ロードバイク
ろーどばいく
🚴概要
舗装道路での高速走行に特化した自転車。ロードレースでの使用を前提に設計されており、泥除けやカゴなど、速く走ることに必要ないものは装着されていない。
その高性能が評価され、自転車便(メッセンジャー)など業務用にも使われる。快適に走ることに主眼をおいたレジャー用のコンフォートロードと呼ばれるものもあり、通勤など日常の足にも使われるようになった。
かつてはシンプルなスタイルが特徴で独特の操作を要求される乗り物だったが、1970年代以降新技術が次々と投入され著しい進化を遂げた。シマノを中心とするメーカー各社による技術革新の過程で格段に高性能化するとともにデザインも未来的なものが増え、素人にも乗りやすい乗り物となった。
コンフォートモデルでは70年代以前のクラシカルなデザインを適度に取り入れた車種にも人気がある。
ロードバイクの特徴
- 軽量化を徹底的するためアルミ、カーボンなどの素材を多用し、走行抵抗を軽減するため空力性能の向上が施された、強靭なフレーム、ホイールなどのパーツを装着している。
- 多段ギアを備えている。
- 高圧空気を充填し、接地面積を減らせる細身のタイヤを装着している。
- 様々なポジションをとることができ、長距離で快適に走れるように設計されたドロップハンドルを装着している。
フレーム
フレームは完成車に組み込んで売られることがほとんどだが、フレームのみで販売する場合もある。
現在、競技用ロードバイクは目的に合わせて自由な成型が可能なカーボン繊維強化プラスチックのフレームが主流になっている。カーボンフレームには、フレーム単体で700g以下の超軽量モデルや、空力性能を極限まで追求したモデル、リラックスしたポジションで振動吸収性能が高い快適性を重視したモデルなど、様々なバリエーションが存在する。欠点は耐久性。カーボンフレームはしなやかであるイメージがあるが、外部から強い衝撃がかかると割れることもある。
普及車ではアルミニウムフレームが一般的。比較的リーズナブルであるが、研究が進んだ素材のため安価でカーボンに劣らない性能のものも存在する。また、耐候性・耐久性に優れるため比較的ラフに使えるという長所がある。一方で強度が高くないのと金属疲労対策のためフレームを太くしなければならず、結果として「衝撃の逃げ」がない硬いフレームになる。このため、「フルアルミ」のフレームは乗り方に慣れていないと負担も大きいが、衝撃が伝わりやすいフロントフォークのみカーボン素材を使ったフレームも多い。
歴史のある鋼鉄(クロムモリブデン鋼、マンガンモリブデン鋼など)のフレームは重量こそあるものの強度が高く細く作れるため、優雅な外見と鉄独特のしなりのある乗りくちから愛好者も多い。
コンポーネント
変速機、ブレーキなどの駆動部品一式をコンポーネントという。
コンポーネントのシェアのほとんどを日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロ、アメリカのSRAMの3社が寡占しており、ツール・ド・フランスをはじめとした国際規模の大会でもほとんどのチームがこの3社のいずれかを使用している。近年はMicroshiftやSENSAH、Ltwooといった中華系の新興コンポーネントメーカーもエントリーモデル・廉価モデルを中心に勢力を拡大しているが、品質や絶対的な性能では大手3社には全く及ばないという評価が一般的。
高価な部品ほど軽量で精度も向上している。しかし扱いに知識と注意の必要な物もあり、カーボン系の部品などはねじの締めすぎなど力が掛かりすぎると破損の恐れがある。
完成車
組み上がった「完成車」の値段は、初心者向けはおよそ7万円~10万円が売れ筋だが、プロが使用する機材では100万円以上するものもある。
一般的には全体重量7~10㎏程度、最軽量クラスのパーツで組めば4㎏以下にすることもできる。
ロードバイクを始めるなら…
初めの一台の場合、本体とは別途に2~3万は用意したほうがよい。対応する空気圧ゲージのついたフロアポンプ(タイヤチューブのバルブの規格が違うので)、ヘルメットなどが必要である。ママチャリなどで使うフラットペダルなら数千円、靴と連結する専用ペダルなら、靴と併せてほぼ2万円からある。
公道で乗る際にはライト・ベル・反射板(またはテールライト)を装着しないと道路交通法に引っ掛かる。
ロード用のタイヤチューブやタイヤはシティサイクル用とは異なるものを用いる。地域によっては自転車屋が対応できずパンク修理が出来ない、という事もあるのでスペアチューブやサイドカット(タイヤ側面の穴あき)穴塞ぎ用のシール等があった方が便利な場合も。
安全と快適な走行のためにはヘルメットと専用のウェア等を着用することが望ましいが、コンフォートモデルは普段着で乗っても違和感のないデザインになっている場合もある。ロードバイクを日常の足に使う場合は普段着で乗る人も多いが、その場合でも安全のためヘルメットは(ロードバイク以外でも)着用するべきである。