千葉県北西部は、柏市・松戸市・市川市を中心とする「東葛地域」(旧東葛飾郡および旧南相馬郡)とその周辺(旧印旛郡西部、旧千葉郡北西部)を指す便宜上の地域名。東京都、茨城県、埼玉県と接する。県都である千葉市よりも、東京との結びつきが強く、東京のベッドタウンとして、人口が急増した。
所在する自治体としては、市川 船橋 松戸 野田 習志野 柏 流山 八千代 我孫子 鎌ケ谷 浦安 印西 白井の13市が挙げられる。常磐線・総武線・つくばエクスプレス・北総鉄道などが東京に向かって伸び、武蔵野線・東武野田線が地域の南北を結ぶ。
歴史と文化
戦国時代、東葛地域は里見氏と北条氏の勢力がぶつかる激戦地となり、多くの血が流された。江戸時代初期に行われた江戸川開削以来、東葛地域は利根川と江戸川という2つの大河に囲まれるようになり、江戸と東北方面を結ぶ水運の拠点として隆盛期を迎える。松戸・我孫子は水戸と江戸を結ぶ水戸街道の宿場として栄え、手賀沼周辺は江戸っ子の行楽地としてにぎわった。醸造業が盛んな地域でもあり、野田の醤油醸造(キッコーマン)は有名。流山は白みりん醸造発祥の地である。
近代以降も、長らく東京近郊の農村地帯であったが、昭和に入る頃から住宅開発が始まり、高度経済成長期からバブル期にかけ急激に都市化。一面に住宅が広がる典型的なベッドタウンと化し、江戸期の隆盛を物語る歴史遺産の多くが失われた。ただ、都市化が遅れた流山市や野田市には、昔ながらの田園風景や古い商家、社寺もまだ多く残っている。