概要
『神々のトライフォース』の後日談である『夢をみる島』の発売から約4か月後に刊行されたコミカライズ版。
当初はゼルダ姫視点で話が進むが、すぐに原作通りリンク視点での物語となる。
病気の妻を救いたいというアグニムの心にガノンが付け込んで配下にするという独自設定がある。
ガノンは水晶を利用した七賢者たちの術で闇の世界の出入り口を閉ざされており、アグニムは末裔たちを生贄にすることでその封印を解こうとする。
登場人物
パーティーメンバー
主人公。おじさんと一緒に暮らしている少年。ゼルダ姫とは友達同士。
ひねくれていて不真面目を気取っているような性格。ひょうひょうとした振る舞いを見せるが、実際はこわがりなところがある。始めは何となく流されるままハイラルを救おうと戦っていたが、次第にその重みを理解し、責任感が芽生えて行く。
剣の練習はしておらず、軽い身のこなしと反射神経で戦う天才肌。その正体は、かつてガノンに挑み返り討ちに遭ったマスターソードの剣士リンクの子孫。原作ではマスターソードの使い手は見つかっていないので独自設定である。
詳細はリンク先を。
- ミッチェル
オリジナルキャラクター。迷いの森に住む妖精の女の子。ポニーテール。一度離脱してからラストバトルまで同行する。
マスターソードを守る森の主とは知り合いであり、リンクが資格ある者と認められたため案内した。退魔の剣を手に入れて調子に乗ったリンクを見て「ほんとにあの子にわたしちゃっていいのかしら」と不安に思っていた。
ここで離脱するが闇の世界に迷い込んでしまいリンクと再会する。ラストバトルではリンクを助けるべくガノンに立ち向かうも命を落としてしまうが、リンクが叶えたトライフォースの願いによって復活を果たす。
メインキャラクター
ハイラル王国のお姫様。七賢者の末裔の1人。
本作ではリンクの友人であり、幼馴染よろしく寝ているリンクを起こしに来る。リンクの顔面にコッコを叩き付けたり、黙ってお城を抜け出すなどかなりのお転婆。
容姿は赤いロングヘアになっておりマリンとよく似ている。
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ガノンから交信を受け魔力を授かった司祭。兵士たちや使用人を洗脳して城を乗っ取った。
容姿は30代くらいの黒人風の美男子になっている。言葉遣いも丁寧で基本的には敬語。病気の妻を救いたいという一心からガノンの配下になったが、胸の内では罪悪感を抱いていた。
頭巾とローブを脱ぐ場面があり、後ろ髪をうなじの下で一本に束ねていることが判明する。
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本作のラスボス。封印戦争時代に七賢者たちによって封印された魔王。冒頭ではガノンドロフの容姿が描かれ、配下たちを皆殺しにしてトライフォースを得るまでが描かれた。
人間時代はまだしも、ブタの怪物になってからは言葉遣いまで下劣で卑劣なブタそのものになってしまった。実力こそあるが数ある“ガノン”の中でも間違いなく一番の小者。
詳細はリンク先を。
サブキャラクター
- デミー
本作におけるリンクのおじさん。リンクからは「おっさん」と呼ばれている。
細身で歴戦の傭兵という雰囲気を漂わせるイケオジになっている。髪型はリンクとほとんど同じ。
原作通りゼルダ姫を救出に向かうが力及ばず命を落としてしまう。その際に、自分の命を奪った剣を肩から引き抜いてリンクに託した(デミーの持ち物なのか敵の物なのかは不明)。
- バーバラ
オリジナルキャラクター。ゼルダ姫の世話役兼使用人。本作におけるインパのポジションを務める。
太った中年の女性で気が強い性格。城を抜け出したゼルダ姫を叱り付け、サボった分だけ勉強させようと部屋まで引っ張っていった。それから間もなくアグニムによる洗脳を受け、ゼルダ姫を捕らえてしまう。
- ミレーネ
オリジナルキャラクター。アグニムの妻。不治の病に侵されており余命幾ばくもない。
病床に遭っても小鳥を愛でる優しい心の持ち主で、アグニムも心から愛していたのだが……。
- 森の主
オリジナルキャラクター。迷いの森でマスターソードを守り続けている守護者。
全身が体毛に包まれた毛むくじゃらの怪物で、長い体毛を触手のように伸ばして獲物を捕らえる。無断で森に入った者には容赦しないが、本来は優しい性格でありミッチェルのような森の住民とは仲が良い。
- ラズル
オリジナルキャラクター。鳥使いの少年だが呪いによって狐の獣人になっている。
原作に登場するオカリナの少年をモデルとしているのか、オカリナを吹いて鳥を操り、リンクを無理やり連れて来る場面がある。
リンクを女神カルマインアピスの下まで案内した。
原作に登場する闇の世界(聖地)の女神。
太った外見に加え、ガノンの呪いによって顔がブタになっている。リンクも背筋がゾクッとするほどのおぞましさ。
しかし優しい性格であり、呪いを掛けられた自分たちをどうか救ってほしいとリンクにお願いする。そしてガノンの居場所がピラミッドであること、そこに結界が張られているため死の山を経由しないと入れないことを伝えた。そのための手段として二世界を行き来出来る手鏡を渡した(ヘブラ山から闇の世界に入れば死の山に入れるという原作設定である)。
ストーリー
余談
ガノンドロフの名前がガノンドルフと誤記されている。
冒頭で眠っているリンクがゼルダ姫に叩き起こされるシーンがある。シリーズではお約束となったが、コミカライズで描かれたのは本作が初となる。
劇中では「封印戦争時代にマスターソードを使う“リンク”という剣士がガノンに挑むも敗死した」と語られているが、これは本作の独自設定である。