概要
クローバースタジオ制作のゲーム「大神」に登場するボス妖怪の一角。
タカマガハラを襲い、ナカツクニにアマテラス共々零落した後イザナギによって封印された。
その百年後、オロチに操られたスサノオが、オロチの封印を解いたことから大神の物語が始まる。
「『お』は“峰”『ろ』は接尾語、『ち』は“霊威ある存在”若しくは“蛇”を表す。『やまた』は八つの頭を指すと同時に”途方も無く大きな”と言う意味も含まれ、口語訳すると”巨大な霊威ある者””巨大な蛇”若しくは”八つ頭の霊威ある者””八つ頭の蛇”と言う意味になる。」
と言うように、「やまたのおろち」という名前自体が一つの尊称となっているが、他に「大王蛇」という二つ名も持つ。
遍歴
数百年前に突如星の海から飛来し、天神族が住むタカマガハラを襲った。
アマテラスとウシワカの迎撃を受け、アマテラス共々下界のナカツクニに零落する。
その後神木村近くに拠を定め、満月の晩の神木祭りの度に生贄を召し捕り、「百ノ生贄ヲ喰ライテ」常世の国の神になろうとしていた。
その生贄がいよいよ百人目になろうという時、「予言の子」イザナギと彼の出現を待ちわびていた白野威によって討ち取られ、宝剣「月呼」で封印される。
しかし、封印されながらもオロチは着々と再起の時を謀っていた。
イザナギと白野威による封印から百年後。
「英雄の子孫」であることに劣等感を抱いていたスサノオを操り、「月呼」の封印が解けたことで復活。
ナカツクニ中に「タタリ場」をまき散らし、常世を混乱に陥れる。
復活したとは言ってもその力は全盛期に比べ衰えており、その解放のためスサノオを利用しようとしていた。
英雄の血族と「回天の血盟」を結ぶことで絶大の力を手に入れ完全復活を果たそうとするが、不完全とは言え復活していたアマテラスと、クシナダを救うため「神の力も魔の力も必要ない」と立ち上がったスサノオにより、神話の再現のごとく真っ二つにされてしまうのだった。
しかし、計略が破れその肉体が滅びるや否や、オロチは次の手を打つ。
それは、自らのその強大な妖力を四つの「悪鬼」としてナカツクニ中にばらまくことであった。
オロチの悪鬼を受けたエキビョウ、キュウビ、双魔神はそれぞれその強大な妖力を糧に蜂起。
エキビョウとキュウビはナカツクニの都西安京を、双魔神は北国カムイを滅ぼすために暗躍を開始したのである。
なお、封印に使用されていた宝剣「月呼」は封印が溶けた際にその場に放り出されていたが、ヤマタノオロチに飲み込まれ、都牟刈太刀へと生まれ変わり尾より現れアマテラスへと渡る事になる。
能力
大神に登場する妖怪の中でも特に強い妖力を持つ。
他のボス妖怪のうち、エキビョウ・キュウビ・双魔神はオロチの妖力を宿したことで再起し、残るボスについても、女郎蜘蛛はオロチを「主」と崇め、赤カブトがオロチの分身であることを考えると、格別強力な存在であることがわかる。
また、「星の海から飛来した」という話と、その当時妖怪の君主常闇ノ皇が箱舟ヤマトにいたことを考えると、もしかしたら皇と同格の存在である可能性もある。
骨鏃の矢
オロチが生贄を選定する際に用いる白羽の矢。
オロチが選んだ生贄が住む家の屋根に刺さり、その年の生贄が誰であるかを告げる。
結界
オロチが張る結界。
十六夜の祠を結界で覆うことで侵入者を阻んでいる他、自らの全身にも結界を掛けている。
その強度は力の衰退した現代版ですらアマテラスの攻撃(筆調べを含む)を防ぐほどのもので、最盛期にはカムイの宝剣「クトネシリカ」をも防いで見せた。
オロチが「八塩折之酒」で酔っ払い、胴体の銅鐸が破壊されると結界も解けてしまう。
ただ、スサノオはただの木剣でこの結界を破って見せた。
銅鐸
オロチの胴体の祠にある鐘。
人の煩悩の数だけ鳴らすことで生贄を錯乱させるそうだが、作中でハッキリとした描写はない。
真ヤマタノオロチ
幽冥門を抜けた先、100年前の世界で相見える事になる全盛期のオロチ。
百人目の生贄を喰らい、神になる直前の姿でもある。
全身が黄金に輝き神々しささえ感じさせる威容を誇り、胴体の祠もきれいに整備されている。
戦闘
オロチとの戦闘は二段構成となっている。
まず、結界を破るために水郷で酒を飲ませて酔わせ、祠の銅鐸を破壊する。
次に、酒を利用し、オロチの八つの首の体力全てを零にする。
戦闘が終わってもなおオロチは生き続けているが、スサノオ、あるいはイザナギと協力し首を切り落としていくことでようやく倒すことができる。(アマテラスは筆調べ一閃で援護する。)
最期は、英雄の奥義「衝天七生」でトドメとなる。
八頭
オロチにはそれぞれ異なる属性を持った八つの首があり、独自に意思を持っている。
火
おそらく八つの頭の中でもリーダー格と思われる頭。
話すのは基本この首である。
火炎を吐いて攻撃してくるが、位置的に最初に倒され胴体への足場にされる。
兜の装飾は「赤い火の粉」
また、赤カブトはこのオロチの血から生まれた妖怪である。
闇
黒い煙と共に鬼灯を吐きだしてくる首。
この鬼灯は時間経過で破裂し、アマテラスの筆調べを封じてくる。
兜の装飾はおそらく「黒い三日月」
風
その息で暴風を起こす首。
しかし、アマテラスの疾風に力負けする。
兜の装飾は「緑の旋風」
水
萌え担当の首その一。
大量の水を吐きあたりを水浸しにしてくる。そして、戦闘そっちのけで水浴びを満喫する。
その水浴びの様子が可愛いと評判である。
兜の装飾は「青の水滴」
雷
萌え担当の首その二。
他の首が格好良くキめている中、一人だけ「?」を出してキョロキョロしている。
また、雷を吐いて攻撃するが、攻撃直後もアマテラスを見失ってキョロキョロする。
イベントシーンでは一人だけ頭をぶつけていたりもする。
兜の装飾は「黄の雷」。どうやら、この装飾で目が塞がっているらしい。
光
口から光弾を吐く。この光弾は、それぞれ独自に、時間差でレーザーを撃ってくる。
兜の装飾は、皮肉にも「白の光輪」
毒
猛毒の煙幕を吐く。
「火」の火炎に比べスピードが遅く、疾風で飛ばしきれないことがある。
兜の装飾は「黒の骸骨」
土
他の首と異なり口から何かを吐くのではなく、頭突きで地震を起こす。
そしてその衝撃でしばらく気絶する。
兜の装飾は「茶色の山」
その他
モデルの神話に恥じない威容と、多くの天邪鬼を部下として従え、かつ慕われるカリスマの持ち主。
また、物語全般にわたって暗躍する点で、狡猾な策士ともいえる。
開発部では、「もうコイツがラスボスでいいんじゃね?」と言われていたとか。