概要
元々「にくすべ」とは、「憎んでいる、全てを」という言葉の略であり、最初にその発言をしたのはローンではなくグラーフ・ツェッペリンだった。グラーフはそれ以外の発言でも神を葬ろうとしたり、世界を滅ぼそうとしたりと、強い憎しみに裏打ちされた破滅願望を持っている。
しかし、グラーフはそれらの発言に対して寮舎での動きがあまりにも可愛い。めちゃくちゃ笑顔なのである。したり顔とか悪魔のような笑顔とかじゃなく、普通に満面の笑みを浮かべて寮舎で休憩する。とても全てを憎んでいるようには見えない寮舎でのエンジョイっぷりと、なんだかんだ破滅的願望の内に救済を求めたり、他人が喜ぶ姿に対してまで退廃的な言葉をかけない等、一線を越えてないような描写もあって彼女の発言を略して「にくすべ」と称して彼女を可愛がる流れが生まれた。
そして
流れが変わったのは4月26日。アズールレーンが同じ艦船で戦うゲームである「World of Warships(WoWs)」とコラボした時である。
その時に同じ鉄血の艦艇である重巡のローンが実装された。彼女は史実では計画をしただけで起工までには至っていない(グラーフは起工までいって終戦までに完成できずに終わった)という形として存在すらしていない言わば架空艦であり、「存在していない」という事が彼女の性格を大きく歪めている。
ローンについて
露骨な発言の多いグラーフと違い、ローンは基本的に人当たりが良く、指揮官や頑張った同僚にハグをしたりと優しくて献身的な女性のように見えるが、好きな事がおおよそ普通の感性を持っている人間が持ち得ないような行為であったり、グラーフすら使わなかった「殺す」という言葉を平然と使いこなす等、怪しい部分が秘書艦の時点で垣間見える。
そして戦場に立つと彼女は一変する。「(自分を見かけた時点で)敵はその場で自殺すべき」等という末恐ろしい事をいけしゃあしゃあと発言し、それでも抵抗を試みる敵に対してはちょっとした事でヒッパーのキレが可愛く見れるほどの恐ろしい怒号を上げてブチ切れ、機関砲の勢いで重巡主砲を連射する破壊神と化す。
でもそんな彼女でも寮舎で休ませたらニコニコエンジョイするんでしょって?
そんなわけがない。
ただ笑顔は見せてくれる。しかし決して目は笑っておらず、その顔に深い影を落として。グラーフが笑顔になるような家具に誘導しても彼女はその暗い笑顔を崩さない。ネタ系家具では真顔。憎しみをかなぐり捨てて休むグラーフと違い、ローンは憎しみを撒き散らしている。通常時に艤装展開して砲撃までしようとするまでは同じだが、途中でモクモク煙を上げて失敗するグラーフと違い、目を赤く輝かせながら弾を撃ち出す一歩手前で「冗談ですよ」とても言うかのように中断する様が寮舎での彼女の最大の特徴と言える。つまり「やろうと思えばやれる」のである。
加えてたとえ本当に可愛い表情や仕草を見せたとしても、それらはあくまで表面的に穏健を装っているだけだとし、むしろそんなが姿がかえって彼女の“サイコパス”ぶりを表していると受け取られるなど、グラーフとはどこまでも対照的な見られ方をされている。
そして指揮官への好感度に関しても油断できない。彼女に失望されればその笑顔からは想像できない憎悪の籠もった声をかけられる。
では愛し、愛されれば彼女はマシになってくれるか?彼女はそんな甘くない。詳しくは自分の目で直接確かめてほしいが、むしろ好感度を極めた末の彼女の発言こそがこのタグである「にくすべガチ勢」という単語を産み出したといっても過言では無い。
「憎んでいる、全てを」という言葉こそ発してはいないが、自分を産み出しすらしなかった世界に、産まれ得なかった兵器の記憶を持って産まれてしまったある意味での矛盾を抱え、兵器としての役割をこなそうとする強い使命感に駆られ、そして心を持って産まれたが故に覚醒した感情と、その正体に気付いた彼女の発言、行動は明らかに何もかもを憎んでしまったとしか思えないモノなのである。
かくして彼女は発言主のグラーフをさしおいて「にくすべガチ勢」という名誉なのか不名誉なのかよくわからない愛称を得てしまい、対して「にくすべ」発祥元のグラーフには「にくすべエンジョイ勢」というこれまた名誉なのか不名誉なのかわからない愛称が増えたのだった。
比較イラスト
エンジョイ勢
ガチ勢
邂逅
おわかりいただけただろうか