- 四国旅客鉄道1500形気動車
- 京浜急行電鉄1500形電車
四国旅客鉄道1500形気動車
2006年より登場し、今も増備が進むJR四国最新のディーゼル式気動車。
京浜急行電鉄1500形電車
京浜急行電鉄(京急)が1985年より営業運転に投入した通勤形電車。老朽化が進んだ旧1000形の初期ロットを置き換えるべく、当時の枯れた技術で無難に仕上げられた。
1000形と同様、大師線ローカルから都営地下鉄浅草線への乗り入れまでこなす、地味ながらオールマイティな車両。
両数の割に製造期間は8年間と比較的短いが、そのバリエーションは多岐にわたり、他社なら絶対違う形式にするだろうとさえ思われるものも存在する。
大まかな特徴
1000形の仕事を受け継ぐ都営地下鉄浅草線に直通可能な通勤型車両で、一号線協定に準拠した車両寸法と前面貫通扉、T型ワンハンドルマスコンを備えている。
ただし京成電鉄用の補助装置を備えていないので、京成線乗り入れは押上線と、本線の青砥-高砂間に原則制限されている。ただし禁止されているわけでは無い。
8/6/4両編成が存在し、編成記号はそれぞれ「8S」「6S」「4S」。8/4両編成は1500形や他形式の4/8両編成と自動連結して営業運転が出来る。
1500~1520号車
変態加速の800形や、直線番長の2000形を元に、それらのちょうど真ん中を狙ったようなスペックで登場。オールロングシート。
鋼製車体で界磁チョッパ駆動の直流電動機を受け継ぎつつ、扉数はそれらの中間となる片側3扉。
性能についても800と2000の中間だが、起動加速も高速域もそこそこという、鉄道界のロックと呼ばれる京急にしては実用重視で無難な部類の車両であった。
全車4両固定編成、しかもブレーキ性能の都合で110km/hまでしか出せないので、朝ラッシュ時に特急の増結車として使われるほかは、大師線で平和的に往復運転をする日々である。
現在の編成はすべて4M0Tの全電動車となっている。当初は戸袋窓があったが、錆や埃で汚れ放題だったので、後に改造で撤去されてしまった。
1521~1552号車&1600番台
なんと材質がアルミに変わってしまった。ただし鋼にせよアルミにせよ、どちらも同一塗装なので、お銀と違って外見に大きな変化が無いのが幸い。
当初のスペックは鋼製車体と同じだったが、1994年の快速特急高速化にそなえてブレーキが強化され、120km/hで走れるようになった。
なお1500番台と1600番台の違いは「4両編成か8両編成(6M2T)か」のはずだったが、8両化は直流電動機の限界のため断念となり、結局全電動車編成に戻されて伸びたり縮んだりしながら改造の日を迎える。
1500番台も改造のとばっちりを受けて、結果的に6両編成に向かってで落ち着きつつある。
1700番台
ということで8両編成のために、必然的に駆動装置が誘導電動機(GTO)に変わってしまった。ここまでくるともう800形や2000形との血縁関係なんてどこにも無い。
1600番台の夢をかなえる付随車を2つ挟んだ6M2Tの8両編成が想定されており、新造時に完全体で出庫したり、ダメだった1600番台から奪ったりと、付随車争奪戦の歴史はここから始まった。
派手さは無いが良い感じの高性能車両だったので、いよいよ本格的に増備が進み1000形の入れ替えに向かうだろう、と思われていたところで唐突に新造計画がド派手な600形にシフトされてしまったため、本形式はここで打ち止めとなった。
やっぱり京急はロックだった。
1900番台
1500形における付随車用のナンバー。元々は1600番台の6M2T編成用であったが、1700番台に取られたり、1600番台の間で貸借されたり、さらには要らなくなった1600番台の一部がタマタマを取られて仲間に加わったりした。
1500形のカオス車番の原因はだいたいこいつのせい。
改造
1500形は時代のニーズに応じて様々な仕様で新造されてきたが、改造もまた大掛かりなものとなっている。なんで1500形のままなのか。
特に1600番台は付随車を挟むとパワー不足が顕著になるため、一旦付随車を1700番台に移し変えた上で足回りを誘導電動機に転換してパワーアップを施してから付随車を作って組み込むこととなった。
改造は1500番台にも及び、先述のとおり逆に電動車が余ってしまったというオチまで付いた。
車両編成の登場と変遷
現在の編成を以下に記す。案外と整然としているが、1900番台のカオスが付随車の歴史を物語っている。
4両編成(4S) ※鋼製車体・直流電動機(界磁チョッパ)
- 1501編成(1501-1502-1503-1504)
- 1505編成(1505-1506-1507-1508)
- 1509編成(1509-1510-1511-1512)
- 1513編成(1513-1514-1515-1516)
- 1517編成(1517-1518-1519-1520)
4両編成(4S) ※アルミ合金車体・直流電動機(界磁チョッパ)
- 1521編成(1521-1522-1523-1524)
- 1525編成(1525-1526-1527-1528)
- 1537編成(1537-1538-1539-1540)
- 1541編成(1541-1542-1543-1544)
6両編成(6S) ※アルミ合金車体・直流電動機(界磁チョッパ)⇒誘導電動機(IGBT)改造済
- 1529編成(1529-1530-1931-1932-1531-1532)
- 1533編成(1533-1534-1933-1934-1535-1536)
- 1545編成(1545-1546-1939-1940-1547-1548)
- 1549編成(1549-1550-1941-1942-1551-1552)
- 1601編成(1601-1602-1925-1926-1603-1606)
- 1607編成(1607-1608-1927-1928-1609-1612)
- 1613編成(1613-1614-1901-1902-1615-1618)
- 1619編成(1619-1620-1903-1904-1621-1624)
- 1625編成(1625-1626-1905-1906-1627-1630)
- 1631編成(1631-1632-1911-1912-1633-1636)
- 1637編成(1637-1638-1929-1930-1639-1642)
- 1643編成(1643-1644-1915-1916-1645-1648)
- 1649編成(1649-1650-1917-1918-1651-1654)
8両編成(8S) ※アルミ合金車体・誘導電動機(GTO)
- 1701編成(1701-1702-1919-1920-1703-1704-1705-1706)
- 1707編成(1707-1708-1921-1922-1709-1710-1711-1712)
- 1713編成(1713-1714-1923-1924-1715-1716-1717-1718)
- 1719編成(1719-1720-1907-1908-1721-1722-1723-1724)
- 1725編成(1725-1726-1909-1910-1727-1728-1729-1730)
- 1731編成(1731-1732-1913-1914-1733-1734-1735-1736)
1606「ねえねえ新しいお姉ちゃん、1604と1605のお兄ちゃんはどこにいったの?」
1925「…お兄ちゃんたちはね、坊やがとても強く逞しくなったのを見届けて、
『ああこれなら安心だ』と、遠くの街の人々を乗せるために旅立っていったのよ。
だから元気出さないとお兄ちゃんが心配しちゃうわ。」(野太い声で)
避けては通れない記述
1997年4月7日、京急田浦を出た1533編成が、崖崩れによって線路を覆い尽くした土砂の上に乗り上げて脱線したという事故が発生した。負傷者19名。
先頭電動車の恩恵か、あまり大きく軌道を逸れることが無く安定して停止したため、転覆して切り通しの壁に激突という最悪の事態は避けられた。
1536号車の車体が激しく破損。のちに新造されたので、現時点での1500形最終製造年は1997年となる(書類上は新造時の1989年のまま)。
2012年9月24日深夜、追浜を出た1701編成が、崖崩れによって線路を覆い尽くした土砂の上に乗り上げて脱線、そのままトンネルに突っ込むという事故が発生した。負傷者30名。また1500形かと言われた。
先頭電動車の恩恵か、あまり大きく軌道を逸れることが無く安定して停止したため、転覆してトンネル入口に激突という最悪の事態は避けられた。
崖から崩れ落ちたコンクリート基礎を巻き込む形で1701~1702号車は床下機器が大破。京急初のVVVF車両は今現在営業運転への復帰が危ぶまれている。