基礎データ
全身が固い鎧で覆われた鳥ポケモン。
見た目は重そうだが、骨の中は空洞になっており、飛行速度は驚異の時速300キロ。
左右の翼は刀の切れ味を持ち、スピードを生かして切り裂く戦法をとる。昔の人は抜け落ちた羽を刀や包丁等に加工していた。
茨の中に巣を作り、ヒナは茨のトゲで傷つきながら鋼の身体を得る。
鋼の身体は頑丈だが錆びやすい為、雨が降る日は巣穴でじっとしている。
後に登場した同タイプのアーマーガアとは激しい縄張り争いを繰り広げているらしい。
モチーフはギリシャ神話に登場する体の一部が青銅の怪鳥・スチュパリデスなど様々な説があるが、確証には至っていない。また、仏教の経典「正法念処経」の地獄には鋼鉄の嘴を持つカラスや猛禽(金剛嘴鳥)が生息している。
概要
ポケットモンスター金・銀(第2世代)に初登場した。
第2世代では出現は銀のみで、金に登場するマンタインとは対だった。
名前の由来はair(英:空気)+armed(英:武装した様)と思われる。
開発時はヨロイドリという安直な名前だったが、その後分類として採用された。
英名はSkarmoryで「Sky(空)+Armory(武装)」、ドイツ語名はPanzaeron (Panzer(戦車)+aero(英語:航空)から?)という名前になっている。ドイツ語のPanzerは装甲を意味する為、両言語とも「空飛ぶ装甲」、つまり、戦闘機を意識したネーミングになっている。
ステータス
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
65 | 80 | 140 | 40 | 70 | 70 |
珍しい「はがね/ひこう」タイプの持ち主で、「ぼうぎょ」が高い反面「とくぼう」は低い。
ドラゴン半減じめん無効でガブリアスのメインウェポンを捌き切れる数少ないポケモン。
「はがねのつばさ」は自力で習得可能。物理攻撃力も中々高い上、タマゴ技も「ドリルくちばし」「ゴッドバード」「ブレイブバード」と良いのが揃っている(ドリルくちばし及びブレイブバードは、『ソード・シールド』ではレベルアップで覚える)。他にも「スピードスター」「こうそくいどう」「エアスラッシュ」など見た目重視のわざを覚える。
エアームドを使った対人戦法は結構メジャーで、一匹のエアームドへの対策を怠ったが為にパーティ複数体に損害を被る事もある。難攻不落ではなくとも、かなり硬い上にきっちり反撃するポケモンである事は念頭に置いた上で戦術を練った方がいい。
金・銀のドット絵は公式絵と比較すると色使いが違う、尻尾が2本ある等、差異が多い。クリスタル版では公式絵に準拠したデザインに修正された。
第3世代までは前述の防御の高さに加え物理の弱点がなかった為、物理主体のポケモンにとっては驚異だが、逆にエアームドほど物理に対し圧倒できるポケモンが存在せずエアームドが使われすぎたので、物理アタッカーにエアームド対策に「だいもんじ(かみなり)」を覚えさせるトレーナーが急増。
以降、物理アタッカーの技構成に大抵「だいもんじ(かみなり)」が入るきっかけを作ってしまった。
この役割破壊「だいもんじ」は、以降の世代で登場するふゆうドータクン、ナットレイへの対策としても使われていくこととなる。
第4世代では、前述のドータクンに加え、より格闘タイプを受けるのに向いたグライオンなどのライバルが登場したが、この時から強力になったドラゴンタイプを半減できるはがねタイプであり、加えて回復技「はねやすめ」を覚えるので耐久型タイプはまだまだ現役。ちなみに、「はねやすめ」を使うと弱点が増えるという意味では珍しいかもしれない。
とはいえ肝心なでんきがばつぐんでなくなるという意味で厄介なことに変わりないのだが。
第5世代では、接触技を使用してきた相手にダメージを与えるゴツゴツメットの登場により、相手を受けつつ倒す速度を早められるようになった。
一時期対戦界からは退くものの、「ラキグラムドー」という名の金銀以来の受けループ戦術が復活し、対策必須の戦術として組み込まれるようになり、「バンギムドー」などの派生の組み合わせも生まれる事となった。
なお、この頃付け加わった夢特性はくだけるよろい。がんじょうに比べ、特殊技に対する安定感は減るが、うまく接触技にあわせられるとそこから3タテも夢ではない。
第7世代ではテッカグヤの登場により、ついにはがね/ひこうがエアームドの固有タイプではなくなることに。
そのテッカグヤが高種族値かつ技も豊富ということで、肩身はやや…というよりかなり狭くなったといえる。
あちらは突出した能力のないバランスタイプなので、物理耐久という点では圧倒的にこちらに分があるように思えるが、実際にはHPの関係上大差ないのも辛いところである。
といってもはねやすめなどをはじめエアームドにしか使えない有用な技も多く、単純な上位下位
の関係にはなっていない。
しかし、強力なライバルの出現の代償…というわけではないが、隠れ特性のくだけるよろいが素早さ1段階up→2段階upに上方修正という嬉しい強化が入った。
第8世代では剣盾内定漏れのため一時期姿を消すことに。
後に「鎧の孤島」追加時に復帰したが、同タイプの新ポケモンアーマーガアが気がかり。一応こちらはステルスロックやふきとばしを覚え、がんじょうによる行動保障や事故防止があるので差別化は可能。
多くのポケモンと同様どくどくが没収されてしまったが新たにボディプレスとすなじごくを習得し、アーマーガアとは異なる方向性に向かった強化を遂げた。
…ここまで種族値のインフレ、固有タイプによるアイデンティティの没収などの波に飲まれながらも登場以降全世代、何だかんだ対戦で活躍できているあたり、「はがね/ひこう」というタイプの優秀さと、465という低種族値ながらも無駄のない洗練された配分が窺える。
使用トレーナー
ゲーム版
- ハヤト:ジムリーダー(ジョウト)
- ミカン:ジムリーダー(ジョウト)
- ダイゴ:ポケモンリーグチャンピオン
- ナギ:ジムリーダー(ホウエン)
- トウガン:ジムリーダー(シンオウ)
- バク:ポケモントレーナー
- フウロ:ジムリーダー(イッシュ)
- マーレイン:ポケモントレーナー/四天王(アローラ)
- カヒリ:四天王(アローラ)
- ヘルゴンザ:スナッチ団ボス
- エリダ:ポケモンレンジャー(フィオレ)※1
※1:厳密には手持ちポケモンではなく、パートナーポケモン。
アニメ版
漫画版
- ハヤト(ポケスペ)
- ハヤテ(ポケスペ)
- ナギ(ポケスペ)
- カヒリ(ポケスペ)
ヘビーボールエアームド
ところで…ポケモンXYでは仕様変更により孵化厳選したポケモンは♀の親の方が入っているマスターボールとプレシャスボールを除く全てのボールの種類を引き継ぐという要素が追加されている。
そんな過去作限定のボールの中でもガンテツボールの一種ヘビーボール(体重が300kg以上のポケモンが捕獲しやすくなる)は他のボールとは一線を画したその無骨で重々しいデザインからバンギラスやドサイドンなどの鎧を身に纏った岩やはがねタイプとの相性がよくプレイヤーからの人気が高い。もちろんそれはエアームドも例外ではなく、ヘビーボールで厳選しようと試みる廃人も多いのだが…
実は過去作にて指定ボールでポケモンを捕獲するうえで、非常に難易度の高い組み合わせがこのエアームド+ヘビーボールだったりする。
このボール、ただでさえ癖が強いといわれるガンテツボールの中でも特に捻くれた仕様を持っており、体重が100kg以下のポケモンに使うと被捕獲率が-20されてしまう。
一定条件下で被捕獲率を上げるボールはたくさんあるが、一定条件下で被捕獲率が下がるという例はきわめて稀である。
エアームドは図鑑説明でも言われているように、鎧の中身が空洞という設定から見た目の割に体重は50kg程度しかなく、しかも素の被捕獲率も25と非常に捕まり辛い部類に入る。
つまりこのボールで捕獲を狙うと被捕獲率をたったの5(HGSSならグラカイにモンスターボールを投げるのと同等の数字)まで下げるというマゾい行為を強いられる事になり、相当の根気が必要となる。
第7世代の環境では、体重が2倍になる特性「ヘヴィメタル」を持つドータクンにスキルスワップを覚えさせて使用すれば、エアームドの体重が100kgを越える。
これによりヘビーボールのマイナス補正がかからなくなり捕獲が幾分か楽になる……
のだが、肝心のヘビーボールが1個(グローバルアトラクションに参加していればもう1個)しか手に入らない。
そもそも被捕獲上昇補正がないボールで被捕獲率25のポケモンを捕まえるのも一苦労であり、さらに言えばヘヴィメタルスキルスワップドータクンを手に入れるのにも手間がかかってしまう。
結局のところ捕獲が楽になったとは言い難いのが現状である。
身も蓋もないことを言うが、特にこだわりが無ければ、やはりGTSで持っている人から交換してもらうのがベストだろう。
第8世代では野生は勿論、マックスレイドバトルでも捕獲可能。そして後者はソロプレイもしくはホスト側なら、どんなボールを使っても100%捕獲可能。
この仕様でエアームド+ヘビーボールでの入手はかなり楽になった。
これは後に登場したダイマックスアドベンチャーでも同様。最もランダム故狙うのは難しい。
外伝作品における活躍
ポケモン不思議のダンジョン
『赤・青の救助隊』で、ストーリーのボスポケモンとして登場している。
自然災害で地震が頻発しているのをディグダの仕業と思い込み、「ハガネ山」にディグダを1匹攫って崖に囲まれた高所に閉じ込めた。ストーリー初のボスである上に「~ザマス」口調で喋るため印象に残りやすい。
特別アニメ『出動!ポケモン救助隊ガンバルズ!』でも作品のボスポケモンとしてザマス口調そのままに登場。災害の影響なのか目が赤く好戦的になっており、ピカチュウとピチューの兄弟を攫って「怪しい洞窟」の上の岩山に拘束した。彼らを救助に来た主人公達を空中戦で苦しめる。倒された後はおとなしそうな性格に戻り、戦っていた時の記憶を覚えていなかった。
CVはならはしみき。
ポケモンGO
第2世代のポケモンとして、2017年2月に実装された。
扱いとしてはかなりレアな部類に入り、街中を探してみてもなかなか出会えない。
ただ、リサーチの報酬になっていたり、特定のイベントの際に出現率がアップしたりといった措置が取られているので、その時に狙ってみるのがいいだろう。
性能はというと、原作同様、防御は固いがそれ以外は並といったところで、最大CPもそれほど高くないことから、当初はコレクション用としてしか見られていなかった。
しかし、2018年にトレーナーバトルが解禁されると、防御の高さ故に非常にタフであることをはじめ、弱点がほのおとでんきの2つのみしかないという耐性の豊富さや、比較的扱いやすいひこう・はがね技を取りそろえていることから評価が一変、CP1500以下のポケモンのみが出場可能な「スーパーリーグ」において優れた活躍を見せるようになった。同ランクで猛威を振るっているマリルリへの対策に使えるという点でも評価が高い。反面、自身と同じはがねタイプが来ると弱い。特にひこう技を半分にする上防御が異常なまでに高いトリデプスや一方的に等倍で与えてくるガラルマッギョにはほぼ何もできなくなる。
有利不利が極端なため、控えにみず、くさ、かくとう、じめん等がいれば無難。
GOロケット団のしたっぱもたまにシャドウエアームドをドロップすることがある。
アニメ版
- ミキのエアームド
- 無印152話にて峠の橋で炎ポケモントレーナーとバトルを申し込んでくるミキのポケモンで登場。苦手の炎タイプのポケモンとバトルして鍛えており、「はがねのつばさ」と素早い動きでタケシのロコンとやる気が出るのが遅かったサトシのヒノアラシを圧倒している。また、ロケット団の妨害された際には自力で脱出した。翌日特訓でやる気の炎がコントロールできるようになったヒノアラシと再戦。「はがねのつばさ」と素早い動きの上「かえんほうしゃ」を浴びてもびくともしない体力を見せるが、徐々に消耗し隙を見せてしまった事で敗北した。
- ジュンのエアームド
- DP184話から登場。シンジのブーバーンの「かえんほうしゃ」に敗れるが、ポケモンを交代する度にダメージを与える「まきびし」を事前に繰り出しており、シンジのポケモンに後にダメージを食らわすことには成功した。
その他
- AG162話ではヤンキー風のコーディネーターのポケモンで登場。
- DP118話では空を飛ぶポケモン達がリングを奪い合う競技・ポケリンガに参加しているテツオの手持ちで登場。
- 新無印20話ではロケット・ガチャットから排出されたポケモンでムサシが使用している。
AG | 58話・71話・73話 |
---|---|
DP | 10話 |
BW | 144話 |
XY | 35話・77話・99・100話 |
SM | 129話 |
新無印 | 133話・136話 |
短編 | ピカピカ星空キャンプ |
劇場版 | 波導の勇者 |
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
3章ではハヤトと父のハヤテのポケモンで登場し、どちらも空中戦を得意としている。4章ではナギの手持ち、14章ではカヒリの手持ちが登場する。
関連イラスト
関連タグ
0226.マンタイン→0227.エアームド→0228.デルビル
同複合タイプ
アーマーガア:激しく縄張り争いする