概要
原子力発電、またはその施設である原子力発電所の略である。主に後者の意味で使われる。
ウランやプルトニウムの核分裂反応に伴う大量の熱で水を沸騰させ、そこから起こる高温高圧の蒸気を発電機につながっているタービンに吹き付けて回して、発電機を動かして電気を作る。
原子力であるため有害な放射性物質を発生し、冷却システムが破綻するとメルトダウン（炉心溶融）を起こし大量の放射性物質を放出、広範囲を汚染する危険性を持っている。実際に1979年にアメリカのスリーマイル島原発、1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原発、2011年に日本の福島第一原発などで大規模な原発事故が起こった。
水力・火力・風力・太陽・地熱などの発電方法と比べて遙かに発電量は多いが、放射性廃棄物処理費用および安全管理のためのコストが非常に高く付くため、必ずしも経済的な発電手段であるとは言えない。そのうえ大規模な原発事故が一度発生すると、立地地域に致命的な損害と莫大な処理費用が発生する。
現在の原子炉は全て核分裂によるものであるが、核融合による原子炉「核融合炉」が実用炉として技術が進めば安定性が見込まれるとされている（ただし、核融合炉でも放射性物質は発生する）。
