概要
その名の通りケンタウロスをモチーフとした星座で、隣のおおかみ座をやっつけている様子で描かれる。この狼は神様に捧げるものらしいが、なんともワイルド過ぎる贈り物である。
ちなみにおおかみ座やみなみじゅうじ座は元々ケンタウルス座の一部に含まれており(へび座とへびつかい座みたいなもの)、これらが独立したのは中世以降の事であった。
トレミー(プトレマイオス)の48星座として古代ギリシャの頃から存在していた古参。
大きな星座だが緯度が低いエリアにあり、日本の大部分では晩春から初夏にかけて南の地平線上に上半身が見える程度。西表島より南で全体が見える。
いて座と同じくケンタウロスをモチーフにしているが、こちらは槍を所持した姿で描かれた物が多い(いて座はケイローンという博学多才な名教師)。
「ケンタウロス座」と言われることが多いが、ラテン読みの「ケンタウルス座」が正解。
ケンタウルス座物語
ケンタウルスは種族自体が短気で乱暴で色ボケ揃いだったが、そんなケダモノどもに混じって、フォーローという温厚で良識あるナイスガイがいた。彼はかのヘラクレスの友人であった。
ある時、フォーローのところにヘラクレスが訪れて来たので、まあサシで呑もうぜと干し肉を肴に楽しく酌み交わしていたが、他のケンタウルス達が乱入してきたので楽しい雰囲気がぶち壊し。
ヘラクレスは粗暴で短気だった上、酒の勢いもあって激昂。対するケンタウルスども引き下がらず乱闘騒ぎになり、ヘラクレスはヒドラ(うみへび座)の猛毒たっぷりの矢を取り出して射殺する始末。
バタバタと即死していくケンタウルス達の姿に驚きつつも、どこにそんな威力があるのかと気になったフォーローは毒矢を抜き取って観察。しかし手を滑らせて自身の足に落としてしまい、バリバリ残留していた毒が回って彼は即死した。
ゼウスは「惜しいヤツを亡くした」と不憫に思って星座にしたらしい。
そんな騒動から命からがら逃げ延びたケンタウルス達はケイローンの家に身を寄せるが、怒りのあまり追ってきたヘラクレスは毒矢で残りの連中を射殺。しかしその弾みでケイローンにも毒矢が当たり、不死身だった彼は死ぬことも許されない生き地獄を味わう羽目に。そして苦悶の果てに、ゼウスを介して巨人族のプロメテウスに不死身の特性を譲り、ようやく死ぬことができた。
「惜しいヤツを亡くした(2回目)」
こうして友人と恩師を失ったヘラクレスだが、最終的には自身にもその毒が牙を向くのであった……。
余談
SF作品における植民星(植民地)としてよく登場する「アルファケンタウリ」とは、この星座のα星プロキシマ・ケンタウリ。これはこの星が「地球に最も近い恒星」とされているため(4光年)。
関連タグ
ペガスス座:こちらもラテン読み