概要
『東方地霊殿 ~ Subterranean Animism.』の主な舞台。
幻想郷の地下に広がる、広大な洞窟空間の世界である。
「旧地獄」とは、地上に開いた深い深い縦穴の入口、旧都、地霊殿、灼熱地獄跡地、そのほか地下に存在し旧都から直接行ける場所、それらを全てひっくるめた地域全体を指す。
通称「地底」「地底世界」。
縦穴を下り、橋姫が番人をしている橋を渡った先に、鬼が築いた巨大都市「旧都」が存在する。旧地獄の中心の地中には灼熱地獄跡地があり、その上に「地霊殿」が蓋をするように建っている。灼熱地獄跡地はマントルであり、地上にある妖怪の山が複合火山なのはそれが要因である。八坂神奈子はそのエネルギーを利用することを考え、霊烏路空にヤタガラスの力を与えた。
この旧地獄で「血の池地獄」の話題が出ているが、それが今も存在するのか、それとも地獄が現役の時にのみあった施設なのかは不明。
非常に地下深い地点にある暗い地中の世界だが、冬には雪が降るし、(おそらく秋には)綺麗な彼岸花が咲いている。
地底生まれの妖怪や動物と、地上を厭い移住してきた地上の妖怪と、忌み嫌われて封印された妖怪と、地霊と、この地に蔓延る亡者の怨霊が、この地の主な住人である。
遍歴
此処がこの「旧地獄」という名前である理由は、元が本物の地獄だったからである。かつては閻魔や鬼神が経営して亡者を罰する地獄があったが、閻魔による地獄のスリム化と言う名目でこの地は地獄から切り離され、地獄は別の場所に移転した。施設が無くなり廃墟となったこの地は「旧地獄」と呼ばれることになった。
地獄だった頃の施設跡には、いまだに地獄に落とされた者たちの浮かばれない怨霊が残されている。
所は変わって、数百年前の地上の世界。ここでは、鬼が人間に卑劣な手段を使われて退治されていた。鬼達はそんな人間に嫌気が差して地上を自ら去り、人間から離れられる新天地を目指す事にした。そこで鬼達は、地底に残された元地獄の繁華街跡地に目を付ける。鬼はここに社会を築いた。鬼達は自分達以外にもこの社会に、地上で嫌われた妖怪を率先して受け入れた。その事に地上の妖怪は危険を感じた。そこで地上の妖怪の賢者達は、鬼達地底の妖怪に新しい地下都市を作る事を認める代わりに条件を出した。
それは「地底の怨霊を封じる事」である。その代わり地上の妖怪は、「地上の妖怪の地底世界への不可侵」を約束した。あくまでも妖怪同士の条約なので、地上の人間の出入りは許されている。
こうして鬼達は地上との交流を断ち、地上の妖怪社会とは完全に違う新しい社会生活を楽園として楽しみながら営み続けることになる。
怨霊の管理は、旧都が地獄で無くなった時に建てられた屋敷地霊殿の主古明地さとりとそのペットがおこなっており、特に怨霊と話ができるペットの火焔猫燐が怨霊の取り扱いを担当している。だがある冬、突然地上に間欠泉が発生、その間欠泉に怨霊が乗り、地上に怨霊が流出する事件が発生した。その事件をきっかけに、地上の人間がこの旧地獄を訪れることになる。
『東方地霊殿』異変後
地上の人間の活躍によって間欠泉や怨霊流出の原因であった霊烏路空の暴走は止まり、間欠泉から怨霊が湧く事は無くなった。しかし、間欠泉で出来た地上の温泉地には、怨霊が残ってしまっており人妖にとって危険な地になっている事が『茨歌仙』で語られている。
異変後は、地上と地底の現在の様子がそれぞれの人妖にある程度知られるようになり、地上と地底の住人同士で友好関係を結ぶケースまで発生。それにより相互不可侵の条約は多少緩くなったようで、地底の妖怪の中でも地上世界をあまり恐れず人間を嫌っていない者は、遊びや仕事でよく地上に出向いているようだ。具体例は火焔猫燐、霊烏路空、古明地こいし、黒谷ヤマメなど。
『東方星蓮船』との接点
千年前、聖白蓮へ敵意を持つ人間の手によって、討伐され、飛倉(=聖輦船)ごと埋められ、この地底世界に生きた(?)まま封印された村紗水蜜、雲居一輪、雲山たち。いつの時代かは謎だが同じく人間によって捕えられ地底に落とされた封獣ぬえ。この4人は、地上へ戻る事を望みながらも叶わず、行き場を失くして、この旧地獄で長い時を過ごしていた。
彼女ら4人が居たのはどうやら旧都の辺りであったらしく、『星蓮船』では村紗とぬえ、『心綺楼』では古明地こいしと一輪・雲山・村紗らが、この地底内で面識があったという話が語られている。
4人とも全員第123季~第124季の春先に地底からの脱出に成功し、現在は地上の命蓮寺で暮らしている。その脱出の要因は、『東方地霊殿』の際に霊烏路空の力の熱で出来た間欠泉に打ち上げられたからであった。
上記のように『東方地霊殿』と『東方星蓮船』の関係性は非常に強く、この封印されていた命蓮寺メンバー4人と、地霊殿の住人ひいては旧地獄の住人全員とは、深い交流がある可能性があるので今後の公式での追及が期待できるところである。
関連する人物一覧
住人
かつての住人
村紗水蜜、雲居一輪、雲山:封印されていたが間欠泉に載って飛倉(=聖輦船)ごと脱出。
封獣ぬえ:封印されていたが村紗たちに紛れて脱出。
伊吹萃香:地上に移り住んだ。ただしどこに行ったのかは不明。
訪れた事のある地上の人物
博麗霊夢:『東方地霊殿』時。その後は比較的自由に行き来している。
霧雨魔理沙:『東方地霊殿』時。以後、勇儀に地底の呑み会に呼ばれてはちょくちょく遊びに行っている。
八坂神奈子、洩矢諏訪子:霊烏路空に力を与えに行った。飼い主のさとりには無断である。
聖白蓮:村紗の主で飛倉の持ち主であるため、飛倉の封印されていた場所へ忘れ物が無いか様子を何度か見に行っている。
雲居一輪:『心綺楼』ストーリーで再び訪れることになった。
行った事の無い人物
豊聡耳神子:求聞口授時点では(復活から1年以内の冬と推測できる)、地底へ行った事が無い。
行きたがらない人物
射命丸文を始めとする天狗と、河城にとりを始めとする河童(地底への不可侵条約に加え、かつて地上の妖怪の山で上司のような存在だった鬼と顔を合わせたくないため。)