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ブレスオブザワイルド

ぶれすおぶざわいるど

2017年3月発売のゼルダの伝説シリーズ作品。シリーズ本編作品の第18作目に当たる。正式名称は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。
目次 [非表示]

駆ける、活きる、護る。


果てなき冒険を思いのままに。


概要

2017年3月3日WiiUNintendo Switchで発売されたゼルダの伝説シリーズ本編作品の第18作目。

最初は2015年の発売を目指していたが、納期よりも作品の完成度を最優先にし、シリーズ最高傑作を作り上げたいという思いから2016年、そして2017年へと重ねて延期された。

2017年への延期が発表された際にNintendo Switchとの縦マルチになることが発表された。

そして2017年1月13日、Nintendo Switchのお披露目と同時に発売日がNintendo Switchと同日に決定し、WiiUの任天堂ファイナルタイトルであると同時にNintendo Switchのローンチタイトルの一つにもなった。


シリーズ最高傑作を目指した制作陣の熱意は伊達ではなく、2021年9月末時点で、世界累計2500万本以上という、国内外問わず文字通りゼルダの伝説史上最高の凄まじい売り上げ本数となった。

Nintendo Switch初期の作品ながらも未だに売上上位に位置しており、Nintendo Switchの普及から発展まで大きく貢献したソフトとなっている。

さらに、2017年の年間最多ゲームオブザイヤーを、日本のゲームでは久々にしかも得票数過半数超えという圧倒的多数で受賞し、国産ゲームで史上初めて世界で最も権威ある4大ゲームオブザイヤーを全て制覇という、ゲーム史に残る快挙をなしとげ、国内外のメディアも軒並み絶賛で満点レビューを連発、主要な賞を総なめにし、大きな話題となった。

2021年12月27日に放送された「テレビゲーム総選挙」でも名作堂々の第1位に輝いた。


本作では制作総指揮の青沼氏によって「ゼルダのアタリマエを見直す」というテーマが掲げられ、そのコンセプトのもと、それまでの作品で上手く行かなかった部分を反省し、必然性の無いものは伝統であっても変えるなど、様々な部分で根幹から大きな見直しが行われた。

リンクの容姿に関しても、それまでのシリーズでお馴染みだった緑の服と帽子から、青い服で帽子無しに、平行四辺形の釣り目から丸みを帯びた目へと、長年続いてきた伝統を根底から大きく変える変更がなされた。


担当プロデューサーは青沼英二、ディレクターは藤林秀麿が務める。


シリーズ初のオープンワールドとなっており、ギミックを分かりやすく描くべく、トゥーンレンダリングを採用。

壮大なアートスタイルや自由なゲーム性、それに合わせたピアノを基調とした静かな音楽は「オープンエア(ー)」と表現される。


シリーズおなじみのゴロン族ゾーラ族、他にもリト族ゲルド族コログ族が登場する。


関連作として、2020年11月20日に、コーエーテクモゲームスより、本作の100年前を描いた『ゼルダ無双 厄災の黙示録』が発売されている(ただし、結末は『時のオカリナ』関連作品のようにパラレルワールドへ分岐しており、本作の歴史へは繋がっていない)。


本作の直接の続編となるゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムが2023年5月12日に発売。


ストーリー

ハイラル王国の歴史は太古の昔から幾度もガノンという厄災に見舞われてきた繰り返しの歴史』


『今こそ話そう。100年前、何があったのかを・・・』


大厄災と呼ばれる災害により、ハイラル王国が滅亡してより100年。

リンクは地下遺跡で100年もの永い眠りから目覚め、不思議な声に導かれ、大地へと踏み出す。


登場人物

主要人物

ぶれすおぶざわいるどー

CV:高梨謙吾

本作の主人公。

冒頭の地下遺跡で永い眠りから目覚めたが、一切の記憶がない。

謎の声に導かれ、失った記憶とハイラルの平和を取り戻すべく、野生の大地を駆け巡る。


「ゼルダのアタリマエを見直す」方針の1つとして、メインビジュアルでは過去作の緑の衣装ではなく、青色の「英傑の服」を身に纏っている。

ただし作中では装備として様々な衣服があるほか、特定の条件を満たすことでお馴染みの緑の服も入手できる。


たぬき顔のゼルダ姫さまかわいい

CV:嶋村侑

ゼルダシリーズ恒例のヒロインであり、ハイラル王国の姫君。

聡明で好奇心旺盛だが、とある事情から深いコンプレックスを抱えている。

ガノン復活までは世界に点在する古代遺跡の調査を独自に行っていた。


ゼルダといえばロングスカートがトレードマークであったが、フィールドワーカーという設定が入ったために動きやすい服装が求められたこともあり、シリーズ初のパンツルックゼルダとなった。

ただし正装ではロングスカートを着用している。

因みに今作のゼルダの中の人はスカイウォードソードのゼルダも演じている。

正装姫


rhoam king

CV:中博史

ハイラル王国の国王。ゼルダの父親。本名は「ローム・ボスフォレームス・ハイラル」。

大厄災の日に命を落とす。


ガノン襲来

CV:なし

遠い昔に倒された魔王の怨念。本作のラスボス

物語の百年前に復活し、強大な魔力と分身を用いてガーディアン神獣を乗っ取り、ハイラル王国を壊滅させた。

かつて支配を目論んでいたハイラルを今や滅ぼすことしかできない、自我を持たぬ怨念と成り果てた。


英傑

センシティブな作品

CV:一色まゆ

ゾーラ族の槍使いの英傑。

口数が少ない引っ込み思案な性格の少女で、リンクとは幼馴染。

他のゾーラ族にはない特別な治癒の力を持っている。


リーバル

CV:山口登

リト族の英傑。

リト族の飛行能力と弓を使った空中戦が得意。

リンクのことがどこか気に入らない様子で、ことあるごとに容赦ない毒舌をふるう。


今作のリト族は風のタクトのメドリなどと違い、本物の鳥のような顔つきで、リーバルはその顔つきと自信満々な性格から同じ任天堂作品に登場する某パイロットに似ていると話題になった。


ダルケル

CV:武田幸史

ゴロン族の英傑。

大型かつ最重量の巨岩砕きを片手で軽々と振るう怪力の持ち主。

普段は冷静で温厚だが、戦闘になると勇猛果敢に敵をなぎ倒す一面も持つ。


センシティブな作品

CV:下田レイ

ゲルド族の族長の英傑。

盾と剣による近接戦闘を得意とする。

姉御肌且つ男勝りでぶっきらぼうだが、仲間思いで人望が厚い。


シーカー族


行く先で出会う人々


イーガ団


主な魔物


ゲームシステム

本作は「ゼルダのアタリマエを見直す」べく、従来にはないシステムが多く取り入れられている。


タイトルの通り「サバイバル」が強く打ち出され、それまでにおなじみであった「いかにもゲーム然とした要素」を排除し、極力リアリティある形で野生の中での戦いとサバイバルを表現することに重点が置かれている。リアルな形でのハイラル体験シミュレーションと言っても過言ではないだろう。

攻略上もその場にあるリソースを最大限に活用することが求められる。

そのコンセプトを端的に表しているのが、「草を刈ったり壺を割ってもハートが出てこない」という点。


サバイバル要素

残影

ライフを回復する方法は各所に生えている植物を採取する、樽や箱を壊して入手、野生動物を狩る、魔物の集落から奪う…といった形で食料を獲得することである。


ちなみに壺や箱などを壊した際に出てくるのは、あくまでも食料や矢やお金である。


食料はそのまま食べることもできるが、火を通して回復量を上げたり、複数の素材をフィールド上の鍋に入れて調理し、組み合わせ次第でより高い回復量や特殊効果を得ることも出来る。

材料によっては料理でなく薬が完成することも。


どの素材を組み合わせるかは基本プレイヤーのセンス次第であり、料理の種類や特殊効果、薬の強さ及び持続時間も素材ごとに変遷する。

なお組み合わせに失敗するとエグい見た目の料理に変貌する。


世界

はじまりのだいち

広大なマップをシームレスで移動でき、全ての建物、ハイラル城内部の洞窟や部屋や図書館、武器倉庫、牢屋もロード無しで行き来出来る。


世界の大きさは『スカイウォードソード』や『トワイライトプリンセス』と比べてみてもスケールが全く違う。具体的な広さは『トワイライトプリンセス』の約12倍になるらしい。話によれば、京都をモデルに製作したとのこと。


砂漠・雪原・乾燥・熱帯・火山など様々な気候が存在し、環境も個別に変わる。


例えば——

  • 火山地帯ではそのままだと体が燃えてダメージを負うと共に木製武器が燃え尽きる
  • 雪山を始めとした寒冷地では雪に足を取られて移動速度が落ち、厚着に着替えなければ寒さで体力を奪われ凍死する
  • 平原等では降雨時は滑って崖が登りにくくなり、外では薪に火がつけられない・雷雨時に屋外で金属製の武具を装備していると雷が直撃して大ダメージ・熱帯は雨が降りやすい
  • 砂漠地帯は砂の影響で移動速度が遅くなり、昼間は熱中症でダメージを負うほどの『暑さ』だが、夜になると寒冷地並に急激に気温が下がる

——という具合に、より現実に近い環境となっている。


天候や気温、時間の概念も存在し、現実世界の1分=ゲーム内の1時間として設定され、現実で24分経過するとゲームでは1日が経過したことになる。


それに合わせて村民達や魔物達(主にボコブリンモリブリンリザルフォス)は各個に個別の生活リズムが設定されており、”起きる~活動~寝る”といったサイクルを営んでおり、魔物のAIにも物を投げたり食事で回復したりと、『生きている』と実感出来る姿を見せる。


魔物の攻撃ダメージは『スカイウォードソード』と同様、全体的に相当高めに設定されており、普通にプレイするならハートの器の収集や防具の拡充が必須となる。

それに合わせてか、仕様的には欠片一つがHP1・ハート一つでHP4と扱われている。武器・防具や敵のHPもそれに準拠。


このように前作までのシリーズとは比べ物にならないほど徹底的にリアルに作られているため、ダメージを負う要因も様々であればそのスケールも跳ね上がっている。

前述の環境によるダメージや魔物の攻撃はもちろんだが、オブジェクトである燭台の火、挙げ句は動物からの攻撃ですら思いがけない大ダメージを負うことがある。


水中を泳いでてもがんばりゲージが尽きると風タクのように溺れたりもするし、ハートを増やしてまともな防具を身に着けないと、敵の攻撃も含め普通に即死する場面が滅茶苦茶増えている。

慢心してプレイしていると、そこらにいるボコブリンに2〜3発殴られただけで死ぬなどという事も十分ありうるのである。


2D作品の感覚で崖から滑空せずに飛び降りてショートカットを行なおうとするなんて、とんでもないこと。

今までの作品におけるリンクはどんな高所から落ちてもハート一つ分のダメージで済んでいたが、リアルに考えればそんなことをしたらどうなるかは想像の通り。実際、即死する。


戦闘面

赤と青の戦い

武器は以外にも、電気・炎・氷属性の武器等が存在し、武器種ごとにも性能や見た目が違うモノが複数用意されており、矢を除いた武器だけでも総数は179個にも上る。


武器や盾には耐久度が設定されており、使い続けているといずれ壊れてしまう。ただし、マスターソードのみ耐久値がなくなっても一定時間で回復する他、ストーリーのイベント中限定の武器等は耐久が無限。


今までのマスターソードハイリアの盾のスタイルのような一度手に入れた同じ武装を使い回すことは不可能で、その場で取っ替え引っ替えしながら攻略していく形になる。例外としてリモコンバクダンは無限に使用出来る。


また、武器や盾には稀に特殊効果が一つ付与されていることがあり、これも複数の効果がある。

  • 耐久長持ち:耐久アップ
  • 武器の威力が増加する:攻撃アップ
  • 投げた際の飛距離が伸びる:ロングスロー
  • 弓の引きが早くなる:速射
  • 連弓の同時発射本数が増える:5連弓
  • 防御力が上がる:盾ガードアップ
  • 通常攻撃の最後の一撃のダメージが増加する:フィニッシュブロー

無論、高威力の武器は敵が持つだけで凄まじい脅威となるが、奪えれば心強い戦力になる。

消耗品である矢にも個別の性能が存在する。属性やバクタンがついていたり、中には敵をドロップアイテムごと一撃で消し飛ばす代物も。


なお武器を売っている店は存在しない。盾だけは売っているところがある。

特定の場合を除き、その辺に置いてあったり魔物が持っているモノを奪って使うのが本作の基本スタンス。逆に言えば魔物がそれらの武器を持って向かって来るという事である。


武器は投げる事が出来るが、ダメージが倍増する反面当たった場合確実に壊れるため、壊れかけたり要らない武器を投げ、魔物にダメージを与えつつポーチに空きを作る事も可能である。

マスターソードでは投げられない代わりに体力満タン時にビームを放つことができる。


剣・斧・大剣・槍

最も基本的な近接武器群。

剣以外は両手持ちなので盾と併用できず、武器種によって隙の大きさ・リーチ・ダメージの強弱が異なるため、相手ごとに使い分ける手もある。


攻撃ボタンを長押し、後述のがんばりゲージを消費して伝統の技である回転斬りも出来る。

スティックと併用したクイック回転斬りも健在。たとえば両手持ち装備では周囲にスイングして振り回してから叩きつける回転攻撃、槍系は連続突き、太刀系は居合斬りとなる。


盾に関しては過去作にあった盾アタックは「ガードジャスト(盾パリィ)」として登場しており、攻撃を弾いて隙を作ったり、跳ね返して反撃したり、武器を落とさせることもできる。


攻撃手段以外にも、急な坂や雪上、砂上では盾サーフィンという特殊アクションも追加されている。


弓矢

矢は店で買うなり、宝箱や壺などから入手したり、魔物が落とした物を奪うといった方法で入手する。

弓矢には『ヘッドショット』の概念が存在し、普通に当てるよりも数倍のダメージを与え、吹き飛ばしたり仰け反らせることも出来る他、大ジャンプ中に弓を構えればスローモーション化し、狙い易くなる。ただし、がんばりゲージ(後述)を急速に消費する。


戦術

戦闘は今まで通りヒット&アウェイが主となるが、これまで以上に多彩な戦術が成立するように作られている。

時のオカリナから実装されたロック機能も健在。

相手をロックしている状態で、攻撃を受ける直前に直角に横跳びやバク宙のうち適切な行動で躱すことで「回避ジャスト」となる。成功させると周りの時が止まったかのようなスロー状態になり、連続攻撃(ラッシュ)が可能になる。


更に新要素として『音』の概念が存在し、リンクが立てた音の大きさが波形で表示される。

魔物達は目視以外に音でもプレイヤーを感知するので、これを逆に利用して音を殺して通過したり、静かに近付き不意打ちを仕掛ける…といったステルスプレイも成立する。この不意打ちは成功すると8倍もの大ダメージを与えることが可能。


プレイヤーが意図せずとも、落雷が魔物が持っている・或いは近くにある金属武器に落ちる、他の魔物による攻撃の誤爆、落石や雪玉などの環境やギミック要素で魔物が倒されることもある。


自由度

ハイラル百景

シナリオの攻略順は今までの作品のように《プロローグ→町→山→神殿→ラスボス》のように一本道に定められておらず、順でもなければ強制でもないうえ、どこから攻略しても破綻が無い。


台地でのチュートリアルが終わるといきなり広大な世界に放り出されるため、全てはプレイヤー次第ということになる。


武器集めこそ必要だが、その気になればチュートリアルを終えた初期状態からラスボスに挑んで倒すことも可能である。間違いなくオワタ式になるが不可能では無く、それを前提としたRTAも行われている。


フィールド全体がギミックとして機能しており、序盤で使えるようになるビタロックやマグネキャッチなどを用いて岩や鉄の塊を敵にぶつけたり、遠くから蜂の巣を弓で射落として蜂に敵を襲わせたりという意外なプレイも可能となっている。


戦闘以外でも木を切り倒して谷間に橋を架けたり、その場で火を起こして日を進めるを入手するといった要素もある他、世界の至る所に生成されている“鉱床”をハンマーなどで破壊すれば宝石が手に入り、お金を稼ぐことも出来る。


また、今作は過去作品のような円状の“がんばりゲージ”が存在し、特定の攻撃・走る・登る・滑空・泳ぐ際に消費する。


登ることに関してはおそらくオープンワールドゲーム史上最強。がんばりゲージさえ続いている限りは天井のような垂直以外であれば山の断崖絶壁であろうが家の壁であろうが、ほぼ全ての地形を登ることが可能になっている。もちろん、高所から落下してしまうと只では済まないことを忘れずに。


イベント

センシティブな作品

試練の祠と呼ばれる一口サイズのダンジョンスポットが120ヶ所(+DLC)も存在し、クリアして手に入れたアイテムを女神像に捧げると、リンクの基礎能力を強化するハートのうつわやがんばりのうつわが入手できる。稀に祠チャレンジと呼ばれるクエストをクリアすることで出現することもある。


また、ミニチャレンジと呼ばれる村人などから頼まれるクエストも存在する。


収集要素も健在で、今作では世界各地に隠れたコログ族を探し、「コログのミ」を集める方針になっている。

それをあるキャラに渡すとポーチの枠を増やすことも可能であるため、集めて損はない。こちらは900ヶ所に存在する。



赤い月(ブラッディムーン)

赤い月の夜

敵やフィールドのアイテムを逐一拾っては消費していくという要素に対応したリセットシステム。

不定期に月が赤くなり、ガノンの魔力が世界全域に及ぶほどに増大し、倒した魔物や拾った武器が元の場所に復活するというもの。

プレイヤーが所持しているものに影響はない。


武器の枯渇や魔物の絶滅による冒険の“詰み”などを防ぐ目的で、システム上のキャッシュなどを消去して状況をリセットするという、なくてはならないメタ的な現象ではあるのだが、そこに禍々しい赤い月と魔力を合わせたゼル伝らしい世界観を加えることによって、ゲームシステムを違和感なく実装している。


ちなみにこの現象の最中に料理すると必ず「大成功」になり、通常より効果が倍増する。

稀に絶妙なタイミングで発生することがあり、全滅させた魔物の集落で過ごしていたら復活されて囲まれてしまったり、ライネルを倒した直後に発生して2連戦なんてこともある


その他

本作の最大の特徴の一つは「会話ボイス」の実装である。


個別に用意されたムービーや道中の語りかけ等は全てフルボイスであり、物語を奥深く知ることが出来る。

本編で会話ボイスが加わるのはシリーズ史上初である。

ただしプレイヤーの分身たるリンクに会話ボイスがないのはいつもの事である。


amiibo

本作もamiibo対応。

ゼルダシリーズを始めとした、全てのamiiboに対応している。

リンクやゼルダを始めとした、ゼルダシリーズのアミーボを使えば、食糧などのアイテムの他、貴重な限定武具や、お馴染みのリンクの愛馬が手に入ることも。


また、『トワイライトプリンセスHD』で育てたウルフリンク+ミドナのamiiboを使えば、ウルフリンクが旅のお供として登場する。


余談

物理エンジンには代表的で広く普及している「Havok」を採用している。しかしHavokは時としてキャラが飛び上がってしまうなどHavok神と揶揄されるほど不思議な挙動が話題となることがあり、Havokを使ったゲームはすぐに分かるくらいの粗っぽい動き方をするのだが、ブレスオブザワイルドでは徹底的な魔改造が施されているために、本当にHavokを使っているのか分からない域に達しているのがすごいと言われている。スタッフによると「制作チームがHavok社の人と親密な関係を築いて、現場のエンジニア達が議論して、ゼルダ的なかけ算的に現象が起きていく謎解きの挙動を制御できるように、徹底的に手を入れさせてもらったことが大きい。Havok社の方からも『Havokでここまでやれるのか』と驚きの言葉をもらったほど」だそうである。


さらに制作は「とにかく全員で徹底して遊ぶという事を重視し、4年の間に10回ぐらい開発スタッフ皆でテストプレイする時間を入れた。どんなスタッフでもとにかく全員でやったので、最後の方は300人規模でプレイした。開発当初は1日位で終わってたけど、最後の方は1週間くらい遊ばないと全部見れなかった。大変だけど、皆でプレイして全体像を見渡す事で問題点が見えてきて全員で共有できた。そのことで逆に広い世界を作り込むコストは劇的に下げられたと思う」とのこと。

しかし300人が1週間ただゲームを遊ぶというのは人月単位で計算するととんでもない額であり、さらにそれを何回も繰り返すなどという事ができる会社は世界的にも少なく驚くべき事である。

ドラゴンクエストシリーズの制作に携わった藤澤仁氏も「ドラクエでも1日かけて全員で遊ぶ日を作って意見を募ったりはしたけど、1週間はあまりに長い。そもそも日本のメーカーがなかなかオープンワールドを作れずにいた理由は、北米の企業のように分業のマネジメントをしっかりやるという開発手法にガラリと変えて慣れた手法を棄て去るという割り切りがなかなかできなかったからなのだが、任天堂は300人になっても全員でプレイして日本人らしくみんなで細やかに作り続ける事で、それをあまり苦労せずに乗り越えてしまった印象がある」と語っていた。

そしてそのように制作されたため、広大でありながら普通にプレイしていく分にはバグが皆無と言って良いレベルで非常に少なく、行くことが想定されないような辺境にも何かしらの要素が存在する。発売が二度も延期されたのは決して伊達ではない。


ブレスオブザワイルドの開発では最初にリードプログラマの提案により、2Dの世界に物理法則を乗せて作り込んだプロトタイプを制作して世界全体のシミュレーションをしてから、3Dの開発を始めるという特殊な手法がとられた。

制作を指揮する青沼氏は「最初は全然ピンと来なかったが、実際に作り出してみたら非常に考えやすかった。近場の木を切り倒したらそれが川に浮いて向こう岸への橋になって…みたいなネタの展開がどんどん2Dの画面で生まれた。皆で1ヶ月位そのプロトタイプを稼働させながら研究して、結局、基本の部分は全て2Dゲームの中でシミュレートしてしまった。それを宮本にプレゼンしに行ったところ、宮本は驚きもせず一発でスタッフらの意図を理解して、すぐにGOサインを出した」と語っている。


今作のゼルダ姫は初めてPVで公開された時に眉毛が太いと話題になった。この事について制作陣は「すごく意外で、そんなに話題になるとは思っていなかった。眉毛がいつもより太くなっている理由は表情がつけやすいから。今回のゼルダ姫はかなり感情表現が豊かなのでそこに合ったデザインだと思っている。ゼルダ姫をデザインしたスタッフも彼女にものすごい愛をもっていて、その思いが表情からすごく伝わってくる」と語っていた。


リンクの服装と利き手にについて青沼氏は「冷静になって考えると、『緑の服や帽子が本当にかっこいいの?』という話になりまして。『ブレスオブザワイルド』では、主人公のリンクがいったいどういう姿をしていればうれしいんだろう、というところから見直そうと思った」「左利きも伝統だと言われてましたけど、諸説いろいろあって何が本当なのか僕もいまだに知りません。ただ、『なぜゼルダはこうじゃなきゃいけないのか』という問いかけにハッキリした答えが見つからないのであれば、そこはどんどん変えてもいいと思っているんです。そこで、新作のリンクは帽子をかぶらずに青い服を着て登場し、しかも右利きになっている」と語っている。


ただし、青い服は『風のタクト』で勇者の服を着る前にリンクが着ていた私服をベースにして同じ青色のデザインにしたとの事なので、実は全く新しい服装というわけではない。


また目については、「リンクがいつも力んでいる目をしているのはなんでなんだ。プレイヤーが力んでないときでもリンクは常にキリッと力んでるように見えるのがなんか変」「哀愁を帯びた感じのイメージで。遥か未来なのか、遠い地平の彼方なのか、大切な人を見ているのかっていう、切ない目にしてほしい」と青沼が要望を出したため、変更された。

リンクの初公開となった2014年のE3でのPVの最後に、リンクがアップでガーディアンに向けて矢を撃つシーンがあり、通常そういう魅せカットでは目力を出すのだが青沼からリテイクが入ったので作り直し、そこでようやくOKをもらったそうである。

このPVではリンクの青い服を着た姿も衝撃的で、ファンの間では衣装にゲルドの模様が入っているなど考察も加速した。


ゼルダ姫も過去作ではキリッとした目のものが多かったが、リンクに合わせて丸い形に変更された。

また、今回の世界ではいつものピンク色の服を着ているゼルダ姫のイメージも合わなかったため、神々のトライフォースの時に私服で着ていた青い服をベースにデザインされたものに変更された。この変更はリンクの服が青と決まった後の話だったが、たまたま二人に共通項ができたため、王室のロイヤルブルーという設定にしたところ、色々な部分がつながっていったそうである。

ただ、「流石にクリアの概念までは崩せなかった。やっぱり『ゼルダの伝説』だからゼルダ姫もいなきゃいけないし、そこに最後は繋がっていく物語だからというのはあった。広い世界との親和性という点ではランダムアクセスでも上手くストーリーを楽しめるように仕組みを作った」とのこと。


そのストーリーについては、「どこからでも遊べるオープンワールドと、シナリオ順に見せていくストーリーの相性は悪いため、どんな仕組みだったらどこから見てもわかるメインシナリオになるのかを模索した。その結果、過去を知るという話にして、断片的にして散らす事にした。最初はガノンを倒す話とマスターソードを探す話と過去を知る話の3本柱にする予定だったが、マスターソードの話はどのタイミングで抜きに行くのか分からないのがネックになったので大きなイベントの1つにして、メインの話は2つに絞った。過去を知る話はもともと別のアイデアとして写真を見ながらその場所を特定するという遊びを考えていたのを融合させた。しかし断片的に物語を散らすことでクライマックスから見てしまう場合もあるので、一番分かりにくい所や行きにくい所に重要なものを配置するようにした」とのこと。


アタリマエを見直した事については以下のように語られた。

  • 「このゲームは自分で工夫して発見していく喜びを味わうゲームにしたかったので、これまで最初はできない事が多くアイテムを順番に取らせてユーザーが本当に欲しい便利な武器は後半に置くとやってきたのを廃止して、序盤でいきなり全部のアイテムが手に入って最初から何でもできるようにした。でも宮本は昔から『フックショットなんて、こんな楽しいモノをどうして早く手に入れさせてあげないの?』と言っていて、それをスタッフが議論して止めてきたのだが、真にユーザーに自由を与えるならむしろその方が正しくなると思い直した」
  • 「敵を倒してルピーを手に入れるのはそもそも意味あるのか。例えばこれまでの作品では、矢を買わずに来た人間がダンジョンの途中で引き返すのはあまりに可哀相でどうしても矢を置いてしまうので、矢を買う必要性を感じず、ルピーの使い道は行き詰まっていた。だから今回はルピーを入手することの目的もしっかりさせている」
  • 「ビンって何よ?というのも検討して、無くした。確かに今まではありがたいアイテムだったけれど、ビンがないとアイテム持てないというのは、今作のような作り方になるともう意味が分からなくなってしまう。また、ビンを探さなきゃいけないとなるとまた別の目的も出てしまってバランスが悪くなる」

これまでのシリーズのタイトルはアイテムや人物を指す言葉であったが、本作では広大な自然を舞台にした世界観そのものを指すタイトルになっている。


自然を「Nature」ではなく「Wild」と表現した理由については青沼氏から「自然を散歩するのではなく、野生の地を冒険していくゲームだから」「今回のゼルダはサバイバル感を強く打ち出していることから、Wildという表現の方が適切である」と語られている。


アイテムやフィールド上ではシーカー族の紋章が多く見られたり、朽ち果てた時の神殿や牧場等、過去作との繋がりを強く感じさせられる。

ちなみに、時の神殿付近のBGMは聴き取りづらいが『時の歌』である。4倍速で聴けば、所々音抜けしているが聴こえる。


上記の通り本作と続編は相次ぐ発売延期を繰り返す事になったが、2012年以降任天堂の経営方針転換の都合によりマリオやカービィ、ポケモンシリーズなど有名シリーズタイトル作品は通年通し販売や配信を行うようになったがゼルダも例外ではなく延期を穴埋める形でゼルダ無双シリーズや過去作のリメイク、HD移植などをブレワイが発売するまでの「繋ぎ」として展開することになった。この為結果的にムジュラの仮面からスカイウォードソードまで本編シリーズの移植及びリメイクを出し尽くしたという凄まじい状況と化している。


任天堂社長であった岩田聡氏は、このゲームにエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされている。完成を待たずして逝去したため、本作は岩田社長の遺作となっている。


ゲスト出演

マリオカート8デラックス』の2018年7月20日のアップデートでは、本作から英傑の服のリンクも追加。追加後は『ブレスオブザワイルド』版リンクがデフォルトに変更され、旧来の『スカイウォードソード』版がカラーバリエーション扱いになる。

合わせてマスターバイク零式、英傑の服を模した古代のタイヤ、同じくブレワイに登場したパラセールも同時配信された。

各作品のリンクが基本的に別人であることを踏まえてか、CPUキャラとしては2人がそれぞれ別々に登場する。ただし声はどちらも共通で『スカイウォードソード』版のまま。


大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では、本作から「英傑の服」を着たリンクが参戦。シークも本作に登場した服やアイテムを使っている。ステージには本作の序盤に立ち寄る「始まりの塔」が登場。

尚、シークは『ブレスオブザワイルド』には登場しない(そもそもゼルダがそんな状況では無い)。その為、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のシークは原作では再現不可能の完全オリジナルであるお前一体何者なんだ。


関連動画


  • 追加DLC 一弾+二弾(エキスパンションパス)


関連タグ

カテゴリタグ
ゼルダの伝説シリーズ
ハードニンテンドーSWITCH/WiiU
モンスターボコブリン/モリブリン/ライネル/ヒノックス/リザルフォス/スタルフォス/イーガ団/イワロック/ガーディアン/キース/チュチュ/モルドラジーク/カースガノン/厄災ガノン
ダンジョン試練の祠/神獣/剣の試練/ハイラル城
ハイリア人リンク/ゼルダ/ハイラル王
英傑ダルケル/ミファー/ウルボザ/リーバル
シーカー族インパ/パーヤ/プルア/ロベリー
ゴロン族ユン坊
ゾーラ族シド
ゲルド族ルージュ
リト族カッシーワ/テバ
コログ族ボックリン
精霊・神デクの樹/オルドラ/ネルドラ/フロドラ/マーロン/山のヌシ
その他キャラクターコッコ/キルトン/テリー/オコバ
アイテムタバンタ小麦/ハイラル米/ハイラルダケ/マスターソード/ハイリアの盾/息吹の勇者装備/英傑の服/クライム装備/古代兵装/近衛兵の装備/忍び装備/ゾーラ装備/耐火装備/熱砂装備/ハイリア装備/ハイリア兵の装備/蛮族装備/ラバー装備/リト装備/一撃の剣/マスターバイク零式
その他

外部リンク

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