※この記事は『ファイナルファンタジー10』のネタバレを含みます!
いえ ゆい
のぼ めの
れん みり
よじ よご
ゅ
はさ
てか
なえ
くた
ま
え
概要
究極召喚獣に憑依して『シン』に作り替え、死の螺旋を生み出した全ての元凶。
その正体は、千年前にザナルカンドを統治していた偉大なる召喚士にしてユウナレスカの父親であるエボンの成れの果て。
名前の由来は「エボン=呪」。
エボンは、千年前のベベルとの機械戦争でザナルカンドが壊滅する前、生き残った召喚士や住民たちをすべて祈り子に変え、自らも現在の姿(エボン=ジュ)となって「夢のザナルカンド」を召喚、さらに自らの身を守るために『シン』を作り出した。
それ以降、自分の鎧である『シン』がユウナの父ブラスカをはじめとした大召喚士たちの究極召喚で倒されるたびに、その究極召喚獣に憑依し新たな『シン』に作り替え、人としての人格も、悪意も善意もなく、ただひたすら死の螺旋をスピラ中に強いていた。
千年前当時はザナルカンドと同様の機械文明都市国家であったベベルは、機械文明を破壊していく『シン』の行動を、故郷を滅ぼされたエボンの怒りと解釈し、エボン教を興し広めるようになった。
エボン=ジュと究極召喚
実は『究極召喚を使用した召喚士は死ぬ』というリスクは、実際には究極召喚の発動によるものではない。
『シン』を失ったエボン=ジュは究極召喚獣に憑依し、新たな『シン』に作り替えてしまう。その際に究極召喚獣が受ける苦痛が召喚士にも伝播するのが死の原因である。
究極召喚獣が『シン』を倒せるのは、召喚士との間に強い絆が反映されることで絶大な力(幻光虫を分解する能力)を発揮するため。しかし、その強い絆が要因となって召喚獣が『シン』に創り替えられる衝撃が召喚士にも伝わってしまうのだ。(エボン教やユウナレスカたちは、そこまでは説明しなかったため誰も知らないままだった。劇中でも説明されておらず、単に「究極召喚ではない方法で倒したから」だとしか思われていない)
実際にシーモアが自らの究極召喚獣であるアニマを使用しても死ぬことがなかったのは(ついでにラストバトルでユウナが喚び出した召喚獣にエボン=ジュが憑依した時に問題がなかったのも)、このことが関係している。彼はアニマの祈り子である自分の母を『シン』にしたくないという考えから、一度も『シン』にアニマをぶつけることはなく、通常の召喚獣と同じ扱いで使役していた。
本作の実質的なラスボスであるブラスカの究極召喚戦後、依り代となる召喚獣たちを全て倒しきれば、エボン=ジュはついにその姿をティーダたちの前に曝け出す。
千年もの間、「夢のザナルカンド」を召喚し続けるためだけにこの世に留まってきた結果なのか、最早人間としての姿は失われており、なんとも形容し難い小さな魔物の姿(ファンの間での通称は“ダニ”)の姿をしている。
戦闘
ジェクトが変貌したブラスカの究極召喚、そしてこれまでユウナが仲間にしてきた召喚獣達に取り憑いて操り、それら全てを撃破するとようやく本体とのバトルに突入する。
お供に歪んだ柱状の姿をした「ジュ=パゴダ」を二体引き連れている。
普通に攻撃をすると「ケアルガ」で体力を全回復されてしまう(とはいえ回復値は9999なので、連続魔法等の連続攻撃系の技ならば回復量を上回れる)上、「グラビジャ」でジワジワとこちらの体力を削ってくるので、倒すのに時間がかかる。
さらに、お供のジュ=パゴダは複数の状態異常を引き起こす「カージュ」を使用する他、「アスピラ」でこちらのMPを奪ってくるので非常に厄介。
……と解説すればラスボス然とした強さがあるように思えるが、実際はめちゃくちゃ弱い。
主な原因としては、
- エボン=ジュとのバトルでは常時強制「リレイズ」(これは祈り子たちの間接的な支援という設定)が掛かっており、プレイヤーが同士討ちによる石化を掛け合う等のよっぽど意図的な行動をしない限り負けることは絶対にない(本作の実質的なラスボスはジェクトだと言われる所以)。
- 状態異常が効くので、ゾンビアタック→レイズ系のコンボであっさり倒せてしまう。毒も効くので放置しておけば勝手に自滅するし、死の宣告も効くのでものの数秒(カウント3)で葬ることもできる。
- ラストステージに突入する前にモンスター訓練所に出現する化け物級の敵と張り合える強さになっていると、前座だが明らかにこいつより強いシーモアやジェクト(ブラスカの究極召喚)をもほぼ一瞬で倒せてしまい、ダメージ限界突破アビリティがついた武器なら上記の回復限界値を上回れるので、プレイヤーによってはギミック完全無視の一撃必殺も可能(エボン=ジュの体力は99999であり、ダメージの限界値も99999)
- そうでなくとも、最高峰の連続技であるティーダの最終技「エース・オブ・ザ・ブリッツ」なら簡単に倒せる。
……といったもの。
さらに、ジュ=パゴダは倒される度に最大HPが上昇して復活するので、プレイヤーの中には本体よりもお供の方が強いとさえ感じることも。
まあ、脆弱な本体を守るために『シン』という鎧を纏っているという設定を考えると仕方ないのかもしれないが。
正攻法で行くなら、エボン=ジュ自身の「グラビジャ」(術者を含めた全員の体力を1/4にする)で勝手にHPが減っていくので、攻撃せずにターンを進めて一撃で倒せるHPになったところに攻撃するか、上記の通り連続技の総ダメージが9999を超えるキャラで攻撃し続けてジリ貧にするのが一般的。
他にも、「リフレク」をエボン=ジュに掛けて「ケアルガ」による回復を阻止したり、毒状態にして自然死するまで待ったりと、ラスボスのくせに殺し方のバリエーションが豊富。
上記の無限リレイズで文字通り無限に時間があるので、何度か無駄攻撃でカウンターケアルガされ完全回復されてもいつでも取り返しが効く。
最後
ティーダたちによってエボン=ジュは倒され、「夢のザナルカンドを召喚し続ける」という呪縛は終わりを迎えた。
召喚士たちや祈り子たち、そしてスピラに生きるすべての命が『死の螺旋』という1000年の呪縛から解放されたのだった。
関連項目
歴代ナンバリングタイトルのラスボス
※登場作のFF11はオンラインゲームとしての都合上、厳密にはラスボスポジションの敵が複数存在する。
外部リンク
Ebon Ju:同名のYouTuber。2022年のブーム以前からワッカのMAD動画を召喚もとい投稿している。界隈では「Ebon ju老師」と呼ばれ親しまれており、当該ブームの先駆けとなった動画にも師へのリスペクトやオマージュとみられる演出が存在する。
といっても、エボン=ジュの正しいスペルはYu Yevonなのだが。