの」
「招待状の質問を覚えてる?──『生命体はなぜ眠るのか』」
「あたしはね……『夢』から覚めるのが怖いからだと思う」
すべてを話し終えると、すこし重苦しくなってしまった雰囲気を感じ、申し訳なく感じたホタルは空気を変えられる方法を開拓者に尋ねるが、最終的に「自撮り」をするという話にまとまる。
この時、「一緒に撮らない?」とホタルに提案された際に選択肢が提供され、話の流れに沿う形で「いいよ」を選び、一緒に記念写真を撮ることに。
(「いいよ」を選ばずに「やめておく」を選んでも進行することは可能。しかし、ホタルが非常にがっかりした様子を見せるほか、後に発生する小イベントが回収不可能になるため非推奨)
「ちょっと待ってね、準備するから……」
「…よし、撮ろう!」
「1……」「2……」
「チーズ──!」
自撮りの後、夢境の調査に進展があったと列車組からの連絡をうけ、ホタルと開拓者は「黄金の時」に戻り、そこでお別れをすることに。
しかし、いざ「黄金の刻」に戻ってみると、そこには人っ子1人として存在しない異様な風景が広がっていた。そして、2人の前に現れた花火によって、魔物の蔓延る夢境内のホテル・レバリーへと落とされてしまう。
ホテル中を探索する二人は、多くのパネルがある謎の部屋にたどり着いたが、突然記憶域ミームの襲撃を受け、ピンチに陥る。
そこへブラックスワンが現れ、2人を助け、彼女の力を借りて主人公は無事に夢境から脱出に成功する。
列車組やブラックスワンと話し合った結果、夢境のホテル内には何か秘密があるという結論に至った途端、端末に仕込まれた星核ハンター銀狼のメッセージが作動。彼女から得たコードを利用してブラックスワンと共に立ち入り禁止のはずの夢境内のホテルに再び侵入。その途中で、夢境の中で道に迷っていたらしい黄泉とも合流。そんな中、ブラックスワンが無境のホテルにホタルが未だに行動している様子を発見。その上、彼女は何かに追われている様子だという。
一行は急いで後を追った末、ついにロビーでホタルを見つけた。
そのとき、異変は起きた。
突如飛び出してきた記憶域ミームがホタルに襲い掛かり、背後からホタルの体を刺し貫いたのである。
そのまま崩れ落ちるホタルの体を受け止めようとするも、夢境の中で死んだ者の体は既に原形をとどめることができず、そのまま主人公の腕の中で泡となって消滅してしまった。
本来、夢境での死は現実の死とは別物であるが、ピノコニーの裏で異変とされているその記憶域ミームによって夢境内にも精神的な死が引き起こされており、ホタルはその犠牲者となってしまったのである。
その後(上記の秘密基地でホタルとの自撮りツーショットを行っていた場合)、現場の床を調べると撮影に使っていた彼女のスマホが地面に落ちているのが確認できる。
「消えかかったスマホが地面に落ちており、未送信のメッセージが残されている…それは記念写真のようで、写真の中の2人は幸せそうに笑っている」(拾う)
「スマホは完全に消え、夢の泡となって消え去った」
開拓行路「鳩たちの中の猫」
ホタルとロビンの死について調査を進める途中で、アベンチュリンが仕掛けた命がけの大賭博に参加させられることとなった列車組一行。
その終盤で、刀を抜いた黄泉が放った一振りの斬撃が、アベンチュリンの「存護」とファミリーが夢境で敷いた「調和」のルールを尽く断ち切り、周囲の時空が一瞬にして停滞した。
その影響を受け、開拓者は果てしない暗闇の中、「夢と夢の狭間の空間」へと落ちてしまう。
やがて、「炎」が落下していく開拓者を包み込んだ。
「…目が覚めましたか」
目を覚ました開拓者の前に立っていたのは、かつて夢境内のホテルで開拓者・ブラックスワン・黄泉の一行と一戦を交えた星核ハンターサムだった。
「もっと早くあなたの前に現われ、事実を伝えたかったのですが……」
「予想以上の妨害に遭いまして。11回試したのですが、すべて失敗に終わりました。いつの間にか、この世界との繋がりが強くなりすぎて、「脚本」の束縛から逃れることができなくなってしまったようです」
「…エリオの言う通り、あなたも私も、この夢の地で忘れられない収穫を得ることでしょう」
「私は彼やカフカのように人の心を知り尽くしているわけではありませんし、銀狼や刃のような特技もありません」
「私が得意とすることのほとんどは、慈悲を必要としない悪党にしか使えないのです」
「なので──私が取れる「手段」も1つしかありません」
「そう……」
「そう、君に見せるしかない…」
「あたしの すべてを」
ここでついに明らかとなった2つの事実。
ホタルは生きていた。
そしてホタルとサムは同一人物だった。
ホタル視点の物語
開拓行路「喧噪と騒動」~「鳩たちの中の猫」
ホタルは「星核ハンターのサム」として、首領エリオから得た指示は1つのみ。即ち、ピノコニーにおいて「星穹列車に共に『大いなる遺産』を追わせること」
その上で、エリオは2つの「予見」を彼女の「脚本」に残した。
1. 「サム」と星穹列車の対立は避けられない
2. 彼女はピノコニーで「3回の死」を経験することになる
この定められた運命に対し、彼女は抗い、自分の力で予言の束縛を打ち破ろうとした。
星穹列車との対立を防ぐために、「サム」の正体を隠して「ホタル」として開拓者の前に現れ、共にピノコニーを探索し、共に「時計屋の遺産」の真実に近づこうとした。
途中で開拓者とはぐれてしまった後も、1人で記憶域ミーム「死」の正体を探り、いくつかの推測を建てた上で、それを開拓者に知らせようとした。
しかし、結果的に彼女は「脚本」に記された未来を変えることは出来なかった。
彼女は「ホタル」として開拓者達の前で「死」を呼び出し、直接的な方法で真実を開拓者に伝えようとしたが、「脚本」の力に背くことができず、主人公の目の前で「死」に貫かれてしまい、予見された「1回目の死」を経験してしまう。
この「1回目の死」を機に「真のピノコニー」の真相を知り得た彼女は、再び夢境のホテルに戻り、もう一度開拓者に情報を伝えようとしたが、正体を明かすことが出来ないため、開拓者と同行しているブラックスワン・黄泉の2人を退け、開拓者だけを戦場から連れ出そうと試みた。
しかし、「サム」が開拓者に害を為そうとしていると誤解され、戦闘に入ってしまい、「サムと星穹列車は対立する」という「脚本」の予見がまたもや成立してしまい、おまけに戦いの最中ブラックスワンが開拓者を連れて何処へ消えてしまったため、目論見はまたもや失敗に終わる。
その後も彼女は幾度も開拓者に真実を伝えることを試み、その回数は11回。しかし、「脚本」が定めた運命の力は絶対的であり、試みの全てが失敗に終わってしまったのである。
開拓行路「私たちの時代で」
黄泉が持つ虚無の力が夢境の世界に敷かれたルールを尽く切り裂いたことで、「夢と夢の狭間の空間」でようやく開拓者に真実の真相を告げることができたホタル。
その後は、列車組と共に、原初の記憶域にある集落「ドリームリーフ」での探索を始めることになる。
ギャラガーからピノコニーの歴史や「時計屋の遺産」に関する真相を伝えられ、事件の核心がはやり「星核」にあること、その「星核」の正体が「ピノコニー大劇場」そのものであることなどを知り、姫子に招待される形で列車組の仲間として共に星核封印に向かうことになる。
一行はピノコニー大劇場につき、そこで待ち受けていたサンデーと対峙するも、まずは互いに理解し合える可能性を探ろうと、いくつかの質問を交わすことになる。
「生命体はなぜ眠るのか」という問いに「夢から覚めるのが怖いから」という答えを抱いているホタル。そんな彼女に、サンデーは夢の世界で永遠に「幸せに生きる」ということの正しさについての同意を求めた。
しかし、ホタルはそれに同意しなかった。夢に溺れたくない人間までも強制的に夢の世界に閉じ込めようとするサンデーの考えは、個人の自由意志を損害するものであるし、自分や他の人間たちが「鳥籠」に閉じ込められて守られるべき「弱者」かどうかなんて、他人が決めるべきことじゃないのだから。
サンデーとの決別の後、自分に待ち受けている「2回目の死」の意味を悟ったホタルは、それを行動に移そうと決意する。
それは、ピノコニーの夢境から強制離脱して現実世界に戻り、(ピノコニー夢境の異変を警戒した黄泉の提案で)アスデナ星系の外側に一時退避していた星穹列車を見つけ、「秩序」に関する真実を伝えること。
密航者であるホタルは、ドリームマシンやファミリーの助けも無いため、夢から目覚める唯一の方法は「本当の死」だけであり、それがエリオの予見した「2回目の死」だったのである。
「みんなの『開拓の旅』が──永遠に終わらないことを祈ってる」
「焦土を夢に見た」
「新たに生まれた蕾は、朝日と共にほころび、囁く……」
「「ホタルよ…生きるために死ぬのだと」」
「「現実でまた会えることを願ってる」」
余談
おごりイベント
ホタルを助けた後の観光探索の道中で発生するイベント。助けてもらったお礼として、開拓者はホタルに財布を渡され(予算20,000信用ポイント)、今回は自分のおごりだから好きなものを買って良いと言われる。
この際、店にあるものをどれほど買うのかによって、ホタルが全く異なる反応を見せる。
一部買うと、ホタルはそれが開拓者の好みだと認識し、自分はオークロールが大好きで、毎日1つは食べてるという話をシェアしてくれる。そして開拓者と一緒に食べ歩きしながら次のスポットに向かうことになる。
全部買うと、ホタルの予算である20,000信用ポイントがちょうど底をついてしまう。ホタルはそれでも相変わらず払ってくれるのだが、ショックで動揺を隠し切れない反応を見せる。
ちなみにこの予算20,000信用ポイントは彼女が1ヶ月働いて貯めた給料だったらしい。ホタルの反応があまりにも可哀そうだったため、後の祭りになって地団駄を踏んだユーザーが続出した模様。
加えて、彼女の願いの1つに「お小遣いで可愛いものをたくさん買う」というものがあり、それを知って更に一部ユーザーが罪悪感を覚えることとなった。
棒読み演技
ホタルはピノコニーで、ファミリーの中でも役者が多く集まるアイリス家の人間であると当初は身分を偽っていた。
星核封印に向かう途中で、ピノコニー大劇場に入る資格を得るために参加した「スラーダセレモニーオーディション」内のイベントの中で、開拓者とホタルが一組になってオーディションに参加し、演技を披露するというものがある。
この時の開拓者の選択肢で、奇人っぷりでボケた台詞や演技を選ぶと、ホタルがそれに呆れてツッコミを入れてくれる。逆にホタルが披露するほうになると、彼女のぎこちない棒読み演技を見ることができる。
ロストエントロピー症候群
ホタルが罹っているという、グラモス人が遺伝子操作の際に、鉄騎兵が他者に渡るのを防ぐ保険として意図的に植え付けたこと以外殆ど謎に包まれている病。
この病気にかかった者は、物理構造が不可逆的な慢性解離に陥る。要するに、ゆっくりと消えていくというもの。そして、その「消失」は周りの者にはほとんど気付かれないという。
人並みに走ることも、ジャンプすることも、他の人と会話することもできる。全部正常に見える。不正常な部分があるとすれば、それは「いつもより少し遅い」という一点のみ。だがそれがさらに遅くなっていくと、いつか自分と世界全体の境界が曖昧になり、現実と夢が同じようにバラバラになるせいで、区別がつかなくなってしまう。
ホタルがピノコニーにやってきたのは星核ハンターとしての任務のためだが、同時に私的な理由として、現実の自分が抱いている「叶わない望み」を夢境に訴えることを挙げている。
「(夢境の中でなら)医者の言葉を忘れて、自分の体で好きなものを聞いて、見て、触って、考えて、感じられる。この世界は現実じゃないけど、この感覚はなによりも大切なの」
「今この瞬間のように」
展望台での独白
メインストーリー終了後にドリームボーダーのホタルの秘密基地に行くと、ホタルに関する主人公の心の中の独白を聴くことができる。
しかも、異なる物語の段階で確認できる独白の内容も異なっている。バージョンごとにプレイしている者ならともかく、後から始めた初心者だと一気にメインストーリーを全部進めてしまうケースが多く、それだと途中段階の独白が確認損ねてしまうので、要注意である。
- Ver2.0後の独白
Ver2.0の開拓クエストにおけるホタルの死は、スターレイル史上最大の鬱イベントと称されるほど多くの開拓者の心にショックを与えた。
この段階での主人公は、ホタルが死んでしまったことへの悲しみと怒りを心に抱いていた。
- Ver2.1後の独白
ストーリー終盤でホタルが生きていたことや、ホタルとサムが同一人物であったことが明らかになった。
そのため、主人公はピノコニーの夢において何が本当なのか何が偽りなのか分からなくなり、遠くのビルを呆然と眺めながら物思いにふけっていた。
- Ver2.2後の独白
果てしない「エナの夢」の中で状況を打破する鍵を見つけられたのは、すべてホタルの献身と努力のおかげであることや、そのためにホタルが「二度目の死」を経験したことを黄泉に教えられた主人公。
自分とホタルにはそれぞれ果たすべき使命があり、一時的な別れが必要であると理解し、それでも全てが終わった後でまたホタルと会えるだろうと信じ、彼女が元気でいることを願った。
ホタル=サム説の伏線
Ver2.1で明らかとなった「ホタル=サム」という事実に驚愕したプレイヤーは多いが、その一方で、Ver2.0およびその前の段階からすでに多くの伏線が張られていたため、伏線に対する整理と考察を通じてこの真実にたどり着けたプレイヤーも少なくなかった。
「ホタル=サム説」の伏線は、主に以下のようにまとめられる。
- その1. OP動画に見られた基調色の高い相似性
ピノコニー篇のOP「WHITE NIGHT」の1:05で登場したサムは、炎を使った橙色を基調とした外見ではなく、まるでホタルの衣装を意識したかのような白とエメラルドグリーンの配色がされた姿で戦闘を行っていることが確認できる。
- その2. 「密航者」とその特徴
ホタルが自ら密航者であると告白したことで、同じ密航者であるサムとの繋がりが生じた。実際、ハウンド家が報告した密航者は1人のみであるため、自然と「ホタルとサムは同一人物」という可能性が浮かび上がった。
また、最初にハウンド家が「銀色の密航者」という特徴をホタルの「銀髪」に宛がったのも、実はミスリードではなく暗示だったことが判明。
- その3. 並みならぬ観察力と推理力
「黄金の刻」を観光案内していた時、ホタルは主人公よりも先にサンポの尾行に気付いただけでなく、サンポの身体特徴を細かく捉えた上でその戦闘スタイルや慣用武器を言い当てるなど、高い観測力と推理力を見せつけた。
この点からはサムとの直接的なつながりは見られないが、ホタルが「ただの普通の少女」ではないことを強く印象付けるポイントとなった。
- その4. 残った勢力との照らし合わせ
「なんて綺麗なんだろう…時間が永遠に黄金の刻に留まって、金色の夢になってる。パブの愚者やガーデンのメモキーパー、放浪する巡海レンジャー、カンパニーの使者、星穹列車のナナシビト…それから、あたし」
秘密基地での告白で、ホタルは自分が上記の派閥に属さないような発言をしている。公式の事前情報で公開されたピノコニーに集う勢力のうち、ホタルに言及されていないのは、アナイアレイトギャングと星核ハンターのみ(ホタルは招待状のことを知っているため、すべての派閥に属さない単独勢力の可能性はほぼ排除できる)。
そして、アナイアレイトギャングは(2.0の段階で)黄泉の干渉で来られなくなったことが判明しており、星核ハンターは今回の任務に顔を出しているのは銀狼とサムの二人のみ。そのため、自然とホタルの所属勢力が星核ハンターであり、サムと何らかの関係があるという結論にたどり着ける。
- その5. 滅びた故郷と「焦土」の夢
ホタルは、自分の故郷を滅ぼした存在の可能性の一つとしてスウォームを挙げていた。一方、サムの故郷であるグラモスもまたスウォームによって滅びていると遺物「蒼穹戦線グラモス」のテキストで確認でき、ホタルとサムは、同じ原因で故郷が滅んだことがゲーム内で示唆されていた。
ドリームボーダーの秘密基地でホタルが呟いた台詞に 「焦土の夢を見た。一本の新芽が土を突き破り、朝日に向かって咲き誇る」 という一言がある。これは既に滅びた自分の故郷に新たな希望が芽生えるという夢を語ったシーンと理解できるが、上記のグラモスが滅びた理由と照らし合わせると、サムとの繋がりが見えてくる。
実は「模擬宇宙:宇宙の蝗害」のアチーブメントおよび戦闘時のサムの台詞に「焦土作戦」というものがあり、謁見サイコロ「壊滅」を100回振ることで達成するというもの。この焦土作戦というのはサムのセリフから推察するにグラモスを襲ったスウォームに対して行われた「殲滅プラン」である。
- その6. 奥の手?
パネルの部屋で記憶域ミーム「死」の襲撃を受け、拘束されてしまったとき、ホタルはとっさに手を握りしめ、そのあと何かに気付いたように手を解いた描写がある。そして、そのあとすぐにブラックスワンが現れ、主人公とホタルを助けた。このため、ホタルには他人に易々と見せられない奥の手があること、ピンチに陥った際に使おうとしたこと、ブラックスワンが来ることを察して踏みとどまったことなどの可能性が考察されていた。
- その7. サムのターゲット
「巡海レンジャー…メモキーパー。このまま去れば誰も傷つきません。でなければ…全員死にます」
ホタルの死を調査する開拓者・ブラックスワン・黄泉の一行がサムを発見した際、サムはまず開拓者を見た後で目をそらし、開拓者の両側にいる黄泉とブラックスワンに標的を当てるような動きを見せた。これに関して、当時はファンの間で二種類の考察が成されていた。
1つは、開拓者がかつて星核ハンターの仲間だった可能性がある(実際に刃もカフカと任務を共にする主人公のことを覚えている)ため、サムも主人公を覚えており、主人公をターゲットから外したという考察。
そしてもう1つは、ホタルはかつて「主人公と対立することを望んでいない」と告白しているため、もしサムの正体がホタルならば開拓者をターゲットから外したのも辻津が合うという考察。
- その8. 「古い友人、新しい友人」
サムとの初戦を終えたことで獲得できるアチーブメントの名前。これに関してもやはり2つの考察が存在している。
1つ目は、「古い友人」とは星核ハンター時代の仲間という意味で、「新しい友人」は生まれ変わった主人公と再び出会うという意味。後者に関しては、「サム」としてでも、「ホタル」としてでも解釈は通じる。
2つ目は、「古い友人」とはホタルのことで、「新しい友人」とはサムのことを指すというもの。もちろん、二つの考察が両方とも正解というのも大いにあり得る話である。
- その他の匂わせ・元ネタなど
上記以外の匂わせとして、主人公とチャットしていた時のサムは、意外にも可愛らしいタイプのスタンプを好んで使っていたことが挙げられる。このことからも、サムが堅い見た目に反して柔らかい内面を持っていることが早い段階で明らかになっていた。
また、「ホタル」の英語名は「Firefly」であるが、実はP・D・イーストマン著の"Sam and the Firefly"(サムといたずら蛍)という児童書が存在している。「サム」と「ホタル」のキャラ名の元ネタと考えられると同時に、二人に深い関連性があることを裏付ける重要な証拠であるともいえる。
ホタル/サムとゴミ箱の関係?
ネタの域を出ない説だが、主人公がゴミ箱をあさる謎の趣味は実はホタル/サムと関係している、という考察がある。
- ステータスの謎
海外ではピノコニーマップに登場するエネミーのバトルステータス解析が行われていたが、「王のゴミ箱」のバトルステータスがサムとほとんど一致しているという謎の解析結果が出ている。
- リボンの謎
王のゴミ箱である「タルタロフ」は、何故か開口から女性が付けてるようなリボンが露出している(下の動画サムネの左上に注目)。
しかも、このリボンの外見が何故かホタルが付けてるものと形が瓜二つになっているのである。
- タルタロフのストーリーの謎
ホタル/サムはグラモス出身であることが明かされているが、実はグラモスの過去とタルタロフのストーリー内容は重なっている部分が多い。
グラモスの「蝗害」は「寒潮」、グラモスの「蒼穹の騎士」は戦う「ゴミ箱」、グラモスの執政議会は「ゴミ箱の王・タルタロフ」。「降り立った天外のモノがタルタロフの目を曇らせてしまった」という設定も、天外から出現したスヴォームとの戦争の中でグラモス執政議会が「女皇ティタニア」を監禁する独裁政権へと変質してしまったことと重なる。そして、上記の「王のゴミ箱」から露出しているリボンは、グラモス執政議会に幽閉されたティタニアのことを連想させる。
そもそも、タルタロフの夢境ストーリーはサンポ(に変装した花火)がわざと主人公に見せたものであるため、主人公にホタルの正体を回りくどい形で暗示したものである可能性も確かに否めない。
- 主人公のゴミ箱をあさる行為の謎
実は、開拓者がゴミ箱をあさるのはホタルを探すためという海外の考察がある。
星核ハンターの首領・エリオが黒猫ではないかという推測があるが、猫はゴミ箱をあさる習慣があることや、ホタルが「星間難民」だった経歴などから、エリオはゴミの山と一緒に暮らしていた星間難民の中からホタルを拾った可能性がある。
そして、記憶を失った開拓者が今でも執拗にゴミ箱をあさるのも、どこかのゴミ箱に隠れているかもしれない少女のリボンを見つけたいという衝動によるのかもしれない。
あくまでもネタ的な考察に過ぎないが、なんともロマンのある話である。
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