CV:石田彰
概要
シャドウの母体にして人類を破滅させる存在・ニュクスの化身(アバター)。
滅びの宣告者・デスが覚醒した事で、2010年1月31日満月の影時間にタルタロス最上階に降り立つ。
その後のニュクス本体はイベント戦闘で自動的に行われるため、実質的なラスボスを務めている。
当然と言うべきか、綾時の自我は既に希薄なものとなっている。
ニュクスの化身としてタルタロスに降り立った綾時は、一ヶ月の大晦日に特別課外活動部と別れた時とは似ても似つかぬ姿に変貌していた。頭部は綾時の面影を残しているものの、見上げるほどの巨体に大剣を携え、四枚の漆黒の翼を生やした異形のフォルムで主人公達と相対する。
戦闘
『知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった…
カードが示す旅路を辿り、未来に淡い希望を抱く…
大剣を用いた物理攻撃や、様々な属性の魔法攻撃や状態異常を仕掛けてくる。火力の高さは言うに及ばず、手数の多さから来る弱点ヒットや行動阻害でパーティが崩されやすいため、後述の特性も踏まえた慎重な立ち回りが求められる。
12体の大型シャドウのアルカナを取り込んだ(というか元々こうなるはずだった)宣告者デスの力が戦闘スタイルに反映されており、ニュクス・アバターのHPを0にするたびにアルカナタイプをNo.0~XIIIの順番に切り替えて次の形態へ移行する「アルカナシフト」が最大の特徴。
つまりニュクス・アバターは【0.愚者】【I.魔術師】【II.女教皇】【III.女帝】【IV.皇帝】【V.教皇】【VI.恋人】【VII.戦車】【VIII.剛毅】【IX.隠者】【X.運命】【XI.正義】【XII.刑死者】【XIII.死神】と実に14段階もの戦闘形態を有する規格外のラスボスである。
アルカナ毎に戦闘パターンや弱点・耐性がガラリと変わるので、その全てに対応するためにパーティや手持ちのペルソナの属性が偏らないよう注意して編成しておきたい。
ちなみに、このニュクス・アバター戦のBGMである「全ての人の魂の戦い」は、ベルベットルームのテーマ曲である「全ての人の魂の歌」をロックにアレンジしたもの。ファンから非常に人気も高く、『ペルソナ3』が関わる別作品にもアレンジして出される事も。
しかし、アルカナは示すんだ…
その旅路の先に待つものが、"絶対の終わり"だという事を。
いかなる者の行き着く先も…絶対の"死"だという事を!』
13回目のアルカナシフトでは【死神】のアルカナに変化。ニュクス本体と同じ性質のアルカナになったことでニュクス・アバターも全力を解放し、「闇夜のドレス」や「夜の女王」といった大技を繰り出すようになる。
劇場版アニメ『PERSONA3 THE MOVIE』では、アルカナシフトの度に同じアルカナを持つボスシャドウの性質を再現した攻撃を行う演出がなされ、結城理が操るスルト・オーディン・ノルンといった原作最強クラスのペルソナを圧倒した。
ボスとしての性能は殺意に満ち溢れているが、特別課外活動部に対して何度も念押しするように意志と覚悟を確認したり、媒体によっては大切な友人である主人公達と戦うことへの迷いを吐露したりと、言葉の端々からは皆を苦しめている事実に事ここに至ってなお苦しみ続けている綾時の人間性が窺える。
リメイク版
『続けようか…この世界の最後まで』
「最後にはしない。いくぞ、綾時」
リメイク版でも最後の敵として登場。
オリジナルから据え置きの13形態やさまざまな技に加え、映画版から逆輸入された各大型シャドウの固有技を形態ごとに使用する。
グラフィックの向上に加えて演出面も強化されており、段階が進むごとに大剣が黒いオーラを纏い、黄昏の羽が
舞うようになる。
それぞれ大剣は強力な物理攻撃、黄昏の羽は状態異常の付着率を上げる効果を解放する。
【死神】のアルカナに到達すると翼が紅く輝くようになり、冒頭の言葉と共に最終決戦へと移行する。
黒羽が舞う月を背景にたたずむ禍々しくも荘厳な光景は圧巻の一言。
リメイク前の「アポカリプス」と「夜の女王」に加えて各大型シャドウの固有技を全て使うようになり、オリジナル版にはなかった各技の凶悪コンボで容赦なく攻め立ててくる。
ただし「闇夜のドレス」は削除され、代わりに「テトラカーン・マカラカーン」を習得している。
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ニュクスとは
太古の地球に襲来した、惑星を喰らうという超存在。
地球に激突した衝撃で肉体は月となり、分離した精神は死という概念そのもの(=シャドウ)となった。死の概念は結果として地球上の生命の急速な進化を促し、それによって生じた集合的無意識の中に封印されていた。
しかし、月から剥がれ落ちたニュクスのかけら「黄昏の羽根」を、美鶴の祖父である桐条グループの総帥・桐条鴻悦が手に入れ、ニュクス=シャドウの持つ「時を支配する力」に魅入られ実験が行われたことにより、14年前から封印が不完全になり影時間の発生の原因を作ってしまったのである。
封印から完全に解放されてしまえば、ニュクスの強大な精神の波動により、地球上の生命は消滅してしまう。
元ネタは月形成仮説の一つ「天体衝突説」である。
原始地球に火星サイズの天体が衝突し、金属を含む重い核は地球内部に沈み、それ以外の部分は地球のマントルと混じり合い月となった…という内容。
なお、地球に衝突したこの仮想天体はテイア(ティターン十二神の一柱、月の女神セレネを産んだ)、あるいはオルフェウスの名を与えられている。
『惜しい…本当に惜しいよ。
運命を理解し、それでもなお、正面から戦おうとする強い意志…
その心がもっと多くの人にあれば滅びの訪れは無かったのかも知れないね。
でも…もう遅いんだ。』
死闘の末、特別課外活動部に敗れて地に伏すニュクス・アバター。
しかしニュクス・アバターはニュクスの露払いに過ぎず、世界の滅びは止まらない。
「死」と向き合って生きることを忘れてしまった人々の集合的無意識に誘われ、月からニュクス本体がついに出現。満身創痍で為す術のない主人公達を嘲笑うかのように、死の母星は地球への降下を開始する―――。
しかし、ただ一人。主人公は絶対的な死へ抗う力を手にする……。