CV:沢城みゆき
人物像
シンフォギアシステムの開発者。
シンフォギアを初めとする異端技術「聖遺物」を動作させる櫻井理論の提唱者。34歳。
シンフォギア適合者達のメディカルチェックに加え、聖遺物の管理や二課本部の防衛システム構築など、特異災害対策機動部二課の主要技術を一手に引き受ける。
呑気でマイペースな性格だが、「出来る女」や「天才考古学者」を自称する自信家である。また、ノイズに対し素手で干渉・対抗する謎の力を持っている。
彼女を一言で表すなら「犯人はヤス」ということになるが、その理由については以下で記述する。
正体
※この先、アニメ本編に対するネタバレが含まれます
その正体は雪音クリスとノイズを操り、暗躍していた謎の女・フィーネ。
かつて風鳴翼のシンフォギア稼働実験に反応し、了子の人格を支配した、先史文明の巫女の亡霊であり、これまで歴史の裏で暗躍し、世界のパラダイムシフトの銃爪となってきた。
フィーネの子孫の遺伝子は、アウフヴァッヘン波形に触れる事で代々のフィーネの記憶を引き継いだ人格が現れるように細工されており、了子もまた彼女の子孫であった。ただし、フィーネとして覚醒するのは何時の時代においても一人だけであり、同時に複数のフィーネが発現する事はない。
ノイズを召喚(制御は出来ない)し、それを跳ね除ける能力を発揮する。
彼女は特異災害対策機動部二課本部に偽装する形で、巨大な荷電粒子砲カ・ディンギルを建造、かつて己の恋心を拒絶した、創造主(カストディアン)への妄執を原動力に、「バラルの呪詛」にて人の言語と思想を分断する監視装置たる月の破壊を企てた。
そして、その過程で立花響が聖遺物と融合を果たした事に興味を抱き、クリスを利用して彼女の拉致を画策しつつデータを集め、自身も完全聖遺物「ネフシュタンの鎧」と融合を果たす。
カ・ディンギルによる月への攻撃「ルナアタック」は離反したクリスの手によって一部しか破壊出来ずに終わり、更にカ・ディンギルも翼の特攻で破壊され、最期の抵抗としてデュランダルとネフシュタンの鎧という二つの完全聖遺物の力でノイズを取り込み、「黙示録の赤き竜」としてエクスドライブモードを発現したシンフォギアを纏った装者達との決戦に挑むも、敗北。最期は月の破片を地上へ落下させようとするが、フィーネとなった自分に最後まで「櫻井了子」として接する立花響の優しさに触れ、「何度も蘇るなら自分がしてきたことを後の世に伝えてほしい」との響の願いを聞き届け、月の破片を破壊を決意する彼女を「櫻井了子」として励まし消滅した。
様々な組織で暗躍し、歴史を超え、更には月の破壊という人類史上最大の環境破壊を成し遂げようとした張本人であるが、その原動力は乙女心と恋心という、女性であれば誰であろうと抱くものであった。
なお、「創造主に近づくために塔を建造した」「それが神の怒りに触れ、世界の言語を引き裂く結果を招いてしまった」など、彼女の辿ってきた道筋からは、ある建造物の名前が連想される。
また、(本来の了子の人格がそうであるかは不明だが)ヌーディストであり、彼女がアジトとしている城では基本的に服を身に付けずに過ごしている。
フィーネの血を引く者達は世界中に存在しており、いずれ「櫻井了子」としての記憶を受け継いだ新たなフィーネが生まれる可能性があった。
一方、当のフィーネはというと、響の願いとは裏腹に、世界を彼女らへと託して、二度と目覚めずに眠り続けるつもりでいた。
しかし、かつて彼女が器として用意していた、「レセプターチルドレン」の1人である月読調が、新たな器として覚醒。
その調がイガリマの絶唱を受けた時、精神を切り裂くダメージを、身代わりに受け止めることになる。
最期に調と言葉を交わしたフィーネは、人類の未来を生きている者達に託し、完全に消滅したのだった。
使用ギア
ネフシュタンの鎧
二年前の起動実験の折に二課から強奪し、クリスに貸し与えていた完全聖遺物。
驚異的な再生能力を有しており、クリスがネフシュタンをパージした際に回収。ネフシュタンの性質を利用しあえて侵食される事でこれと融合を果たし、ネフシュタンの再生能力を人体にも適用させる新霊長を名乗った。
使用技
- ASGARD:ネフシュタンの鎧の蔦状のパーツで陣を組みバリアを張る。バリアを重ねる事で更に防御力を向上させる事も出来る。
ソロモンの杖
アメリカからの裏取引で入手し、クリスの歌で起動した完全聖遺物。
「バビロニアの宝物庫」からノイズを召喚し、72のコマンドを用いてこれを使役する。フィーネ単体でもノイズを召喚する事が出来るが、使役するにはソロモンの杖が必要不可欠となる。
フィーネが振るった完全聖遺物の中で唯一消滅を免れた。
デュランダル
二課本部最奥部に封印されていた完全聖遺物。
カ・ディンギルの動力とされ、黙示録の赤き竜となる為の鍵とされたが、クリスと翼によって奪還される。
黙示録の赤き竜
3つの完全聖遺物であるネフシュタンの鎧・ソロモンの杖・デュランダル、そしてソロモンの杖により召喚した多数のノイズを取り込み、成り果てた異形の姿。
緋色の女・ベイバロンとも称され、「滅びの聖母」の力を宿す。デュランダルによる無尽蔵のエネルギーとネフシュタンによる無限の再生能力を備え、その攻撃力は街一つを壊滅させる程であるが、デュランダルを奪還され、装者達の放った「Synchrogazer」の一撃の下に敗れ去った。
備考
年齢34歳で「出来ると評判の女」という自称はワイルドアームズクロスファイアのラブライナ・ワーズワースの台詞が元ネタであり、特徴的なくしゃみはWA3のマヤ・シュレディンガーのそれが引用元となっている。
使用技のASUGARDの元ネタも、やはりワイルドアームズシリーズに登場するゴーレムアースガルズ。響達が絶唱にて月の破片を破壊する際、その爆発から彼女達を護るように発動しているのを確認出来る。
また、「滅びの聖母」というワードもシリーズではおなじみのフレーズである。
ちなみに、作中で「カ・ディンギル」と検索するとゲームの攻略サイトしか出てこないという旨の台詞があったが、事実戦姫絶唱シンフォギア放送中は検索サイトを用いて「カ・ディンギル」と検索するとワイルドアームズシリーズの攻略サイトばかりヒットしていた。
現在はシンフォギア関連サイト(公式サイトに加え、感想を書いたブログやヴァイスシュヴァルツのカードを紹介するサイトなど)もヒットする。
カ・ディンギル自体はバベルの塔のシュメール語訳であるが、この名を使うのが日本で金子彰史氏くらいであるという事を暗に表しているのかもしれない(続編である戦姫絶唱シンフォギアGに登場する月読調・暁切歌のギアも同様)。