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AH-64の編集履歴

2013-07-09 20:29:56 バージョン

AH-64

えーえっちろくよん

アメリカ陸軍の戦闘ヘリ。1970年代に入って増強された、ソ連戦車隊への対抗として生み出された。新型のAGM-114「ヘルファイア」を運用できるように設計され、『空飛ぶ対戦車砲』である。複雑・高価な機体であり、AH-1ほど採用国は多くない。また、整備の複雑さを嫌った海兵隊ではAH-1を使い続けている。

ソ連戦車の脅威

現在、アメリカ陸軍はこのAH-64を主力と位置づけている。

開発のきっかけは、1970年代のワルシャワ条約機構ソビエト含む)戦車隊の大幅増強であり、NATO軍は数の上での劣勢が予測されたからである。


そのため、AH-64は『空飛ぶ対戦車砲』としての機能が期待され、

最初から「撃ちっぱなし能力」を持つAGM-114の運用能力を持つ事が決まっていた。


当時の陸軍主力戦闘ヘリであるAH-1には、有線誘導であるTOWミサイルを運用していた。

これは『命中するまで照準スコープで狙い続ける必要がある』という欠点があり、

発射して自分の位置が露呈しても、照準スコープを覗き続ける危険を冒さなければならなかった。

しかし新型のAGM-114「ヘルファイア」は違う。

一度発射すればそれだけで良く、後は隠れるなり逃げるなり自由に動けるのだ。


この能力で「神出鬼没の対戦車砲」として戦場を駆け回り、

戦車隊の脅威を小さくしようという訳である。


AGM-114「ヘルファイア」

「ヘルファイア」とは『HELicopter Launched FIRE-and-forget』の略であり、

『ヘリコプターから発射できる撃ちっぱなしミサイル』の意味である。

(少々強引だと思うが)


アメリカ陸軍の主力戦闘ヘリ

・・・と、当初はこのような目論見であった。

結局『アメリカとソ連の最終戦争』は起こらず、AH-64は活躍の場を失ったかに見えた。


1990年、イラククウェートに侵攻して、

国連は事態の鎮静化のために多国籍軍(国連軍ではない)の派遣を決定する。

いわゆる1991年の湾岸戦争勃発である。


第2世界でも随一の軍備を誇るイラクだったので、

アメリカをはじめとする多国籍軍はドイツに集積していた『最終戦争』用の装備を持ち出した。

それは主にM1エイブラムス戦車の精鋭部隊だったのだが、その中にAH-64もあったのである。


この戦争でAH-64は本来の能力を存分に発揮し、

イラク軍の戦車装甲車を800台以上撃破したという。

他にもレーダー施設や防御陣地の攻撃に投入され、大きな戦果を記録した。


反面、砂漠用のヘリでは無かったので故障が多発し、すぐに整備し直さなければならなかった。

また2003年のイラク戦争では、

戦争初日にAH-64の集団(30機)がイラクの防空陣地に接近しすぎてしまい、

全機が損傷し、1機などは不時着する被害を受けている。


また、農夫の目の前で不時着したAH-64が『農夫の撃墜』として報道された事もある。

テレビカメラの前で古い小銃を手に取材を受ける農夫の後ろには、ほぼ無傷のAH-64が映っていた。

実態はこちらも「エンジントラブル」だったようだ。

(パイロットは不時着後に徒歩で逃亡している)


兵器の定型

AH-64は『見た目の割にヤワ』というイメージが広まってしまった。

これはAH-64は複雑・高度な兵器であり、さらにヘリコプターである事も手伝っている。

ヘリコプターはローターの力でやっと浮いている代物なのである。

同じ価格の飛行機に比べても、速度や整備性は悪く、故障率も高い。果ては燃費まで悪い。


このような兵器の存在を許しているのは『戦術上の必要』であり、

これでも大分良くなった方なのだ。

(傍から見れば、やはり不完全なのだろうが)


派生型

AH-64A

最初の生産型。詳細は上記のとおり。


AH-64B

湾岸戦争の後、海兵隊に提案されたAH-64Aの強化型。

新型ローターやGPSなどの新型航法装置などが搭載される予定だったが、

計画はAH-64C/Dに引き継がれた。


なお海兵隊は整備の面倒なAH-64を嫌い、AH-1の改良型を採用した。


AH-64C

後述のAH-64Dからローターマスト搭載のレーダーを除いたもの。

これにより低価格で販売できる予定だったが、のちにAH-64Dに統合されている。


AH-64D

現在の主力生産機。

11か国で採用され、戦闘ヘリとして活躍している。

(ただし、日本は12機で調達中止)

愛称はアパッチ・ロングボウ。


前述のとおりローター上のレーダーの有無にかかわらずD型と呼ばれているが、

基本的には、輸出機も本国同様にレーダー装備仕様となっている。

オランダ輸出機だけレーダー未搭載:AH-64DN)


なお、陸上自衛隊に納入されたAH-64Dは三重県の明野駐屯地や、

佐賀県の目達原駐屯地に配備されている。

したがって近隣の市町村や県では、飛行する同機を目撃する事もある。


その際はAH-1Sとは違う機影・違うエンジン音などで識別する事ができる。


WAH-64

イギリス向けのAH-64Dは当初、WAH-64と呼ばれていた事があった。

この通称はライセンス生産をウェストランド社が担当したからである。

(実機の引き渡しが始まる頃には合併して「アグスタウエストランド社」となった)

正式な名称は「アパッチ AH Mk1」もしくは「AH.1」となっている。

もちろんイギリス独自の装備もあり、エンジンなどは国産のものに換装したり、海上運用できるように改修を行うなどをしている。

(他にも独自装備は数多い)

運用方法は空母を拠点にできる以外は基本的には他国の攻撃ヘリと同様だが、中にはぶっ飛んだものがあり、特殊部隊員を機外にしがみつかせて輸送するというもので、曰く「この方が速くて安全だと判断された」との事。

アフガニスタン駐留部隊などの一部部隊では兵員収容能力を持つ小型強襲ヘリを保有していない為にこのようなことをしなければならない、といわれている。


AH-64E

AH-64D ブロックIIIを改名した最新型。

採用国はアメリカと台湾のみ。

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