概要
スカーロイ鉄道は、イギリスの架空の島ソドー島に施設された線路幅686mm(]]ナローゲージ]])の鉄道である。
通称、高山鉄道(よく鉱山と間違われるが誤りである)。
汽車のえほん及びきかんしゃトーマスの舞台となる鉄道の一つであるが、媒体によって設定に違いがあるので、媒体別に解説を行う。
汽車のえほん
歴史
1806年に開通したプレートウェイと呼ばれる初期の鉄道規格で作られたウォード・フェル=バラッドウェイル路面軌道が誕生の起源となる。
1863年には鉱物輸送のためみ新たな路線が敷かれることになるが、調査中に偶然湖と隠れた窪みが再発見される。そこで湖に療養温泉を造ることとなり、それに伴う旅客運用も行うことが決まった。
1865年、スカーロイ鉄道が開通し、それに合わせてスカーロイ・レニアスの2台の蒸気機関車に加えて当時の最新鋭の客車のアグネス・ルース・ルーシー・ジェマイマ・ビアトリスを購入した。
開通から数年こそ順調であったが、乗客は釣り人や夏季の観光客を除いて少なくなり、貨物に関しては、輸送品の主力であった銅が1900年頃に枯渇し、新たに見つかった良質なスレートを主力に切り替えることとなった。
一方、オーナーであったクロバンズ・ゲート鉱山会社は銅の不足が原因で経営に見切りをつけ、1909年にハンデル・ブラウン卿1世に売却した。
スレートの暴落こそあったが、ブラウン卿はテナントのために採石場と鉄道の運用を続けた。
第二次世界大戦中には古い弾薬を投棄するために古い鉱山が徴用された。
この頃、スカーロイ、レニアス共に老朽化が進行し、保線もままならないという閉鎖寸前の状態であったが、1936年からブラウン卿の代理で支配人を担当していたロバート・サムと作業長のデビット・ヒューはブラウン卿に閉鎖を1年遅らせる事を頼み、その1年間は比較的状態の良かったレニアスを修理しながら使い通して全運用に就かせていた。この努力が実り、スレートの需要増加と、発掘調査による湖への関心が高まった事による旅客数の増加が重なり、鉄道が存続できる結果となった。
1950年、ブラウン卿が亡くなり、息子のハンデル・ブラウン卿2世が相続した。
1951年、ロバートが後任を息子のピーター・サム(ほっそり重役)に任せて辞任した
1952年、ソドーアルミニウム会社(Sodor Aluminium Company)所属のファルコンとスチュアートを購入し、それぞれサー・ハンデルとピーター・サムに改名した。収益増加に伴い、スカーロイとレニアスを修理に出し、新たにラスティーとダンカン、マークVを導入した。
1960年に古いスレート採石場を国防省に売却すると、その資金を利用して1963年から観光用のループ線を作る事を決定、スカーロイ鉄道開通100周年に当たる1965年に開通した。
1966年、スカーロイ鉄道は株式化し、私有鉄道ではなくなった。
1969年、ミッド・ソドー鉄道の機関庫に放置されていたデュークが発見され、修理された後、鉄道に所属することが決まった。デュークが所属したことでスカーロイ鉄道の機関車にも余裕ができ、1982年にタリスリン鉄道(後述)のサー・ハイドンが修理のため運用を離れた際、サー・ハンデルが代わりを仕事を行うこととなった。
1980年、スカーロイ鉄道委員会はほっそり重役の後任に息子のロジャー・サムを任命した。
1989年、全国石炭委員会から購入した中古品のディーゼル機関車2台を解体して、1台に組み直したフレッドを導入した。
1991年、アイボ・ヒューが引退し、息子のデビット・ヒュー2世が後を継いだ。
1996年、蒸気機関車のアイボ・ヒューが新造された。
歴代オーナー
- ハンデル・ブラウン卿1世
フルネーム『サー・ハンデル・ブラウン』。オーナーであったものの、業務自体はロバート・サムたちに任せきりであった。3号機関車のサー・ハンデルは彼の名前に因んでいる。
余談だが、トップハム・ハット卿夫人の兄にあたる。
- ハンデル・ブラウン卿2世
フルネーム『サー・ハンデル・ロイド・ブラウン』。父の後を継ぎ、オーナーとなる。
歴代支配人
- ロバート・サム
ブラウン卿の代理人として支配人となった。スカーロイ鉄道が経営難に陥った際、支配人でありながらも車掌及び雑用係として心血を注いだ。
- ピーター・サム(ほっそり重役)
父の後を継ぎ、支配人となる。(ほっそり重役というあだ名は恐らく太っちょ重役と呼ばれていたハット卿との差別化と思われる。)傘が好きなのか、常に携帯している。4号機関車のピーター・サムは彼の名前に因んでいる。
- ロジャー・サム
定年退職した父の後を継ぐ。口元に蓄えた立派なヒゲが特徴。
歴代作業長(職長)
- デビット・ヒュー1世
ロバートの下で作業長を勤めた。鉄道が経営難に陥った際、機関士、機関助士を兼任していたが、スカーロイたちの整備もままならない状況であった。
- アイボ・ヒュー(ヒューさん)
父の後を継ぎ、作業長となる。ラスティーと共に保線作業に勤しんだ。7号機関車のアイボ・ヒューは彼の名前に因んでいる。
- デビット・ヒュー2世
路線
ノース・ウェスタン鉄道との乗換駅であるクロバンズ・ゲート駅から終点のスカーロイ駅を結ぶ本線と100周年祭に開通したレ二アス駅からスカーロイ駅の間をレイクサイド駅を通って迂回するループ線で構成されている。
ループ線は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に行われる復活祭から9月29日のミカエル祭までの期間の10時30分~16時00分に運転される列車すべてが通ることになっている。逆にその期間外の列車はレ二アス駅とスカーロイ駅を直通する以前からの路線が使用される。
路線図
クロバンズ・ゲート駅 | |
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クロス・ニー・クーン駅 | |
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グレンノック駅 | |
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レ二アス駅 | |
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| | レイクサイド駅 |
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スカーロイ駅 |
所有機関車
所属している機関車はデュークを除き、蒸気機関車が赤をメインカラー、ディーゼル機関車が黒をメインカラー(フレッドは挿絵が無いため不明)に統一している。
スカーロイ鉄道の9号機関車にあたる、ディーゼル機関車。老朽化していたディーゼル機関車2台から使えるパーツを集めて誕生した。ラスティー曰く怠け者らしく、挿絵が存在しない。
- アイボ・ヒュー
スカーロイ鉄道の7号機関車にあたる、最新のタンク式蒸気機関車。名前は前述のヒューさんに因んでいる。
- マークV
移動用のガソリン駆動箱型保線車両。フルネームは『アイボズ・フライング・ベッドステッド』。全部で5台存在し、5代目が『マークV』と名付けられた。設定上の存在で、一度言及されたのみで挿絵もない。
所有客車
サルーン客車や未登場の元ミッド・ソドー鉄道所属の客車を除き、明るい青をメインカラーとしている。
- アグネス
スカーロイ鉄道の開業時から所属している1等客車。
- ルース・ルーシー・ジェマイマ
開業時から所属している3等客車。
- ビアトリス
スカーロイ鉄道の開業時から所属しているの車掌車。荷物車の役割もあり、切符売り場も兼ねている。
- コーラ
スカーロイが修理中に配属された車掌車。元ミッド・ソドー鉄道所属。
- エイダ・ジェーン・メイベル
同じくスカーロイが修理中に配属された屋根無し客車。
- ガートルード・ミリセント
こちらもスカーロイが修理している間にやって来たボギー客車。サー・ハンデルは何時もこの二台だけを連れて行こうとする。
- サルーン客車
こちらもミッド・ソドー鉄道に所属していた豪華客車。ほっそり重役によって8台以上が復元された。
きかんしゃトーマス
基本的に、原作に準拠しているが、いくつかの変更点がある。
機関車たち
上述の通り、原作では機関車のメインカラーが統一されているが、こちらでは塗装の都合と視聴者への配慮でカラーが機関車ごとに異なっている。
またフレッドとアイボ・ヒュー、マークVは未登場で、客車は全て名無しで赤・青・緑の三色になった。(CG期に入るとタリスリン鉄道の客車と瓜二つとなった。)
逆に、オリジナルキャラクターのフレディー、マイティ・マック、ルークが追加された。
従業員
原作では、上述通りハンデル・ブラウン卿一家がオーナーで、サム一家が主に重役を、ヒュー一家が作業長となっているが、オーナーと重役の役割は第4シリーズから第7シリーズまでトップハム・ハット卿が請負い、第9シリーズからはペレグリン・パーシバル(ミスター・パーシバル)に変更された。作業長はアイボ・ヒューを除き、全員が通常の作業員に置き換えられた。
路線
本線とループ線は原作同様登場するがオールド・ロッキー線やブルーマウンテンの採石場に続く路線などが追加されている。
モデル
モデルとなったのはウェールズのグウィネス州にあるタリスリン鉄道である。現在もスカーロイたちのモデルになった機関車が運用されており、スケジュール次第では乗ることもできる。
原作者のウィルバート・オードリー牧師は以前、保存活動にボランティアとして参加し、その縁もあってか彼の書斎が再現・展示されている。
ちなみに牧師はボランティアの一環で車掌を勤めたことがあったが、とある駅にて売店のおばさんが乗っていないのに気づかず発車するという珍事件を起こしたことがある。(幸い、すぐに気づいてブレーキをかけたが。)そのエピソードを基に誕生したのが、『ピーター・サムのしっぱい(からかわれたピーター・サム)』である。
関連タグ
他の鉄道