ワッカ
わっか
「へっ!ここで逃げちゃあ……オレぁ、オレを許せねぇよ···!
たとえ死んだってな!」
スピラ南方の孤島ビサイドの住人。『シン』によりビサイド島に飛ばされて来たティーダを助け、彼の顔見知りの人間を探すという名目で、ユウナの旅に同行させる。
ビサイド島のブリッツボールチーム「ビサイド・オーラカ」の選手兼コーチ(ポジションはフォワード(FW))。これまでチームの主将も務めていたが、物語序盤でユウナのガードに専念する為、ルカでの試合を最後に引退。それ以降はユウナの旅のガードに一筋となる。
物語の上では引退はしたが、ミニゲームの「ブリッツボール」では選手としてスカウトが可能となっている。
ルールー共々、親族についてはほとんど語られていないが、弟のチャップがいた。ある日突然討伐隊に入ったチャップと喧嘩別れ同然となり、その後『シン』と戦いに赴いた弟と死別してしまった過去がある。
両親も幼い頃に『シン』による被害を受け亡くしており、顔も覚えていない。
名前の由来は、恐らくアイヌ語の「ワッカ(wakka)」=「(質の良い)水」だと思われる。
※北海道の「稚内」(わっかない)と同じ語源。
余談だがビサイドの男性は「ガッタ」「ルッツ」のように三文字の発音で間にッが入るという共通点がある。「チャップ」は四文字だが「チャ」を発音で一文字とするなら矛盾はしない。
スポーツチームのコーチを勤めているだけあり、朗らかでさっぱりとした体育会系の男。スピラの常識を知らないティーダに対しても気さくに接し、面倒見の良い兄貴分。その反面で優柔不断な面もあり、ティーダから逆に激励を受けたり、ルールーとは幼馴染ではあるにもかかわらず思考や性格が正反対な為、言い争いが多く頭が上がらないが、二人の絆を感じさせるシーンも多い。
また「エボンの教え」を深く信仰しており、禁じられた機械やそれを兵器として活用しているアルベド族とその出身とされるリュックと険悪な雰囲気になってしまう(これは弟のチャップが機械を使った『シン』の討伐作戦で死亡したことも関係している)が、教えの「真実」を知ってからはアルベド族への偏見をなくし、彼女とも和解する。
ストーリー後半ではアルベドホームをベベルの機械部隊が襲撃してユウナを連れ去り、スピラの都市ベベルにおいては建築設備に機械を設置し使っている等、「教え」を平然と裏切っていたことに気づく。シーモアやマイカ総老師が死人でありながらその事を隠蔽していた事実まで突き付けられ、以後はエボンに対する怒りの感情を露わにしていく。
その後は戦闘開始直後に「反逆者様のお通りだい!」と言い放つようになるなど、エボンへの信仰心をほぼ完全にかなぐり捨てている。当初はエボンの老師として尊敬していたシーモアに対しても、初戦闘の際は彼との闘いに抵抗を見せていたが、最終的には「異界に送っちまえ!」とユウナに止めを刺すように言うなど完全に敵扱い。エボンの総老師マイカに対しても「ふざけやがって! 好き勝手ほざいて逃げやがった!」と怒りを露わにする。
パーティーメンバーではスピラの一般人代表と言った立ち位置で、良くも悪くも人間臭い人物であり弟の死をどこか吹っ切れずエボン教に依存し、弟の死の遠因となったアルベド族を目の敵にするワッカの姿は愚かにも見えるだろう。しかし旅を通して様々な真実を目の当たりにして苦悩しながらも、アルベド族と和解し人間的にも大きく成長する様は感慨深い。
『シン』との決戦直前にはアルベド族のリーダー・シドに対し、「アルベドのことをよく知りもしないのにロクに話も聞こうともせずに毛嫌いしていた」と、これまでのアルベド族への態度を面と向かって謝罪し、シドからも許されている。
ストーリーでは散々な扱いであるワッカだが戦闘メンバーとしてははっきり言ってかなりの強キャラ。戦闘における武器は「ブリッツボール」で使用する球を加工したボール系で、投擲して攻撃する。殺傷能力を高めるためトゲや刃の付いたデザインが多く、そんなものを小脇に抱えている姿がシュール。
ワッカ唯一の特性として、他の仲間の近接攻撃が届かない空中の敵や、遠く離れている敵にも通常攻撃が届く。また命中率が特に成長しやすいので、回避率の高い飛行している敵に有利。
この特性はストーリー後半で戦う「エフレイエ」や「『シン』」戦では重宝することとなる。
七曜の武器は「ワールドチャンピオン」。またスフィア盤ワッカルートの後半は物理攻撃力の伸びがかなり良いため、最終的にはアーロンやティーダのアタッカーとしての立場を食うこともある。
アルティマニアにおいては、過去に剣を武器として使おうとしたものの扱いきれず挫折し、特技のブリッツボールを戦闘に組み込む方法を考案・試行錯誤していたことが語られている。
ワッカのゲーム上の性能として外せないのがオーバードライブ技(※所謂必殺技)の「アタックリール」であろう。ワッカの4つあるオーバードライブ技で2番目に入手可能な技だが、大きな特徴としてルーレットを揃えることで最大12ヒット出来ることにある。
このゲームでは終盤ダメージ限界突破と攻撃力のカンストによって、アーロンのオーバードライブ技による単発攻撃だろうとユウナの「えいっ!」の通常攻撃1発だろうと同等の99999ダメージに成りがちで、要するにいかに高威力の攻撃を繰り出すかではなく、いかに多くの攻撃回数を当てるかで敵へのダメージ総量が変わるゲームと化す。
その点このアタックリールは脅威の12ヒット技であるため99999×12=1199988を敵に食らわせられる味方陣営としては最強の攻撃となるのである。
主人公のオーバードライブ技すらも凌ぐなど紛れもなく本作最強のキャラクターである。
欠点として挙げられるのが、ブリッツボールをプレイしない限りオーバードライブ技がエレメントリールしか使えないという点。ミニゲームに過ぎないブリッツボールを放置するかやり込むかでワッカの使い勝手はかなり変わる。最低限早期の内にアタックリールだけでも入手しておけば屈指のボスキラーとして活躍できる。
七曜の武器「ワールドチャンピオン」入手とその強化の条件にもブリッツボールが関わるのでやり込むなら嫌でもプレイしなければならない。しかし「とれとれチョコボ0秒達成」「落雷避け連続200回達成」「マカラーニャの森でのチョウチョ探し」と言った鬼畜難易度とされるミニゲームよりはまだ楽な部類である。
なおストーリー中に引退するワッカだが、後に主人公のチームへ再び加入させることも可能。
本作の続編である『ファイナルファンタジーX-2』では、ルールーと結ばれ、さらに作中でイナミという子供(男の子)が生まれる。ちなみにこのイナミという名前はアルベド語訳すると「ミライ(未来)」となる。
ブリッツボールチームを引退し旅を終えてからは鈍ってしまっているらしく、身体は「ぷにぷに」になっている。
とあるミッションでは、幼い頃に弟チャップと喧嘩した際に聞いた「両親の姿を映したスフィア」を探すことになる。同時にこれから親になる自分のあり方と、記憶にもない両親の「理想の姿」を想像しながら、父親となることの意味を彼なりに模索している。
インターナショナル、およびHDリマスター版にて追加された『クリーチャークリエイト』の実像により、前作パーティメンバーも(自動操作ではあるが)仲間に加えることが可能となったのだが、戦闘システム上ワッカだけはボールの軌道を再現できなかったため、彼だけハブられるという不遇な側面もできてしまった。
8割がMADで知名度が上がったものである。要加筆。
- 「さっきの技、もう1回···やってみ?」
- ティーダの迫真のシュートに対しての感想。
- 「『シン』の毒気にやられたか···」
- スピラの常識を知らず慌てて取り繕ったティーダに対して。下記に続く。
- 「エボンの賜物だな」
- お馴染みその1。生きてたティーダへ、謎ポーズ(おそらくエボン教式の礼)と共に。
- 「お願いがあるんだな〜」
- お馴染みその2。水に突き落としたティーダの後ろからしがみつきながら。
- 「照れるから や~めれ~!」
- 褒めには弱いワッカ。
- 「おい!言葉をつつしめよ···」
- お馴染みその3。ティーダのマイカ老師への失言を咎めている。
- 「くそったれ!………いっ!?」
- ワッカ構文その1。ミヘンセッションでワッカが大砲を見つけて蹴っていたがるシーン。似たようなシーンに、「クソッ!(痛がって)機会には見舞われるわ……」もある。
- 「金、取るってか!?(#゚Д゚)」
- ワッカ構文その2。聖ベベル宮突入及び守護龍エフレイエとのバトル直前、アルベド族の商人リンの図々しい商売タイムにて一喝。ワッカ構文では「金取んのかよ!?」と表記されており、字幕見ながらだとそう聞こえるから困る。おかげで後者の方でよく表記されている。
- 「お前ら禁じられた機械を平気で使ってんじゃねえか!分かってんのか!?『シン』が生まれたのは人間が機械に甘えたせいだろうがよ!」
- ワッカ構文その3。リュックがアルベド族であることが発覚してブチキレだすワッカ。リュックはエボン教に反対はしていないと言うが、過去の出来事(概要を参照)がトラウマのワッカは生理的に「機械を使っているだけで教えに背いている」「機械を使う=人間が機械に頼って堕落する→堕落した人間への罰、罪の象徴として『シン』が現れる」ほか「人間が罪を全て償うとシンは復活しなくなる」と考えている。上記の考えに対して、根拠がないことや教えに従ってばかりでは何も変わらないこと、ただ教えに従って罪を償う以外にもシンの復活を止める手段があるかもしれないことをリュックが説くも生まれが生まれだからかワッカには邪険にあしらわれてしまい、気まずい空気となってしまった。
- 上述の過去があるためとはいえ、ここまでの徹底的なアルベド族嫌いとひたむきすぎるエボンへの信者っぷりから、ネット民からはいつしか「エボウヨ」とあだ名がついてしまった。
- ワッカ構文その3。リュックがアルベド族であることが発覚してブチキレだすワッカ。リュックはエボン教に反対はしていないと言うが、過去の出来事(概要を参照)がトラウマのワッカは生理的に「機械を使っているだけで教えに背いている」「機械を使う=人間が機械に頼って堕落する→堕落した人間への罰、罪の象徴として『シン』が現れる」ほか「人間が罪を全て償うとシンは復活しなくなる」と考えている。上記の考えに対して、根拠がないことや教えに従ってばかりでは何も変わらないこと、ただ教えに従って罪を償う以外にもシンの復活を止める手段があるかもしれないことをリュックが説くも生まれが生まれだからかワッカには邪険にあしらわれてしまい、気まずい空気となってしまった。
- 「まさかアーロンさんもアルベドじゃないだろうな?(¬_¬)」
- 上記の口論の後、アルベド族のマシンに乗って移動しようとリュックに点検をお願いしているアーロンに対してぼそりと。アーロンにとってはいい迷惑ととんだ濡れ衣である。
- 「へっ!ここで逃げちゃあ……オレぁ、オレを許せねぇよ···!」
「たとえ死んだってな!」
- 男らしいワッカ。
- 「今だ!異界に送っちまえ!」
- 「なんで寺院に…機械があんだよ…?」
- 「そういう問題じゃねぇ!教えはどうなってんだ教えは!!」
- ワッカ構文その5。上記のリュックの発言に対して。
- 「まぁた機械かよ…」
- 聖ベベル宮のゲートがまたもや機械式であることにうんざりして嘆くワッカ。
- アーロン「これがエボンの本質だ。自らの教えを、陰では裏切っている」
- 聖ベベル宮のゲートがまたもや機械式であることにうんざりして嘆くワッカ。
- 「はぁ…人をコケにしやがって…」
- 上記の発言に続いて。信じていたエボンのイメージが崩れ去り、落胆するワッカ。しかしプレイヤーからは、旅によってワッカの心が広くなったことでこの一言で片付けられているという好感的な声も。
- ちなみに一部の未来人(2022年のネット民)曰く「(おとわっかで)十年後にもっと素晴らしくコケにされるぞ」。
- 上記の発言に続いて。信じていたエボンのイメージが崩れ去り、落胆するワッカ。しかしプレイヤーからは、旅によってワッカの心が広くなったことでこの一言で片付けられているという好感的な声も。
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