「ライフル」とは本来は発射される弾丸に回転を加え、ジャイロ効果によって弾道を安定させるために銃身や砲身内部に施される螺旋状の溝(腔線)を意味するが、今日は主に旋条溝が掘られた小銃を指す言葉として用いられ、腔線や旋条溝そのものを指す場合は「ライフリング」と呼ばれる。
今日銃砲には殆どライフリングが施されているため「ライフル=小銃」という認識が一般化しているが、散弾銃など滑腔銃身の小銃をライフルと呼ぶのは本来誤用となる。もっとも、散弾銃にも制限があるとはいえ独自にライフリングを施すことは可能である。一方で、拳銃やサブマシンガンにもライフリングが施されているが、小銃ではないので「ライフル」とはあまり呼ばれない。
なお、マスケット銃などライフリングを施していない古い小銃を指して「ライフル」と呼ぶのは明らかに誤用である。ただし、20世紀以降は散弾銃以外の滑腔銃はほぼ絶滅してしまっているため、アサルトライフル、狙撃銃など(散弾銃以外の)現代の小銃は全て「ライフル」と考えて差し支えない。
自動拳銃等の閉鎖機構として多く用いられるショートリコイルは、銃身の「ライフリング」に弾薬が喰い込む際の反作用を利用して薬莢による尾栓閉鎖を解放、排莢・再装填する構造となっている。
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