まさかのラスト
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まさかのらすと
そうはならんやろという結末。
絶対にそうはならんやろってことが起きる。
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実況寮の監督生【小エビと】血の拷問夫人邸脱出RTAその後【ボスたこ先輩】
夏なのでホラー以下略 前作のブクマ、タグ、コメント、本当にありがとうございます お待たせして申し訳ございません 前作https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15674168の解答編となります 今回ホラー成分も逆成分も少なめ 懐かしのチャンネル形式ではありますが、解説がメインとなっています また本作はクロスオーバー作品となっております 苦手な方はブラウザバック下さい 注意書きを良くお読みの上、ご閲覧ください ※8/6※8/7※6/10誤字報告ありがとうございます 修正しました 以下、読了後閲覧推奨。 ―――――――― 産まれた時から、ゆうはいっぱい苦労をしてきたと思う。 ゆうは早産の子で、まだ母さんのお腹の中で育ち切っていないまま産まれてしまった。 そのせいで身体が普通の子より小さくて、身体の機能も普通より弱く産まれてしまった。 特に心臓と、呼吸器が。 知り合いにもさ、心臓病とかに掛かりやすい家系の奴がいて……そいつも言ってたんだけど、生まれつき心臓に穴が空いている子がいるんだって。 心臓から血液を送り出す部分。右と左に分かれているそのポンプ部分の壁に穴があって、それぞれ別々の臓器に送られるはずの血液が混ざってしまう。 場合によっては手術が必要だった。 けどゆうの場合は肺が標準より小さくて、手術をするには難しい状態だった。 幸いにも心臓の穴は小さかったから、成長したら穴が塞がる可能性にかけて、まずはゆっくり、手術をしても大丈夫な位に肺が大きくなってから、経過を見ていこうという話になったんだ。 因みにこの、心臓についての話はまさはる……お兄ちゃんの方にはしていないんだ。 だから内緒。あの子はあの子で、面倒見が良いけど見すぎるところがあるから、あまり心配をかけたくないんだ。 それからゆうは、空気が良くて近くに大きな病院がある、母さんの実家……おじいちゃんとおばあちゃん家に預けられることになった。 母さんの仕事とまさはるの学校が関東の方にあったからね。 俺はフットワークの軽い仕事をしてるから、頻繁にゆうの様子を見に行けたけど、いつもお母さんとお兄ちゃんにずるいって羨まれてたなぁ……。 ……ああ。この話は良くて。 そうだね。ゆうの、話をしよう。 ゆうはすくすく育った。 それから大きな病気もしないで、綺麗な田舎でゆっくりと、のびのびと育った。 心臓に穴は中々塞がらないから、やっぱり手術が必要かもしれないって話はあったけど、肺の方は順調に大きくなっていった。 この調子ならあと一年後には手術をしても大丈夫かもしれない。 そうお医者さんと相談をしていた時だったよ。 ゆうは風邪にかかった。 タチの悪いことに、その風邪は治らないで、肺炎にまで重症化した。 中々治るどころか悪くなっていくゆうに、心配したおばあちゃんが病院に連れて行ったんだけど、診察中に倒れてしまった。 そこからあっという間に入院が決まって、直ぐに治療が始まったけど、どれだけ治療しても症状は悪化していくばかり。 とうとう意識不明の状態になって、やっと症状が良くなって、容態も安定していったんだけど……。 最初に倒れてから、約一年。 なんでもない状態まで回復したのに、ゆうは一向に目を覚まさなかった。 こればっかりはただ事じゃないと思って、俺は“そういう事”に詳しい古い知り合いを呼んでゆうを見てもらった。 そうしたら、言われたんだ。 ――――あんたの娘は夢を見ている。 ――――ここでは無い場所に意識が、魂が引っ張られている。 ――――あんたも覚えがあるはずだ。 ……うん。そうだ。その経験は俺にもあった。 夢を通して、別の世界を見る現象。 誰かの心の中に飛び込むそれを、俺自身よく知っていた。 まさか自分以外の誰かが、しかも娘が経験することになるなんて思わなかったけど。 こうなったらどうにもならない。 何とか同じ夢の中に入ってゆうを連れ戻せないか、聞いたけどこの世界にそんな技術も魔術もない。 俺に出来ることは、一つだけ。 いつかの大切な仲間達が味わったように、かけがけのない後輩に何度もそうさせてしまったように。 ――――自分の娘を、信じて待つ。 そんな事しか出来ない自分に、やっぱり俺は本当に一般人なんだなって思った。 無力さを噛み締めた。でも、いつかみんながやってくれていたように、信じて待った。 ――――ゆうは、帰ってきた。 八歳になる誕生日の日、びっくりするほどあっさり目を覚ました。 自分が倒れる前の熱に浮かされてた記憶、そして勿論、倒れている間の記憶を一切持っていなかった。 ずっと病気で生死の境を彷徨い続けたんだと、あの子は思っている。 確かに、あの子は一時危ない状態になった。でもそれは二週間位の話。 残りの眠っている時間は、普通の人なら起きて活動出来る健康状態のはずだった。 それでも眠り続けていたあの子は次に起きた時、不思議な事がその身に起きていた。 健全な身体になっていたんだ。 穴が空いていたはずの心臓。標準より小さかったはずの肺。 それから一年間眠り続けたせいで退化したはずの筋肉。動かなかった消化器官。 それらが全部、健康そのもの状態だったんだ。 穴は塞がり、肺は普通の大きさ。筋肉は歳相応に成長して、胃腸は元気に活動している。 まるで眠り続けていた一年間、どこかで普通に生活していたみたいに、どこにも疾患を持たない万全な状態になっていたんだ。 そしてそんなゆうには、普通の人には分からないものが沢山付いていた。 俺にも覚えがあったから分かった。 俺の魂に染み付いたものだから、直ぐにわかった。 それは祝福／呪い。 神に愛された／目を付けられた証。 身体ではなく、その魂に刻まれた“縁／印”。 いつかの俺と同じように、眠っている間の記憶がないゆうにも同じものが現れた。 それが良いものとしてゆうに恵みを与えるのか、悪いものとしてゆうに災いを振り撒くのかは分からない。 だけどたくさんの繋がりを得た娘に、自然と自分が何をするべきかは分かった。 それが本当に正しい事なのか自信はないけれど……それでもいつか、道に迷った時、道標になってくれたらと思って、俺はそうする事を選んだ。 ……まさか数年後に、他の人が創り出したゲームとしてメディア展開されるとは思ってなかったけど。 それからは毎日。寝物語として。 親という人生の先輩として。父親という一人の人間として。俺は子ども達に語り聞かせた。 未来にこっちの都合なんてお構いなく背負わされて、選択をして、後悔して、傷付いて、何度も打ちのめされて。 それでも旅をやめなかった、とある人間の――――未来を取り戻す物語。 いつかキミに、困難が降り掛かった時。 この物語が、キミに勇気を与えてくれますように―――― ――――誰の記憶にも、記録にも残らなかった旅をしたとある一般人の語りより、『語り継ぐ旅の記憶』87,116文字pixiv小説作品
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