封獣ぬえ
ほうじゅうぬえ
「私は鵺、正体不明がウリの妖怪よ 正体不明は人間を怖がらせる事が出来る」
「夜の恐怖を忘れた人間よ! 正体不明の飛行物体(だんまく)に怯えて死ね!!」
種族 | 鵺 |
---|---|
出演 | 星蓮船:EXステージボス ダブルスポイラー:Lv12被写体 神霊廟:EXステージ中ボス 秘封ナイトメアダイアリー:悪夢木曜 |
二つ名 | 未確認幻想飛行少女 (星) 虎だったり鳥だったりする奴 (ダ) 古の妖怪その1 (神) 正体不明のアンノウンX(鈴) |
危険度 | 高 |
人間友好度 | 低 |
主な活動場所 | 命蓮寺など |
能力 | 正体を判らなくする程度の能力 |
テーマ曲 | 平安のエイリアン |
※ただし危険度や人間友好度等の評価は作中登場人物の稗田阿求による。
人前に姿を現さず、人間が自分の事を怯えて姿を想像する様子を楽しんでいたが、ある時本来の姿がばれ、地底に封じられてしまい、長らく地底(旧都?)で暮らしていた。
(しかしこれは後述のぬえの謎・矛盾点にて述べるが、一部矛盾が存在する)
だが間欠泉騒動(『地霊殿』の異変)のどさくさに紛れて地上へ脱出。
そして地下で知り合いだった村紗水蜜らが、地上で人間である聖白蓮を助けようとしているのを見て、彼女たちの邪魔をしてやろうと行動を開始。決まった姿がなく、見た人の知識で認識できる物に見えるという「正体不明の種」を飛倉の破片につけ、村紗たち以外の飛倉の破片に対する認識をかく乱させた。そして博麗霊夢たちがその正体不明の飛行物体を集め出したので、正体不明に怯えない人間に興味を持ち、接触しようとした。それがEXステージである。
ちなみに珍しく本編の道中にも登場するEXボスであり、『星蓮船』4面・6面の道中に現れる光の球は彼女である。この時は、条件を満たすとアイテムをくれる。これは、主人公(チーム星蓮船を参照)たちに興味を持っていることの表れである。
その後、村紗たちが行っていた聖の解放は自分にも益がある事だと知り、それを邪魔したことを後悔していた。だが聖の解放を邪魔したにもかかわらず彼女からは快く受け入れられたことで、「暫くはこの僧侶に付いていくしかない」と思うようになり、後に仏門に入り、命蓮寺で寝泊りするようになった。 ただ、それまでの経緯と当人の性格や新参であることなどから、仲間内では微妙に浮いた存在になってしまっているらしい。
しかし、ぬえは強力な妖怪。その辺で見かけたからといって「ぼっち」呼ばわりすると後で痛い目にあうだろう(『求聞口授』)。
黒髪のショートボブで右の後ろ髪だけが外に跳ねた左右非対称の髪型をしている。瞳の色は深紅。服装は、裾に赤い渦巻型の模様のある黒地のミニスカワンピースで、胸元には赤のリボンが付いている。黒のニーソックスと赤い靴を履いている。背中からは赤い鎌のような三枚の右翼と、青いグネグネとした矢印状の左翼が三枚生えている。この奇抜なデザインの羽は絵師泣かせとして有名。
手には三又のトライデントのような槍をもっており、腕には蛇が巻き付いている。『鈴奈庵』ではぬえは時間的に別々の二シーンで登場するが、この槍を所持しているシーンと所持していないシーンの両方が描かれている。さらに足元(どのように着地しているか、または浮遊しているのか)が不鮮明または塀の上と思しき細い場所に立ってることもあり、トリッキーな不安定感や浮遊感のような表現で描かれている。これはともに描かれているマミゾウの安定感、着地感と対比的である。
鵺
『平家物語』などに登場するキメラ妖怪で、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビで(文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。また『源平盛衰記』では背が虎で足がタヌキ、尾はキツネになっており、さらには頭がネコで胴はニワトリと書かれた資料も存在するなど、統一性を見出し得ない)「ヒョーヒョー」という、鳥のトラツグミの声に似た大変に気味の悪い声で鳴いた、とされる。一説には雷獣であるともいわれる。また、出現したのは一般には平安時代後期とされるが、平安時代のいつ頃かは、二条天皇の時代、近衛天皇の時代、後白河天皇の時代、鳥羽天皇の時代など、資料によって諸説ある謎多き妖怪。
ちなみに元来、鵺とは夜に鳴く鳥のことである。この鳥の正体は、現在ではトラツグミのこととするのが定説であり、この鳥の寂しげな鳴き声は平安時代頃の人々には不吉なものに聞こえたことから凶鳥とされ、天皇や貴族たちは鳴き声が聞こえるや、大事が起きないよう祈祷したという。現代でも、トラツグミの鳴き声をUFO襲来と勘違いし、騒動になることが幾度もある。
『平家物語』にある怪物はあくまで「鵺の声で鳴く得体の知れないもの」で名前はついていなかった。しかし現在ではこの怪物の名前が鵺だと思われ、そちらの方が有名である。映画「悪霊島」(原作・横溝正史)の有名なキャッチ・フレーズ、「鵺の鳴く夜は恐ろしい」とはこの事である。描写される姿形は北東の寅(虎)、南東の巳(蛇)、南西の申(猿)、北西の戌亥(犬とイノシシ)といった干支を表わす獣の合成という考えもある。
また鵺の正体は源頼政の母だという伝説もあり、頼政の矢によって命を落としたという。そこからラストスペルの名前はとられている。(恨弓「源三位頼政の弓」)
「鵺」の記述は古くは『古事記』にもある。大国主命がスサノオがいる根の堅州國から葦原中国に戻ってから少彦名命との国作りを始める前に登場する八千矛の歌の第一首、大国主命から遠くにいる沼川比売に贈られた恋の歌がそれである。『(前略)青山に 鵺は鳴きぬ(後略)』このような記述であり、この鵺は妖怪というよりも鳥としての鵺である。
ただし、封獣ぬえは後述で述べるが、怪物としての鵺とは別の存在である、上述における【種族:鵺】はあくまでも正体がわからない得体の知れない正体不明の存在である、と言う意味での鵺で用いられている可能性が高い。
『東方外來韋編』にて評価された全キャラの中で唯一『他者を褒める事が全く無く皆平等にこき下ろす博麗霊夢が称賛した』と言えばその凄さが分かるだろう。
東方星蓮船
『星蓮船』での対戦時には、「正体不明の種」が霊夢たち人間にはUFOに見えることから、道中でベントラーアイテムを集めると表れるレッド・ブルー・グリーン・レインボーの4種類のUFOを使い攻撃してくる。
東方神霊廟
聖白蓮が押さえつけていた聖人・豊聡耳神子が復活することを知ったぬえは聖への恩返しと、妖怪の切り札となるような強大な妖怪を招き、“妖怪の力を強くする”という目論見から、旧友である二ッ岩マミゾウを外から呼び寄せた。ちなみに、このことは聖白連には内緒で、完全なる独断である。その後、騒ぎを聞きつけて訪れた博麗霊夢たちの前に再び立ちはだかり、神子たちを復活させたせいで妖怪界隈が大騒ぎだ、と告げ襲いかかってくる。
どうしようもない悪戯好き。
千年以上も前からその能力で人々を驚かし、脅かしてはそれを楽しんでいた。また会話から察するに、人間に対して差別的ないし恨みのようなものを持っていて、人間である聖を助け出そうとするムラサたちにはいら立ちのようなものを感じていたようだ。
しかしキャラ設定txtを見てみると一転「ムラサ達が何をしようとしているのかは知らないけど、失敗したら楽しいな」とかなりテキトーな動機で動いていた事が分かる。霊夢達に接触したのも、正体不明なものを怖がらない人間に興味を持った事がきっかけ。
これだけ見ればただの愉快犯だが、聖たちの行動が自分達妖怪のためにもなることだと気づくと後悔し反省するなど、素直な面も持つ。一応恩義を返そうとする義理堅い面も持っているが、今の所空回りしかしていない。 グリモワールオブウサミでの描写から公式でドジっ娘属性が付いている模様。
とはいえ妖怪としての本能には割と忠実で、寺ではロクに修行もせずにその辺を放浪したり、人里で遊んでたり、その後も「寺のため」ということにしておきながら嬉々として人里を恐怖に陥れたりするため、良くも悪くも妖怪らしい性格なのだろう。
正体を判らなくする程度の能力
蛇になったり鳥になったりと不定形な「正体不明の種」なるものを対象に仕込み、その対象に対する認識をかく乱する能力。種を仕込まれた対象は、形状、音、匂いなど「その対象固有の情報」を奪われ、後には行動だけが残る。例えば「鳥」などは「飛行している」という行動要素だけが残る。すると「見る者」はその要素を元に自身の知識(先入観やイメージ)によって勝手に姿を補完し、「見た目」が変わるという仕組み。例えるなら「空飛ぶ木片」は「空飛ぶ」という行動要素だけが残り、「謎の空飛ぶ物体」→「UFO」となって見える。
本来の形を知る者には効果が薄く、普通に見える。ただし補完が完全で無い場合は少しギクシャクした姿に映るらしい。また阿求から「古典的な妖怪故に妖力が高く、まともにやり合うどころか逃げることも難しい」と評されていることから、本人自体の実力も相当に高い様子。
スペルカードの内容を見るに、分身の生成、雷を落とすなど、能力以外にもできることは意外と多い。さらに一部の弾幕には「背後に異世界に通じる扉を作り、そこから弾幕を呼び寄せる」という隠岐奈にも通ずる能力が発揮されているらしい。また弾幕の境界を変化させる弾幕など、八雲紫の能力に似通った弾幕も発している。
このことから隠岐奈、紫の両面からは「正体不明の化け物め」と警戒されている。
ちなみに、彼女が登場するまでの八雲藍を除いたEXボス(と紫)は、スペルカード発動時の背景に自身の立ち絵が使われていたが、ぬえが登場して以降はそのパターンが廃止されている。
星蓮船
秘封ナイトメアダイアリー
いずれも鵺符「鵺的スネークショー」に似たへにょり弾を放つ。
東方星蓮船におけるキャラ設定とエクストラストーリー.txtにおいて、ぬえの項目にはこう述べられている。
(以下一部をtxtより引用)
余りにも不可思議。
余りにも謎に満ちた夜空を飛ぶ妖怪。
それが彼女だ。
幾度となく人間に退治され、その都度、姿形が異なって伝えられた。
ある伝説では、頭が猿、体が狸、手足は虎、尾は蛇だと言われた。
またある伝説では、頭が猫、体は鶏、尾は蛇だと言われたりもした。
しかしそれらは全て作られた伝説である。
本当は、彼女は人前に姿を現すことは無かった。
人間達が怯えて、あれこれ姿を想像しているのを、遠くから見て楽しむだけだった。
それが彼女の日課であった。
それにも飽きて、長い間地底でのんびり住んでいたのだが、今年の初めの間欠泉騒ぎのどさくさに紛れて地上に出てきた。ここでわかるのは、封獣ぬえが怪物としての鵺とは別の存在であるという点と、地底に封印されたのではなく自らの意思で地底に移り住んだ事を示唆する点である
また、エクストラステージ霊夢Bルートの会話においてぬえは、「昔、正体がばれた時は大変だったわ。この姿じゃ怖がってくれないから地底に閉じ込められちゃった」と述べているが、これは上記の引用【本当は、彼女は人前に姿を現すことは無かった。】【人間達が怯えて、あれこれ姿を想像しているのを、遠くから見て楽しむだけだった。それが彼女の日課であった。それにも飽きて、長い間地底でのんびり住んでいたのだが~】と矛盾するのだ。
ここから【ぬえが狂言を述べた】という考察もあったりする。あくまでも可能性の話だろうが。
(まぁ普通に考えたら多分ZUNが設定の矛盾に気づかなかっただけなんだろうけど)
ちなみに、のちの作品である口授などでは「地底にいた妖怪」として紹介されていたりするため、封じられていたのか云々は何故かぼかされている。
こんな矛盾があるせいで、本来の姿も少女の姿なのかどうかあやふやになってしまっている。
さすがぬえちゃんマジ正体不明
原作通り悪戯好きとして描かれるが、その時期は主に聖たちと暮らすようになってからのものが多い。その能力や戦闘力を生かし、てゐに次ぐトラブルメーカーとして活躍する。
主なカップリング相手は、
- 聖白蓮:無知の罪を許してもらい、現在同居中。→ひじぬえ
- 多々良小傘:ボス・中ボスの関係。性格が似通っていたり、能力が相互作用したりする。→こがぬえ
- 村紗水蜜:地底にいたころの知り合い。白蓮復活の経緯から犬猿の仲だったり、親友だったりとその関係性は様々。→ムラぬえ
- 二ッ岩マミゾウ:出会った頃は不明だが、かなり古くからの知り合い。ぬえが頼るほどの存在から保護者的な扱いになることも。→マミぬえ
- 鬼人正邪:その性格、他者関係、旧い謂れとの関連、容姿(例えば矢印模様)その他多くの点で共通点が見出されており、まるで元々旧友(あるいは腐れ縁、悪友など)であったかのような相性の良さが見出されている。→せいぬえ
また本人の高い実力から「少々自信過剰な少女」、また能力から「正体不明=誰にも理解されない」という事で、「寂しがりやで泣き虫な少女」という風なキャラ付をされていることが多い。
大体「ぬえええん!」と泣いていたり、「この大妖怪ぬえ様が~」と言ってることが多いが、実は本人は一度もそんなことを言った事がない。なお、公式ではやる事が悉く空回りしたり、花火大会に参加しようとしたら遅刻した等のドジ属性持ちだが、それが発揮されることはあまりない。(むしろ、寅丸星にドジ属性が移っている)
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