島田荘司が創造した人物。昭和末期~平成の和製名探偵の代表格。代表作に『占星術殺人事件』『斜め屋敷の犯罪』『暗闇坂の人食いの木』『アトポス』などがある。
一言で言えば、和製シャーロック・ホームズ。最初は占星術を生業としていたが、石岡和巳(彼も日本を代表する「ワトソン役」である)と出会い、同居する。そして石岡君が『占星術殺人事件』を書いたことで、世間的にも名が知られるようになった。この時期は、石岡君を本当に必要とすると共に、同時にからかって面白がっていた。
しかし、探偵の役割にも飽きたらしく、2000年代現在では脳科学を専攻とする研究者として活躍している。
非常に癖の強い人物で、彼と初めて会った人間は「変人」「気違い」と看做す。最初は本人も世間から認められる気は到底なかったようで、そのポジションを楽しんでいたようである。あと、昔から自分の名前にコンプレックスを抱いていたので、それで非社交的になったのかもしれない。作中の表現だと、名前が原因でいじめを受けていたことがトラウマになっている。
実際に鬱病持ちで、相当気分のムラがある。及び、一点に集中するが、同時に非常に飽きっぽい。『御手洗潔のメロディ』の時点で、あれだけ熱中していた占星術についてほとんど忘れていたらしく、石岡君は本気で健忘症を疑っていた。
あと、無類の犬好き。京都大学に籍を置いていたころは、死体の解剖は嬉嬉として行っていたが、動物の解剖は本当に大嫌いで、それが嫌で大学をやめたらしい。
しかし、付き合ってみると意外といい奴なのだ。特に、優しさは疑いない。石岡君をはじめ、ハリウッド女優の松崎レオナ、竹越刑事など、彼の知り合いはみんな彼の優しさをはじめとした人間的魅力に惹かれている。
また、相当な天才でもある。数カ国語を使いこなし、化学、薬学、社会問題などに深い知識を持っている。またギターをはじめ、楽器の腕はプロ並み。また、護身術や拳銃も一応使いこなす(『眩暈』など)。機嫌さえよければ。
このへんは、ホームズ、また戦後の明智小五郎や早川健(快傑ズバット)あたりの探偵と共通する。
また、かなりルックスもよい。また、性別に関係せず、その人の持つ実力や人柄で判断するという、男女両権論者かつ、真にフェミニストといえる人物である。
そのためか、御手洗ものは女性人気が相当に高い。