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センシティブな作品

さなコン3

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さなこんさん

公式企画「第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」への参加の際に必要となるタグ。

イベント概要

『第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト』とは、2023年4月28日(木)より始まったpixiv公式企画である。

応募期間

2023年4月28日(金)〜2023年6月4日(日) 23:59

企画概要

▼企画目録

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19770932

  • 「第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」開催

    4月28日(金)より、「第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」略して「さなコン3」を開催します。 本コンテストでは、さまざまな非日常をテーマとした作品を募集します。スコシフシギ、スバラシクフシギ、SFマインドやファンタジー感に溢れた新しい世界を見せてくれる作品をお待ちしております。 今回のテーマは「共通書き出し」。 日本SF作家クラブが提案する下記の文章を書き出しの文として、自由に執筆し10,000文字以内の短編小説にしてください。 --------------------------------------- 「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。 --------------------------------------- 一次選考を通過した全作品に対して、選考を担当した日本SF作家クラブ会員からのフィードバックコメントが贈られます。 ▼特別審査員 ・池澤春菜先生 『SFのSは、ステキのS +』『火守(劉慈欣著 池澤春菜訳)』 「第一回:下読み(実は投稿もした)、第二回:二次選考審査員、そして第三回はついに特別審査員に!! 手ぐすね引いて、力作をお待ちしております。」 ▼最終選考審査員 ・十三不塔先生 第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞『ヴィンダウス・エンジン』『絶笑世界』 「ちいさなSFコンテストだからこそ、おおきな物語を詰め込んで、気後れなしに突拍子もないアイデアを披露してください。心揺さぶられる作品をお待ちしております。」 ・茜灯里先生 『馬疫』 コラム『サイエンス・ナビゲーター』 「どんな作品を書いても「カテゴリーエラー」なんて言われない日本一懐の広い小説コンテストです。作者も審査員も思いっきり楽しみましょう。」 ・ SOW先生 『剣と魔法の税金対策』『機動戦士ガンダムSEED エクリプス(原作)』 『戦うパン屋と機械じかけの看板娘』 「"あと"三回と考えるか、"まだ"三回と考えるか、これだけで物語は生まれます。  もしかして"また"三回!?でもいいかもしれませんね。楽しみにしております。」 ▼二次選考審査員 後日発表いたします。 ▼日本SF作家クラブとは 1963年発足。日本SF大賞の企画・運営などを通し、日本のSFおよびファンタジー分野に関する文化・芸術の振興を目的として活動する団体です。 日本SF作家クラブ公式FANBOX(https://sfwj.fanbox.cc/)にて、本コンテストの様子も紹介予定です。 【応募期間】 2023年4月28日(金)〜2023年6月4日(日) 23:59 【受賞賞品】 ■日本SF作家クラブ賞 1名 賞品: 日本SF作家クラブ特別ノベルティ(非売品) 日本SF作家クラブによる講評 さなコン3小冊子に作品を収録 ■特別審査員賞 1名 賞品: 池澤春菜先生サイン入り書籍 池澤春菜先生による講評 さなコン3小冊子に作品を収録 ■審査員賞 若干名 審査員の先生方が注目した作品を選出します。 賞品: 作品を選出した先生による講評 さなコン3小冊子に作品を収録 さなコン3の受賞作と講評、さなコン運営レポートを収録した小冊子を後日発行予定です。 【テーマ】 共通の書き出しから発展したオリジナル小説を募集します。表現内容、細かい設定などは問いません。 下記の文章を作品の最初の一文とした1万文字以内の小説を執筆してください。この文章は改変せず、そのまま作中で使用してください。 ---------------- 「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。 ---------------- 【投稿形式】 ・参加タグ:さなコン3 ・形式:小説 ・文字数:10,000文字以内(pixivの投稿画面・作品画面上の表示を基準とします。シリーズ形式で投稿する場合、シリーズ全体で10,000文字以内としてください) ・投稿数:1点以上、複数作品の投稿可能(ただし、同じ作品を複数投稿することはできません) ・表現内容:オリジナル作品 ・年齢制限:全年齢 ・pixivでの公開範囲:全体に公開 ・作品の言語:日本語 ※シリーズのあらすじ、もしくは作品のキャプションのどちらかに結末までの概要が分かるあらすじを記載してください。あらすじの分かりやすさも選考の対象となります。 ※一シリーズの中の一部作品で参加することはできません。シリーズの一話目に参加タグをつけてシリーズ全体で参加するか、シリーズに所属していない読み切り作品で参加してください。 ※シリーズ形式での作品を投稿する場合、最初の作品の冒頭にテーマの一文を使用してください。 ※未完結の作品もご応募いただけます。未完結の場合、「未完結」タグを設定してください。 ※応募作品は、未発表のもの、オリジナルのもの、ご自身に著作権があるものに限らせていただきます。 ※参加作品は応募期間終了から選考結果発表まで更新・修正・削除・非公開化・シリーズ情報の更新・シリーズへの作品追加などを行わないでください。また、受賞作品については選考結果発表後も削除・非公開化などを行わないでください。 ※参加タグ「さなコン3」を追加した時点で応募と見なされ、応募期間中であっても審査される場合があります。応募期間中に誤字脱字の修正や改稿を行いたい場合は、作品が完成してから「さなコン3」のタグを追加してください。 ※本投稿企画の応募期間中、「さなコン3」開催記念表紙テンプレートが使用できますが、このテンプレートを使用していなくても審査には影響がありません。 詳細は、コンテストページの応募要項をご確認ください。 みなさまからのご応募お待ちしております。 ◆コンテストページ:https://www.pixiv.net/novel/contest/sanacon3 ◆日本SF作家クラブ公式FANBOX:https://sfwj.fanbox.cc/ ◆pixiv小説編集部Twitter:https://twitter.com/pixiv_shosetsu
  • ▼応募作品一覧ページ

    https://www.pixiv.net/novel/contest/sanacon3

    ▼関連サイト

    ・日本SF作家クラブ公式FANBOX:https://sfwj.fanbox.cc/

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    • ブッダマシーンとハネムーン

      故人の走馬灯を録音できる機械「ブッダマシーン」の録音カートリッジは既に残り3つになっていた。故人・片桐ユウナの両親はその録音がなかなかうまく行えず、葬儀会社から派遣されたコンシェルジュAI搭載の録音補助ロボットにも苛立ったような態度で接する。故人を偲ぶ機械「ブッダマシーン」は、今や宇宙に拡散していく人々の最期に必須のものとなっていた。  故人の走馬灯から最も幸福だった時の記憶を引き出すには、故人と親しかった人でなければならない。病室に遅れてやってきたのは故人の妹・レイナと、片桐家の運営する会社の若手男性社員・峰トシヤであった。闘病を苦として月面コロニーからこの地球に逃げ出したユウナにハワイ旅行に付き添い、終末医療に付き添った二人はこれから遊びに行くと言わんばかりの格好で、ユウナの死に水を取る。そして彼らの呼びかけに答えるように聞こえだすユウナの幸福な記憶は、駆け落ち同然で地球にやってきた彼女に寄り添い続けた2人への性愛も含む愛情の証明であった。  ユウナの伴侶たるレイナとトシヤは録音の成功したブッダマシーンを抱え、生前の約束のためにハワイへ向かう。
    • シークレットミッション

       小学生の女の子の勇ましいSF調空想トリップは、父親の仕事の愚痴の影響で一般社会の悲哀が織り交ざる。一人称が俺なのも多分に父親の影響である。ハイテンションでクレーンゲームに臨む彼女の脳内で繰り広げられた救出任務は、空想か、現実か。任務が終わりゲームコーナーの喧騒に戻ってきたとき、その境界が曖昧になっていることに少女は気付く。  一回百円。五百円玉を投入すると一回おまけがつくため、すでに三回チャレンジして残り三回という状況。残回数「03」の表示を見た途端、少女の脳内でチャンスは残り三回を報せるアナウンスが鳴り響き、スリル満点の、景品を救出対象に見立てた任務が開始される。  敏腕助っ人(=ゲームコーナーの店員さん)の高性能アーム(=店員さんの生の腕)の力を借りることは叶わなかったが、救出対象の位置調整に成功する。勝利を見据えた少女の作戦だった。そしていよいよ迎えるラストチャンス、景品ゲットにむけてスリルは高まる一方だ。興奮マックスの少女は周囲を顧みない大仰な動作でクレーンのアームを操作する。  結局作戦は失敗に終わり、母親の呼び掛けを合図に少女の旅は終了してゲームコーナーの喧騒の只中に帰還する。ところが、彼女が空想の中で生み出した架空の肩書きが、現実の世界で声高に叫ばれる。少女は恥ずかしさと混乱で下を向いて歩くしかなかった。そして、どうしても欲しかったぬいぐるみ。最後に一目見ようとクレーンゲームを振り返ると、そいつは秘密のウインクを見せるのだった。
    • まずは笑ってもらおうか。すべてはそれからだ。

       百合漫才師『ひなみぽん』の美帆と陽菜はまったく売れていなかった。下北沢で公演したあと、つい演技中に自分のネタで笑う陽菜へ美帆は怒り出す。ヤケになって酒を飲み、路上で「売れたい」と駄々をこねる美帆を、陽菜は自分の家へと連れていく。そこは六畳一間のボロアパートだった。陽菜になだめられて美帆は寝かしつけられる。  朝、美帆が起きてトイレへ行くと、そこには広大な草原が広がっていた。陽菜はこの世界の人ではないと告げる。この草原がある世界からやってきたと告白する。それを聞いた美帆がトイレの中に入り、つい扉を閉めたら、扉自体が消えてしまった。 草原の世界に閉じ込められるふたり。不思議な生き物に出会う。家に連れてかれると、泣蟲というずっと泣いている生き物や、滅びを待っているという生き物が身を寄せ合っていた。重い空気に耐えかね、美帆が漫才で笑わせようとしてみたけれど、誰も笑わない。そこにひとりの笑い声が響く。その声の主、想鐘理乃という少年は、時空間を渡る次元渡航者だと名乗る。元の世界へ帰りたいと願うが、不可能だと言われてしまう。美帆は逆に客がたくさんいるなら、自分たちがウケる世界があるかもしれないと思い立つ。泣蟲をくすぐることで、次の世界へと旅立つ3人だった。 未来の月面都市、そこは次元渡航者から技術を奪って発展していた。カーチェイスの果て、現地の治安組織に取り込まれる。ダブルボケで光速に達して逃げようとする陽菜。美帆がそれに付き合うけれど、一向にそうはならない。それを見て理乃だけが笑っていた。泣蟲がそこへ引き寄せられるようにして大勢飛び込み、3人は次の世界へ向かった。  空襲を受けている大阪心斎橋。地下鉄のホームには幼い陽菜がいた。助けようと美帆が電車に乗せるが、幼い陽菜は「またお姉ちゃんに会えたほうがええわ。笑かしてくれるもん」と言って降りてしまう。大人の陽菜が泣蟲を渡すと、幼い陽菜は別の世界へと旅立った。陽菜は、時空間が変わっても美帆が好きなのは変わらないと、不思議がる理乃に言い張る。  それから地球を、宇宙を、次元を渡り、陽菜と美帆がウケる世界を探したけれど見つからなかった。最後はすべての世界の終焉までたどり着く。美帆は探していた観客が理乃や陽菜であったことを認め、最後の漫才をする。暗黒の空間をツッコミをいれると、空間がひび割れ、それがビッグバンとなった。  新しい世界で赤ちゃんに生まれ変わる美帆と陽菜。それを見てみんなが笑っていた。
    • 二級地での一日

      汚染された二級地に住むことを余儀なくされている市民の藤井。日々一級地への居住権を取得するために懸命に労働に励んでおり、今年は三回の抽選権を取得することに成功した。 その三回の抽選権に賭けるも結果は無情にも全て外れとなってしまい、恋人が行ってしまった一級地への道は来年まで断たれてしまう。もしかしたら今後も永遠に一級地へたどり着くことはできないのでは、と思いながら眠りにつく。
    • 「チャ」「ン」「ス」は残り三回

      「チャンスは残り三回です」どこか楽し気に声は告げる。 「まだチャンスが残ってるのかよ……」思わず髪をかきむしって舌打ちする英二。  2000年代後半。片手サイズのデバイスが普及したことにより人々の生活は劇的に様変わりしていた。子供から老人まで、老若男女問わずデバイスを使って生活の何もかもを済ませる社会となり、それに伴い小さなデバイスの重要度も増加していた。 生活に必須の情報が詰まったデバイスは悪質な犯罪にも巻き込まれ、犯罪防止策としてパスワードも複雑な文字列を強制されることとなっていたのだった。  英二はつい数日前にデバイスを新調したばかり。初期設定である非常に面倒なパスワード設定に頭を抱え、再び古びた紙の辞書をめくり始める。
    • デスサピエンス回顧

       二十一世紀初頭、人類が、生き死にをかけて極限的なゲームを行い勝敗を決するいわゆる「デスゲーム」ものの作品を愛好する中、一つの情報生命体が意識と知性に目覚めようとしていた。創作物やあるいは現実に行われたデスゲームを構成する人間と機材、建築物などの要素全てによって構成され成立する意識体、「デスゲーム生命」である。彼らは人類のデスゲームブームの中で発生し、デスゲームの増加と共に細々と繁殖する。しかし人類はある時、非常に単純ながら人間という種にとって麻薬的な面白さを持つ「三回チャンス系ゲーム」を開発してしまう。  三幕構成、序破急、三段論法、正反合……人類の意識の核には「三回」というリズムを重視する性向があり、そのため「三回チャンス系ゲーム」は大流行する。これは、デスゲーム生命にとっては己の精神構造をなす基盤たるゲームが単純極まりない構造に置き換えられるという、生存の危機を意味していた。更に流行したゲームは参加者を多く消費するため、人類という資源、食料を多大に消費され、デスゲーム生命は大規模絶滅に瀕することとなる。  しかしこの危機が逆に、大きな淘汰と共にデスゲ生命を大きく変異させ、ゲーム自体がゲーム参加者を生み出すデス農耕文明や、より面白いゲームを生むためのゲーム、ゲーム同士が交流し進歩するためのゲームなどが相次いで生まれ、デスゲーム生命は人類における新石器革命や農業革命や産業革命のような革命的変化を成し遂げ、黄金時代を迎える。  工業化が進み文明が進歩し人類が太陽系全体に進出し、ゲームも大規模になっていく。そんな中で、人類はデスゲ生命以前から存在する「戦争」というゲームを再発見してしまう。既にデスゲームの虜になっていた人類は太陽系全体をゲーム的に戦争の場として悲惨な犠牲を出す。デスゲーム生命の中の一人はそんな状況を止めようと、毒を毒で制すべく、太古に封印された「三回チャンス系ゲーム」の楽しさで戦争を制圧しようとする。が、人類は三回チャンスを取り入れた、より楽しい戦争を生み出す。  先の一人のデスゲ生命は全てを捨てて、ごく一部の、三回制ゲームに汚染されていない人間と共に恒星間移民へと出発する。その途上、彼は、知的生命というものはゲーム性を宇宙から見出す必然性を持つと考え、自分たちデスゲ生命も人類も正にそのゲームに囚われたことで行き詰まったと考えるが、同時に知的生命が必然的にゲームを発見するなら、いつか地球外知的生命に会えれば、別の可能性が開けるだろうという希望を持つ。  そして恒星間航行中に、彼は実際に地球外知的生命からの接触を受ける。更にその知的生命は、デスゲ生命や人類が自分たちの支配域に入るに値するかをテストするために、ゲームを持ち掛けてくる。思った通りの存在が現れたことに歓喜するデスゲ生命。そして彼ら地球外知的生命は、デスゲ生命と人類に告げる。「チャンスは三回までだ」と。  人類が移民船の中で三回という数字に目を輝かせる中、デスゲ生命はその意識を三回制ゲームの再興によってかき消されながら、自分たちデスゲーム生命の歴史を回顧する。それは同時に、走馬灯でもあった。
    • 事実のみを嗅ぎ分けよ

      わたし――鴻那由多(おおとり・なゆた)は、犬獣人の柴本光義(しばもと・みつよし)と一緒に暮らしている。 その同居人は今日、嗅覚判定士(きゅうかくはんていし)なる資格に合格したようだ。 犯罪捜査から食品製造の検品まで、様々な場所で活躍する嗅覚判定士。 獣人が有資格者の大半を占めており、それが種族格差に繋がっているとの声はたびたび上がる。 けれども一方で、現在の社会ではこの資格は欠かせないのもまた事実だ。 実技試験は全一〇問のうち、七問以上に正答しなければ認められない。 五問の回答を終えた時点で、残る受験者は柴本のみとなっていた。 麻薬捜査を想定した六問目。 匂いを封入したキューブには、悲しみを薬で紛らす男の痕跡が込められていた。 しばらく気を取られたものの、急いで検分を全て終えて問題を突破する。 その後も迷う事態はあったが実技試験に合格。資格を認定されるに至ったのだった。 夕食を終えた後、用事があるからと柴本は自分の部屋へと戻っていった。 出てくる気配がないので様子を見に行くと、ガラにもなく何事かを考えている様子である。 試験終了後、六問目のキューブと一緒に渡された『事実のみを嗅ぎ分けよ』と書かれたメモ紙。 意図が分からず、すっかり困惑している様子だった。 わたしはメモの意図を、嗅覚を過信して事実を見落とすなというメッセージだと解釈する。 実際、匂いを介して感情や思考をコントロールする技術は、限定的ながら確立されつつあるのだ。 偽情報を信じかけたことを悔やむ一方で、不幸な誰かが実在しないことに安堵する柴本。 他者の不幸を悲しみ、そしてそれが嘘と分かれば安堵する。 種族違いの同居人のそんな"人柄"を、わたしはとても好ましく思っている。
    • さなコン

      神の子

      その時代、男女には七回の子作りが義務として課されていた。 目的は、神の《選定》に適う《有資格者》を産み出すこと。 機会を活かせなかった者、あるいは子を成せぬものは容赦なく《再生産》ラインに乗せられる。 それが死と変わらぬことを、すべての人が暗黙のうちに悟っていた。 そんな世界で四人の子を得たヨセフは、その四番目の子すら《有資格者》でなかったことに安堵する。 《有資格者》を産み出さねば処分されるのは、おのれ――だとしても我が子を失うことを喜ぶ親がいるものか。 そうした父の想いとは裏腹に、最初の子であるヨシュアはヨセフに背く。 行ってはならぬと戒められた場所で、ヨシュアは神と共に往く意志を示す。 ――僕は父の子に生まれて幸せだった。だから兄弟にも父のもとで育って欲しいのだと告げて。 息子の願いを退けることもできず、神と共に去る我が子を見送るヨセフ。 その目には、彼方に瞬く十字の光が映っていた。 第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト応募作品 https://www.pixiv.net/artworks/107591216
    • 運命のボタン

      どうやら死んでしまったらしい「私」は、オートマチック化した転生作業をすることになった。 無機質な声の案内のもと、転生先の人生を画面で見る。 生前の善行によって転生先の人生を見る回数は決まるが、一度見た転生先を二度見ることはできない。 「私」は転生先の映像を見ながら、いつ決定ボタンを押そうか考える。一度しか押すことができないボタンをいつ押すか、考える。映像の中の人生を見ながら。
    • 六回目の人生

      自身の人生に絶望した男が、別の人生を模索する話。
    • 天の向こう側

       人類が作り出すことのできた最大のエネルギーよりも八桁大きい、十の二十乗電子ボルトの「最大エネルギー宇宙線」。あくまで「観測」の対象だったそれを偏向・収束し、現代の技術水準を越えた天然の粒子加速器を作って相互作用統一理論を実験的に検証しよう、という大望を主人公は抱く。しかし、巨大なコストと期待できる実利の乏しさのため、彼の構想は理解されない。  主人公は、宇宙ダストの「光害」が少ない辺境小惑星での宇宙望遠鏡建造ミッションの駐在員を志願する。基地管理システムとして採用された廉価なゲーミングAIの軽薄な言動に悩まされつつ、単身で一年余りの多彩な ミッションを完遂した彼は、ミッション管理者を強引に説き伏せ、一連の観測の最後に、念願であった「最大エネルギー宇宙線の収束」に挑む。しかし、限られた資材と時間では、「現地にいること」のメリットをもってしても最大エネルギー宇宙線の巨大な運動量をねじ伏せることはかなわず、実験は予想通りの失敗に終わろうとしていた。  そこに、金星圏からのメッセージが届く。金星圏でも、最大エネルギー宇宙線の利用に向けた独自の試みが進められていた。主人公の機材と金星圏の知見を組み合わせる、という提案を主人公は受け入れ、ほぼ一天文単位の焦点距離を備えた宇宙線収束器が完成する。  未踏領域のエネルギーが、時空の秘密をこじ開ける。超統―理論の実験的証明、重力子の検出、そして、余剰次元の生成。はるかな過去に観測されたワープ転移の「窓」が再現し、恒星間宇宙への扉が開く。太陽系文明は、四億年前に太陽系を訪れていた種族の故郷であるプロクシマ・ケンタウリb惑星の「リアルタイム映像」を垣間見る。  主人公は、喧嘩友達だった基地管理AIと和解し、再会を約して小惑星を後にする。
      10,000文字pixiv小説作品
    • 彼女にとってはただ一度の

      第三技術隊と呼ばれる「実験台部隊」に所属している軍人アルと、作戦指揮用人工知能「メーティス」。アルにとって、どんなときにも楽しそうな口調でしか話さないメーティスは気に食わない存在だった。 そんな折り合いの悪さを理由にぶつかるせいで所属部隊の中でも上官ともメーティスを開発した連中とも反りが合わず、書類整理という名目で干されていたところに「メーティス・プロトタイプ」と題された書類が目に留まる。てっきりあの人工知能に関する開発資料か何かだろうというアルの予想に反して見知らぬ少女の写真と名前や住所など、まるで履歴書のような内容であった。 ユイ・シノノメ。そんな名前の少女の情報に首を傾げたところへ、メーティスが新しい任務が下ったことを告げる。与えられたのは噂でしか存在を聞いたことのないような最高優先度扱いの任務で、違和感を覚えながらもメーティスの指示にあった場所へ。アーノルド国立病院というその建物は、奇しくも直前に目を通したユイ・シノノメが通っている場所であると書かれていた。 任務内容は病院地下にあるという秘匿病棟への潜入。それ以降に関しては潜入後に追って通達。そんな任務内容への疑問と、この任務を通達されて以降抱えていた違和感をぶつけるアルに対して、メーティスがようやく語った真実。それは自身がユイ・シノノメであることと、人工知能メーティスの正体が彼女の脳を生体パーツとして組み込んだ巨大サーバーであることだった。 最高優先度任務だと嘘をついたメーティスの狙いはただ一つ。自身の肉体を終わらせることだった。
    • ヒトは愛である

      動物行動学の理論に則った試験が執り行われる試験室に通された男は、しかし試験をボイコットした。壁際にしゃがみこんだまま、残りのチャンスが減っていくアナウンスをただ聞いていた。 最後の革命、すなわち『愛の革命』を経た世界では、人間にとって至上の価値があるのは『愛』であると定義されていた。人生には愛があるべきであり、逆に言えば、愛を得られない人間は生まれてくるべきでない。人民に課せられているこの試験は、愛を得る能力を遺伝子的に備えているかを判別する試験だった。 試されることを嫌った男は、ボイコットを完遂し、不服従の決意と怒りを胸に抱えて、試験室を退出する。 結果的に、男のボイコットの姿勢がなんらかの付則に抵触したらしく、再試験が執り行われることになる。試験官は、試験の設定自体に不備がないかを確認するため、男に性的指向を問いかけるが、男は「糞食らえ」と返す。
    • 48人目

      兄がゾンビになってしまった主人公は薬を手に入れるため、失敗するたびに蘇生しなければならないような挑戦を受ける。47回の死を経験しても恐れを抱かず、主人公は48回目の挑戦を試みる。
    • 人間の◯◯し方

      ~あらすじ~今より先の遥か未来、時の政府より地球外生命体の存在を知らされた地球人類。同時に発表されたのは無差別地球代表選抜試験という宇宙人による無差別殺戮を無制限で許可するとんでもないものだった。一方的な殺戮が始まり早数世紀が経過、人類は試験を隠れ蓑にされた殺戮により人類滅亡へのカウントダウンを着実に進んでいた。定期的に開催される宇宙人の残酷なお遊びに参加させられた主人公の男性は試験内容も不明瞭で合格基準も曖昧な試験に続々と倒れ、理不尽に死んで行く人間を目の当たりにする。同じように参加させられていたのは見ず知らずの赤子で、保護者は既に宇宙人の手にかかっていた。自らの死を確信する男は自分に残された残り一回のチャンスを赤子に譲る事を告げ、楽しげな声が自分の死を告げるのを待つのだった。
    • 遠くへとどくには

      あらすじ: 小学校の文化祭で、四年二組の出し物「おたのしみ教室」を訪れた私は、輪投げコーナーで遊んでいた。輪投げは一投ごとに数を減らしたが、係の男の子は「チャンスは残り三回です」と繰り返した。私は反感を持って間違いを告げると、男の子はうろたえてしまった。私は文化祭を終えても彼のことが頭の片隅から離れなかった。 私は弟に、彼はてん君と言い、彼の兄が動画実況をしていると教えてもらった。ゲーム実況をする彼は迷いなく動き、私は動画内の彼と文化祭の時の彼が同一人物だとは思えなかった。 私が中学、高校に上がる間、私の国では戦争が差し迫っていた。わたしの街にはミサイル防衛施設が作られ、いつ何が起こってもおかしくない状況になっていたが、私やその家族はそのことから目をそらし、幸せな日常を維持しようとつとめた。 私は本当は県外に出たかったが、それを両親に言う事さえ諦めていたある時、てん君とその兄の動画が更新を終了することを知る。その動画を見て自分の境遇を再認識した私は、自分がチャンスを使ってさえいなかったのだと気づく。やがて空襲警報が鳴り、防空システムがミサイルを飛ばす中、非難をしながら私は父親に、遠くの大学に行きたいと告げる。
    • スペース・ダーツ・ネゴシエーション

      地球を捨てた人類のうちの一つが居住可能な惑星系に住み、また長い年月が過ぎた世界。 とある惑星の衛星軌道上にある電磁亜光速砲からダーツの矢が三つ発射されようとしていた。 ダーツの矢は同じ星系の別の惑星に設置された的に向けて発射され、命中するか否かのゲームが多くの観客に見守られながら行われようとしている。 交渉人は、光速砲のルートを計算する演算装置を作ったグルベド博士にある交渉を持ちかけていた。 演算装置は本来、膨大な計算を要し、失敗すれば人体に危険が及ぶワープ装置を安定化させる為のもので、ダーツを用いたゲームは装置の能力を証明するために行われるデモンストレーションだった。 しかし、演算装置が弾き出したルート上には公式には存在しない衛星の重力圏があった。衛星E-011は廃棄された衛星であり、ワープ装置の違法な人体実験を行っていた、いわばグルベド博士の汚点であった。 グルベド博士は衛星移動用のロケット『フルート』を用いて衛星をE-011をガス型惑星に落として物理的に消滅させる計画を立てた。 交渉人はそれを阻止する為にE-011の住民から依頼を受けていたのだった。グルベド博士の良心に期待してE-011の排除を中止するよう求めるが、メリットがないと跳ね除けられる。 交渉人の提案は、フルートを追加し演算装置を使用しての安全なE-011の移動だった。しかし、開発資金が目減りする事を嫌うグルベド博士はそれすら拒否する。グルベド博士は自らの行いを人類の進化の為だと信じて疑わなかった。 交渉人は最終手段として、E-011に残されていた不完全なワープ装置を住民達が使用し、ダーツバレルの軌道近くに待機して撃墜する計画を明かし、グルベド博士を脅そうとする。 しかし、グルベド博士はすぐさま交渉人の意図を察知し、機械部隊にワープ装置を確保させた。 いよいよ打つ手がなくなった、と思われていた交渉人だったが、グルベド博士の本性を見抜いており、交渉前にE-011の人員を宇宙に送り込んでいた。 早急に要求を飲まなくてはいけなくなったグルベド博士は、渋々交渉人に従う。 交渉人はモニターで熱狂する人々を眺めながら、自らの罪業を噛み締めていた。
    • 作り物の居場所だとしても、私の居場所を奪う奴を私は許さない

      私には推しがいた。 バーチャルユーチューバー「蕗谷葵」。通称、ふっきー。 彼女は趣味も何も無い私に、ギャンブルや飲酒をしながら強い言葉と騒がしい振る舞いで、私の知らない世界を教えてくれた。 彼女はある日炎上する。 突如として消えた彼女。 彼女がいなくなった後、私にはまた何も無くなった。体調を崩して辛うじて生きる私。 しばらくしてふっきーについてだろう、眉唾なニュースに出会う。 彼女、ふっきーは、森上という不快なニヤニヤ顔な奴による研究て製作・育成された作り物だった。 私にはふっきーがいる場所だけが私の居場所だった。 私は居場所を探し彷徨う亡霊のように、ふっきーを踏み台にどんどんとメディア露出する森上に執着していく。
    • ひねられた花

      ある宗教団体を調べさせていた部下が失踪し、それを追う男。同じ部屋の堂々巡りを抜け、最後の部屋で見た光景に膝をついたのはなぜなのか。それは男と同じ道を歩んできたものにしかわからないことだった。
    • 無表情な少女と宇宙から来た卵

      無表情な少女が空から降ってきた卵を世話し、紆余曲折を経て世界征服──ごほん、自分たちの生活のために旅立つ話。

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