「貴方を乗せていては船は沈みかねない 呪われた水を浴びて船から落ちるが良いわ!」
設定
種族 | 舟幽霊 |
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出演作品 | 『星蓮船』4面ボス 『DS』LV5、『求聞口授』解説、『剛欲異聞』自機 |
二つ名 | 水難事故の念縛霊(星) 惨憺たる大海原(DS) |
能力 | 水難事故を引き起こす程度の能力 |
危険度 | 極高 |
人間友好度 | 低 |
主な活動場所 | 命蓮寺、霧の湖、八坂の湖、玄武の沢、三途の河等 |
テーマ曲 | キャプテン・ムラサ |
※ただし危険度や人間友好度等の評価は作中登場人物の稗田阿求による。
概要
千年前から聖白蓮を慕う舟幽霊(念縛霊)。後述するが妖怪に分類される。
水兵服姿(セーラー)だが、大型の木造浮遊船『聖輦船』の船長の役職についており、おまけに本来なら船を沈める存在(舟幽霊)として生きている。
とある経緯(「雲居一輪」記事を参照)により聖輦船と共に地底世界に封印され、永らく地底で暮らしていた。前作の間欠泉騒ぎのドサクサに紛れて脱出し、幻想郷へとやってきた。魔界の一角である法界に封印されている聖白蓮復活のためにかつての仲間達と行動を開始した。
通称はムラサ船長、ムラサ、村紗(詳細は後述)。テーマ曲も『キャプテン・ムラサ』である。本記事でもこのキャラクターの事は「ムラサ」と記述する。
舟幽霊の特徴である柄杓で振り撒く水、複数の錨の射出とそれによるしぶき、打ち寄せる波、大渦などのような、水飛沫と海を思い起こさせる弾幕を得意とする。スペルカードの幽霊「シンカーゴースト」では、ムラサが不気味な効果音と共に幽霊らしいノイズ入りのワープをし、逃げようとする敵の傍を離れないように行動する。その際に天狗のカメラに撮影されると普通の幽霊のようにブレて映る。
『星蓮船』後は白蓮が住職を務める命蓮寺で暮らしている。寺に居る他の妖怪とは信頼し合う仲のようだが、ムラサが修行僧であるかどうかは不明。
また、地底暮らしだったため、旧都の面々とも面識があるらしい。
『星蓮船』EXボスである封獣ぬえとも地底で暮らしていた時に面識が在るようだが、ぬえ側からのムラサと仲間の妖怪達への評価コメントしか無いので、詳しい交友関係も不明である。
呼称について
作中の地の文でも彼女は「ムラサ」「村紗」と言われており、基本的に本名(下の名前)を呼ばれない。彼女を下の名前で呼んだ事があるのは古明地こいしだけ。
呼ばれ方はそれぞれ
である。
バックストーリー
その昔、水難事故に遭って亡くなった霊であり、通りかかった船を転覆させる毎日を送っているうちに人間から恐れられ、その恐怖の念により妖怪となった。その妖怪は、彼女個人の名前から取って「ムラサ」と呼ばれた。
ある日、ムラサの元に彼女を退治して欲しい、と依頼された大層名のある僧侶、白蓮がやってきた。もうただの人間を乗せた舟を沈めても、妖怪としての力は上がらないと思っていた彼女にとっては、願ったり叶ったりであった。そんな高僧を乗せた舟を沈めれば、妖怪としての格が上がり、自身を縛る海から離れて人間を襲う事も出来るかも知れないと思ったからだ。
数日後、ムラサは彼女を退治しにやって来たと思われる白蓮の乗った船を全力で沈めに掛かった。だが船は思いのほかあっけなく一瞬で沈み、白蓮と乗り合わせていた数名の人間は全員海に投げ出された。
こんな手応えの無い相手を倒しても何の自慢にもならない、と落胆した彼女の前に、倒したはずの白蓮が居た。なんと白蓮は転覆させた船とは違う、法力で創りだした光り輝く船に乗っていたのだ。しかも、その光る船は、ムラサが昔乗っていた船そのものの形であった。ムラサは白蓮によってその船を与えられた事で、念縛霊から解放された。白蓮から聖輦船の船長を任されたのはこの時である。
ムラサが白蓮に救われてから数十年後、ムラサは地底に封印された。
そして上記の件で再び地上に来た彼女は、今度は自分が白蓮を救う事を誓うのだった。
村紗が白蓮を復活させる理由は、「妖力を自由に発揮できる開放的な未来、争いの無い美しい妖怪世界、排除される者が居ないこの世の楽園」という新たな世界を作る……と、白蓮が過去に理想としていたのを叶えて、皆で悩みを忘れて生きるためだと述べていた。
作中では
星蓮船本編では聖輦船に乗り込んで来た主人公達が持っていた飛倉の欠片を持ち逃げされないよう魔界に輸送するため、船内に足止めする目的で現れて戦った。
聖輦船には自動操縦機能が搭載されており『星蓮船』作中で聖輦船はその機能を使った航行をしていたため実質的にやる事は殆ど無く、暇を持て余していた。
地底から幻想郷へ移って白蓮を救出してからは、一部のEDルートで聖輦船を遊覧船として営業する事になるのだが、その際のムラサは船長らしい振る舞いをしていた。
聖輦船は後に着陸して命蓮寺に改装されてしまったため、さらに仕事が無くなった。『東方心綺楼』で聖輦船かどうかは不明だが、命蓮寺が対戦ステージとして出ていながら同時に「雲上の宝船」という大型船の対戦ステージが登場。これにより命蓮寺が再び聖輦船に変形する可能性もあるが、どうだろう?
ちなみに、実は『水難事故を起こす』という習性はまだ治っておらず、白蓮の目を盗んで時々幻想郷の住人や三途の川(死神の舟?)にちょっかいをかけているらしい。ただ昔と違って一応相手は選んでいる様子。
そのせいか『求聞口授』で追記されていた主な活動場所には、霧の湖、玄武の沢、守矢神社横の「八坂の湖」(『東方風神録』6面ボス戦のステージ)、三途の川など、やたらと幻想郷内で有名な水場の数々が羅列してあった。
寺の住人の妖怪として『東方茨歌仙』にも出演しているが、謎の敵によって突然後ろから殴られて倒されていたという話題の中で語られただけであった。
『心綺楼』『深秘録』では、参戦こそしていないが古明地こいしが彼女のマル秘情報を暴露している。こいし曰く、血の池地獄では泳ぐことができず溺れてしまうが、それでも血の味が忘れられず、時々旧血の池地獄まで来るらしい。
『剛欲異聞』にて、遂にプレイアブルキャラクターとして参戦。本編では黒い水の発生源を突き止めた白蓮によって水の扱いに一番手慣れた村紗を調査に赴かせる事となった。
そして石油の正体を知っていて旧血の池地獄に潜んでいた饕餮尤魔に対してドン引きしていた。
ちなみにプレイアブル参戦が発表された時期は彼女の元ネタである舟幽霊ムラサの発祥地「隠岐の島」とのコラボ期間中であった。
種族
舟幽霊
舟幽霊とは、地縛霊の亜種であり、不慮の事故で死んだ人間の霊体から始まった念縛霊である。
念縛霊とはある特定の想念に囚われた霊であり、地縛霊のように土地に縛られることは無いが、起こせる作用に縛りがある。幽霊の中でも念縛霊は通常の幽霊には無い能力を有しているので、妖怪して扱われ、視認できる肉体を持ち、性質も妖怪に近い。
舟幽霊は対人間に特化した、人を殺すことのみを目的とした純粋な妖怪で、船の航行中に現れて柄杓を要求してくる。もし素直に柄杓を渡せば、それによって水を汲み込まれて沈められ、渡さなければ嵐などで沈められるなど、どう答えても沈められる。
解決策は底の抜けた柄杓を渡し、水を汲み込ませない事。そのため昔は対策兼お守りとして底抜け柄杓が積み込まれていたらしい。ところが最近の舟幽霊は弱点である底抜け柄杓対策として、自前で柄杓を用意している。まさに身も蓋もない。如何なる場所でも水難事故を引き起こせるが、逆にそれしか出来ない存在である。
彼女は舟幽霊にしては話の分かる方で、その理由は命蓮寺にある。そこで色々な人間の話を聞くことが彼女を変化させているのだろう。今では相手を選んで水難事故を起こしているとか。どちらにしろ迷惑である。結果、人間友好度「低」、危険度「極高」。
命蓮寺が主な生活域であるためか「陸に上がった舟幽霊」と呼ばれている。幻想郷には元から海が無いし、『輝針城』によると幻想郷は水よりも陸の方が多いと言う。幻想郷では船を使う機会が少ないので退屈そうだと射命丸文からコメントされていた。
元ネタ
島根県隠岐郡都万村(現:隠岐の島町)には、昔からムラサと呼ばれる船幽霊に属する怪奇現象がある。夜、海面でボーっと光っているムラサに取りつかれると船足が鈍るというものであり、柄杓を使って船を沈める船幽霊とは性質を異にする。
後年の研究で正体はプランクトンの一種である夜光虫の群体と考えられているが、意外とこの辺りが村紗の元ネタとしてのルーツをにおわせる。
2020年に『東方Project × 隠岐の島町コラボプロジェクト』が始動。また、翌年に第2弾が発表されている(第2弾発表から間もなく剛欲異聞への参戦も発表された)。
容姿
(東方星蓮船)
(東方剛欲異聞)
ウェーブのかかった黒のショートヘアー。サイドヘアーの長さは耳が見えるくらい短いが、『求聞口授』のみ耳が見えない長さである。目は青緑色の瞳。
先述の通り、服装は“本来の意味での”セーラー服。兵服ともいう。
『星蓮船』の時期は春先なのだが、半袖である。書籍で登場する際に長袖で描かれた事が二度ある。
白の布地に青緑色の縁取りがされており、青緑の生地には各所それぞれに3本の白いラインが引かれている。
下にはセーラー服に合わせたデザインの膝上までの穿き物を穿いているが、その形については様々な解釈がある。詳しくは後述。
よくヘソ出しで描かれるが、原作絵では出していない。
その頭には、普通の帽子よりもかなり小さい船長帽を被っている。帽子のサイズは作画担当によって変わり普通の帽子のようになっている事もあるが、帽子が鍔付きの白一色の膨らんだキャップである事と、帽子の前面に黒色の錨マークがワンポイントにあしらわれている点は共通している。
他に縁あるアイテムとして、底の抜けた柄杓や、身の丈以上もある大きな錨や持っている。底が開いているはずの柄杓で水を撒き、錨は投擲武器に使用する。
穿き物について
『星蓮船』ではセーラー服に合わせたデザインの膝丈までのキュロットスカートのようなものを着用している。
しかしこれは「脚の辺りに生地が密着して出来た単なる影ではないか」「というか大きめのズボンなのではないか」等とファンの間では登場当初から議論の的になっており、スカートや短いズボンとして取り扱う者も多かった。
この事については『星蓮船』後に発表されたムラサが登場する作品で明らかになるかと思ったが……
『求聞口授』ではますますキュロットと言うよりはスカートに近いデザインとして描かれた挙句、『心綺楼』ではついにミニスカートとして作画されたのだった。
しかし先に挙げたイラストのように、『剛欲異聞』ではズボンとして扱われていた。
また、STGでは『星蓮船』以降村紗が登場しておらず、デザインは創作者にもよるため、現在も人それぞれの解釈があるようだ。
性格
念縛霊時代の荒れていた頃とは変わり、現在はかなり物腰が柔らかくなっている。曰く、明るく話し上手。
口調は『星蓮船』のストーリー中とEDでしか見せていないが、自らが船長である事を意識してか丁寧語が多めであり、その中に女の子らしい常体語を混ぜている。白蓮に対しては常に敬語。
船に乗り込んで来た主人公たちにも丁寧に対応し、負けても悔しさを露にしない、その中の東風谷早苗が神様であると知ると「騙して申し訳ございませんでした」と謝るなど、自身の役に徹する落ち着いた人物である。なんでも舟に水を注いでる時に船主に話しかけ、その時聞いた話が彼女の話術を豊かにしているらしい。
船主は犠牲になったのだ…。
能力
水難事故を引き起こす程度の能力
水のある場所ならば、如何なる場所でも水難事故を引き起こすことができる。
舟の上だけではなく、川縁で釣りをしている時や、滝行している時、温泉に入っているときにも水難事故に遭う可能性がある。また最近では、神社の手水舎で身を清めていた時に水難事故に遭ったという報告がある。とはいえ昔のように溺死させられるようなことはなく、精々水を被って酷い目にあった程度ではあるが。
また三途の川の底を抜いて、大量の水を持ってくるといった大分凄い事も可能である。
聖輦船
前述の通り、ムラサが操る船。
聖白蓮を乗せる為の船なのでこの名前である。
実は元々は「飛倉」と呼ばれる不思議な倉であったが、白蓮が法力で改造したものである。倉の形には自由に戻れる。
詳しくは『聖輦船』の記事を参照。
所持スペルカード
東方星蓮船
スペルカード名 | E | N | H | L | EX |
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転覆「道連れアンカー」 | 〇 | 〇 | |||
転覆「沈没アンカー」 | 〇 | ||||
転覆「撃沈アンカー」 | 〇 | ||||
溺符「ディープヴォーテックス」 | 〇 | 〇 | |||
溺符「シンカブルヴォーテックス」 | 〇 | 〇 | |||
湊符「ファントムシップハーバー」 | 〇 | 〇 | |||
湊符「幽霊船の港」 | 〇 | ||||
湊符「幽霊船永久停泊」 | 〇 | ||||
幽霊「シンカーゴースト」 | 〇 | ||||
幽霊「忍び寄る柄杓」 | 〇 | 〇 |
ダブルスポイラー
スペルカード名 | ステージ |
---|---|
錨符「幽霊船長期停泊」 | LEVEL5 SCENE4 |
浸水「船底のヴィーナス」 | LEVEL5 SCENE6 |
「ディープシンカー」 | LEVEL5 SCENE8 |
東方剛欲異聞
- 時化「ストーミーセーリング」
- 沈没「強欲な亡者達の海域」
- 舟符「キャプテンムラサの不幸な出航」
二次創作
弾幕で錨を投擲した絵の影響から、大きな金属製の錨をその腕で振り回して打撃武器にするパワータイプキャラとして扱われる傾向にある。「錨」「海に縛られた事がある」のキーワードから、金属の鎖も一緒に描かれやすい。
舟幽霊という名前からして幽霊主体の妖怪なので、妖怪としての生き方よりも、命を落とした人間であるという過去にスポットを当てられやすい。
妖怪として暴走した事のある経緯から、現在でも何かあると暴走してしまう危なっかしいキャラや、性格は明るく振舞っているが抱えている闇が深いキャラとして扱われる事もある。
イメージカラー
ムラサのイメージカラーには、緑色と、青色が当てられやすい。
しかしムラサの服と体のデザインに使われている色は「黒、白、青緑色、赤」の4色であり、実は青色の要素は意外にも全く使われていない。それなのにムラサのイメージカラーに青色が挙げられやすいのは、彼女の弾幕の色がほとんど水色であり、イラストにされる際は背景が海や水中になりやすいせいであろう。
ちなみに命蓮寺のメンバーの一人として色を割り当てられる際は、寺のメンバーの中には青色を全身のデザインにあしらわれている一輪と多々良小傘が居る上、しかも他に緑色を前面に押し出した人物がほぼ居ないため、緑色になりやすい。
カップリング
カップリングとしては主であり過去のエピソードがクローズアップされている白蓮(ムラ聖)と、同僚で共に白蓮を慕い地底に封印された一輪(ムラいち)、地底時代から交友のあるぬえ(ムラぬえ)、そして寺での仲間である寅丸星(星水)との組み合わせがメジャー。
また、マイナーではあるが、地底暮らしだった所からさとり(ムラさと)との組み合わせや、セーラー服だから同じ女学生服由来のデザインである鈴仙(ムラうど)とのコンビまである。
関連イラスト
関連タグ
村沙水蜜(誤字)
カップリング関連
その他
むらさむらむら おらこんなむらさいやだ むらぱい むらへそ セーラー服 軍服ムラサ
6月3日はムラサの日 2010年6月3日はムラサの日 6月1日はムラいちの日
4面ボスの系譜