WARNING
ブラスターマスターゼロのストーリーの都合上、彼女の解説そのものが物語のネタバレとなります。閲覧の際は予めシリーズ3作品をトゥルーエンドでクリアしておくことを強くおすすめします。
概要
「あなたに、伝えたいことがあるの──」
トリロジー版CV:宮崎珠子
『ブラスターマスターゼロ』『ゼロ2』『ゼロ3』のヒロイン。
遥かな未来世界の地球、その地底世界の旧市街地エリアで、ジェイソン・フラドニックに発見された謎の少女。
名前以外の記憶を喪失していたが、ソフィア-Ⅲの整備を行えること、またミュータントの多い地底世界にひとりで居させるわけには行かないことから、ジェイソンと共にソフィアによる冒険に同行することになる。
金髪に白いリボン、猫を思わせる膝の装飾や尻尾のようなパーツが特徴。
常に落ち着いた振る舞いと健気さ・気丈さを見せ、的確なサポートでジェイソンの戦いをバックアップするが、一部の武器説明ではたまに茶目っ気のある言動をすることもある。
ポーズ画面のソフィアのメニュー右下から、イヴと会話することができる。
ステージに関すること、物語の進行状況に応じて聞けること、装備中の武器のことなど、結構レパートリーに富んでいるので、こまめに話しかけてみると意外な発見があるかもしれない。
ここから先、ネタバレ注意
正体
人口海エリアでジェイソンが探索している中、とある地点からイヴとの通信が途切れてしまう。
ボスミュータントのロブスガータを倒したところで通信が回復するが、この辺りから少し様子が変になる。
実はこの間、彼女はデータの整理をしていた際に高度なセキュリティのかかったものを発見する。
しかしソフィアはあっさりとイヴを認証、データの開示を行う。
それらは全て、イヴという存在を思い出すための記憶だった。
氷河エリアで、イヴは遂にジェイソンに自分の正体を明かす。
彼女は、惑星ソフィアからメタル・アタッカー……ソフィア-Ⅲと共に、ミュータントから星を守るために開発された、人間に限りなく近く精巧に作られた、ソフィアAIのみで対処できない状況に際し起動する「ガイノイド」と呼ばれる人工生命体。そして、本来自立行動できるメタル・アタッカーの戦いを内部から支援するための「サポートロイド」だった。
ジェイソンが追っていたフレッドも、ソフィアの「サポートアニマル」として生成されたミュータント探査ロボットだった。
イヴはここから先の戦い──ミュータントの王であるミュータント・ロードとの戦いは自分たちで終わらせようとするが、ジェイソンはそんな彼女の助けになるため、そしてミュータントから地球を守るため、自らそれを拒否。改めてイヴと一緒に戦うことを告げる。イヴは彼の想いを受け、今一度協力を頼むのだった。
新たな決意と確かな絆をより強いものとした2人(と1匹)は、ミュータントロードを倒して地球を救うため、惑星深部を通って奥地へと進んでいく。
そして、超巨大ミュータントの内部にいたミュータント・ロード、ゴウズを撃破したジェイソンたち。
しかし、イヴはゴウズとの戦いの最中、ロードをも超える脅威たる存在、コア・ミュータントの反応に気付いていた。
地上を出た一行だったが、イヴはこれ以上ジェイソンを巻き込まないため、そしてコアを倒すために、独りでソフィアを使って超次元空間へと行ってしまうのだった。
彼女によって気を失っていたジェイソンは、フレッドによって呼び出され、とある人物たちの想いを託された後継機・ソフィアゼロで超次元空間を駆け抜け、激しい戦いの末にようやくソフィアを見つけ出す。
──が、既にソフィアはイヴもろともコアに侵食され乗っ取られており、超惑星間万能侵略戦車・インベムソフィアへと変貌してしまっていた。
コアはなんと自身を見つけたソフィアを侵食し、イヴはソフィアを自爆させようとするも、侵食を止められなくなってしまったのだった。
ソフィアごと自分を壊すように懇願するイヴ。
そんな事が出来るわけがないジェイソンは、砲撃を受けながらもどうにかソフィアゼロに戻り、インベムソフィアと戦闘を開始。コアを弱らせて隙を作り出し、内部からイヴを救い出すことに成功する。
コアごとソフィアをアクセルブラストで完全に消滅させたジェイソンは、意識を取り戻したイヴに、ソフィアゼロを託したある人物たちのメッセージを見せる。
『私達の大切な娘を、この機体を使って守ってあげてほしい』
『ケイン・ガードナー
ジェニファー・ガードナー』
彼女の故郷、惑星ソフィアにいるガードナー夫妻からのメッセージを受けて、そしてその想いを届けてくれたジェイソンを前に……イヴはジェイソンの胸を借りるのだった。
ジェイソンによって、地球も、そして自分自身も救われたイヴは、彼に心の底からの笑顔を見せる。
そして、ジェイソンもまた、彼女に想いを伝える。
平和を取り戻した地球の空に包まれて、2人の平穏が訪れるのだった。
──だが、そんな平穏は長く続くことは無かった……
覚醒
数ヶ月後、物語は『ブラスターマスターゼロ2』開始の少し前。
なんと、イヴの体の中にコアの細胞が僅かに残っており、再浸蝕を始めたのである。
地球のあらゆる技術をもってしても有力な治療法は無く、地底をソフィアゼロで探索しても目立った成果を得られなかったジェイソンは、探索の影響で機体限界を超えてしまったソフィアゼロに代わり、2人で生み出した地球製の新型MA──ガイア-ソフィアに乗り込み、惑星ソフィアに救いの手を求めて宇宙へ飛び立った。
こうして、『ゼロ2』の物語が始まった。
イヴは上記の影響で、侵食で右半身は蝕まれ変色してしまった。
これ以上の侵食を抑えるために、右腕には大型の猫の手型身体能力補助ユニット「アイヒックス」を装備しており、後頭部のコードを通してソフィアのエネルギーを回すことで影響を最小限に留めている。このためG-ソフィア後部座席から離れられない。
また侵食のせいなのかは不明だが、この数ヶ月で何故か胸や髪など全体的に容姿が成長している。
この侵食はカンナからもらった薬の力で一旦緩和されている。
宇宙の各地で様々な出会いを経たイヴは、権兵衛、カンナ、ジョッキからお礼にもらった各々のMAエンブレムをとりあえず受け取ることにする。
解析目的で預かったは良いものの、結局使い方は分からずじまいだった。
ところが、エリアGで惑星ごと取り込んだミュータントロード、プラネイド-Gの自壊が引き起こした次元トンネルの暴走に巻き込まれたジェイソン達は、次元の狭間にある超次元空間エリアΩで離ればなれとなってしまう。
ひとりぼっちになってしまったイヴは、回想する。
常に不屈で前向きで、誰かのために故郷を離れてでも戦うジェイソンに、自分は頼り過ぎていたのではないか。
本当は言うつもりのなかった身体の変化を、彼ならなんとかしてくれるかもしれないという淡い希望を抱いて打ち明けたが、そんな彼に自分は縋ってばかりだったのではないか……?
だが、過去を悔やむよりも、未来を変えるために、イヴは奮い立つ。
「ジェイソンは…私が…必ず…助ける…!
私も、あきらめない!」
ぼろぼろの身体をどうにか動かして前に進むイヴ。
その中で、自分がミュータントにアイヒックスで触れることで「浄化」できること、ソフィア無しで動けることに気付く。
さらに、周囲の時空を遅くし、ミュータントを麻痺させ動きを抑制する特殊な結界「アンチェインD.D.F」を使えるようになっていた。
空間内を進むうちになんとかディグローラーを倒したイヴは、ディグローラーが落とした、かつての乗機・ソフィア-Ⅲのものに似たキーライフルを拾う。
そのまま奥へ進むと、イヴを壊そうとするライプニッツが現れ、ガルーダと戦闘になりかけるが……イヴはその後方に、青色のソフィア──否、MA-02「アンドレイア」と、そのサポートロイドであるエルフィを発見する。
エルフィはこの超次元空間の中にいるというミュータント・コクーンに一度敗れ、アンドレイアを直しながら、パイロットであるロディを待っていたという。
イヴはエルフィにキーライフルを渡し、2人はロディがもうこの世にいないことを悟る。
そんな2人に対し怒りをぶつけようとするライプニッツを、エルフィは優しく諭す。
現実を否定しようとするライプニッツに対し、エルフィはコクーンとの戦いの怪我によって自身も既にこの世にはいないこと、思念体であることを打ち明ける。
エルフィは、自分やライプニッツのように、パートナーを失った悲しみを他人に繰り返させないことが自分たちの役目であること、隣にいた確かな「命」を、共に「生きた」時間を否定しないでほしいと告げるのだった。
それを受けて、ライプニッツは彼女に「超惑星間万能マーカー」のことを伝える。MAパイロットたちからもらったエンブレムは、次元を超えてどこからでもワームホールを繋ぐことができるというとんでもない代物であった。
やることができたと言い残し、飛び去るライプニッツ。
エルフィは満足気に頷くと、イヴにアンドレイアを託して消えていくのだった。
エルフィに託された「勇気」を、ジェイソンを救い出す「決意」を胸に、イヴはアンドレイアを駆って超次元空間を進む。
奥へ進んだイヴは、倒れていたフレッドを助けることに成功。
フレッドの機能でジェイソンとソフィアの居場所を特定することにも成功し、ライフアップでアンドレイアを補強しながらジェイソンの居場所まで急ぐ。
そして、遂にジェイソンの下へ辿り着いたイヴだったが、そこにはミュータント・コクーンであるゼオグと、ゼオグに敗れ石化してしまったソフィア、そしてジェイソンの姿があった。
ゼオグの攻撃をウォーターバインドで転用しなんとか攻撃するイヴだったが、アンドレイアではまともに攻撃できず苦戦する。
そこへ駆け付けたのは、超惑星間万能マーカーでやってきた権兵衛たちだった。
彼らの想い、エルフィの想い、イヴの想い、
そして、ジェイソンへの想い。
あらゆる想いと、アンドレイアの全身全霊を賭けた必殺の一撃は、コクーンの外殻を消し去るとともに、ジェイソンとソフィアの復活を実現した。
「ありがとう、イヴ。
随分心配かけちゃったな」
「ジェイソン…!
ほんとだよ、もう…ジェイソンのバカ」
そして、ジェイソンは仲間たちの想いを心に受け継ぎ、ガイアソフィアはゼオグを撃砕。
仲間たちに別れを告げ、壊れてしまったアンドレイアのパーツでソフィアを直したジェイソンたちは、超次元空間を脱出し、惑星ソフィアへと辿り着くのだった。
イヴは、決戦を経て、ミュータントの侵食を克服。
服の色も、右半身も元の姿を取り戻した。右頬にネコヒゲのような傷跡が残り、右目も緑色になったことだけは変わってしまったが。
それでも、2人の絆と想いは変わらない。
故郷を前に、今度はイヴからジェイソンへ想いを伝える。
様々な想いを乗せて、ソフィアは母なる星へと降りていくのだった。
──だが、現実は残酷にも、2人に平穏を許さない。
アンドレイア
正式名称は超惑星間万能戦闘車両 MA-02「アンドレイア」。
ソフィア-Ⅲの姉妹機にあたる、青色のメタルアタッカー。
水源のある場所での戦いを可能とする装備が備わっており、スプラッシュジャンプ、アクアシステム、スパークタックル、ウォーターバインドを搭載する。
特に水中にいる間はSPを無限に供給できるアクアシステムと、ありとあらゆる敵をその場に捕縛し、スパークタックルで吹き飛ばせるウォーターバインドの2つの専用装備が特徴である。
また、全エネルギーを放つ必殺光線であるアクセルブラストも装備しているが、機体強度の問題(修復の際に補強が間に合わなかった?)で封印されており、コクーンへ放つまでは使用できない。
進化
『ブラスターマスターゼロ2』エンディング後、『ブラスターマスターゼロ3』開始直前のこと。
アンドレイアのパーツを受け継ぎ改修されたガイアソフィアSVは、何故か惑星ソフィアの防衛軍「ソフィアフォース(SF)」に攻撃されてしまい、ジェイソン達は理由も分からぬまま捕まってしまった。
特にイヴは、何故か厳重に捕獲されてしまうのだった。
突如起こったSF基地内の混乱に乗じて、自分の装備とソフィアを取り返せたジェイソンは、フレッドを回収しつつなんとか脱出一歩手前まで進むが、そこで待ち構えていたケインの攻撃を受ける。
だがケインは最初からジェイソンを捕まえる気はなく、イヴを助けさせるためにあえて逃がし、彼を後押しするのだった。
ここから『ゼロ3』は始まる。
その頃イヴは『ゼロ』の頃の服装(ソフィアの制服なのかもしれない)に戻され厳重な警備の中にロックされていたが、突如として彼女が消えた。
ケインによればそれと同時に、惑星ソフィアにミュータントが再来し、惑星各地で次元のひずみも発生したらしい。
そのため、イヴは今回あらわれたミュータントと関係があるのではないか、とSFに疑われてしまっており、ジェイソンは脱走者の汚名を被ってでも彼女を見つけ出すために奔走する事となる。
エリア2にてイヴの反応の一つを追ったジェイソンは、イヴを模した姿と能力を持ったクローンミュータント「イヴィルイヴ」との戦闘になる。
その後なんやかんやあってライプニッツが同行することになるが、直後イヴからの不安定な通信を受ける。
次元のひずみを、負荷をアクセルチェンジャーで軽減することで、超次元空間経由で通り抜けられるようにする「VRVシステム」の存在を知らされたジェイソンだったが、逆探知には成功したがイヴとの通信は途切れてしまった。
VRVシステムで惑星ソフィアの各地を巡りつつ進むジェイソンは、途切れ途切れに繋がる彼女との通信から、彼女がなにかの「答え」を探していることを知る。
そして、機械生命体である彼女にはあるはずのないイヴのDNAから、イヴはコアの浸食の影響で、ミュータント、あるいはそれを超越した有機生命体……さしずめ「ミュータント・クイーン」に進化しようとしている可能性があることが、ジェニファーによって判明する。SFからも、ミュータントの反応を出したことから超次元生命体「インベムクイーン」のコードネームを与えていた。
このことから、『ゼロ2』開始前にイヴの体が成長していたのも、この影響で有機生命体になりかけていたから、と推測できる。
最終的に、イヴはコアミュータントと共に、かつて10年前の惑星ソフィアでの戦いで封鎖された禁断区域に居ることが発覚。
ジェニファーからイヴを救うための秘策である「想い」を力に変える必殺光線「エレメンタルブラスター」を受け取ったジェイソンは、禁断区域へ突入する。
自分たちのしてきたことは無駄じゃないと決意を固めながら、ジェイソンは最奥へと進んでいく。
そして、コアミュータントとして生き延びていたプラネイド-Gの成れの果て、プラネイド-Gティミドローを撃破し、囚われていたイヴを全身全霊のエレメンタルブラスターで、ついに救った……
はずだったが。
「プラネイド-G…私を護るために…ここまでのムチャをするなんて…。
今の彼は、自分を傷つけて血を流す事でしか戦うすべを持たない…弱くて、かわいそうなミュータント…
ううん…でも、エリアGを滅ぼしてしまったのは事実…。
倒されてしまうのも、仕方なかった…」
まるでミュータント側に立っているような立ち振る舞いをするイヴ。
エレメンタルブラスターが、ジェイソンの想いが足りなかったのか?と、ジェイソンたちは愕然とする。
だがライプニッツはここで気がつく。
イヴははじめから、元に戻るつもりがなかった、と。
とっくにジェイソン達とは逆の方向を向いていた、と。
イヴはミュータントの女王として生きていくこと、ミュータント達を連れて超次元空間に帰り、ひずみを閉じて通常空間との関係を断絶して戦いを終わらせることを決意してしまっていた。
同時に、誰も傷つかなくて済むよう、もう2度と通常空間に戻らないという「答え」も見つけていたのである。
だが、ジェイソンもまた気がつく。
イヴのこの「答え」には、心の裏側には、本当の想いがあるのではないか。
イヴの心を振り返らせる方法があるのではないか。
彼は壊れたヘルメット無しで、次元を超え──
──振り返っちゃダメ…
やっと振り絞った勇気が、とけてなくなっちゃうから──。
最初はミュータントの侵蝕を乗り越えたんだ、って…これでずっとジェイソンと一緒にいられるって思ってた。
だけどすぐに気づいてしまった。
私の体はもう、元のガイノイドの身体じゃないんだって。
いつかは打ち明けなきゃいけないと思ってた…でも、私の身体の変化は、私が思うよりずっと早くて…。
“ミュータントの女王”、“超次元生命体”…そんなの、望んでなったわけじゃない。
でも、そうなってしまった以上…私はこの“役割”を全うするしかない…みんなを守るために。
ジェイソンと、離ればなれになるなんて…イヤだ。
みんなと一緒にいたい。一緒に生きていたい。
だけど、私がこの世界に残る事で、みんなの平和が、幸せが壊されてしまうなんて、もっとイヤだ。
私が壊されるだけですむ話なら、それでもよかった。
だけど、そうじゃなかった。
みんなを守るためには…みんなや…ジェイソンの前から私がいなくなるしかなかった。
…イヤだったけど…私の幸せが壊れるだけですむ話なら…それでも、よかったんだって思うしかなかった。
私…これまでジェイソンと一緒にいられて本当に良かった…。
地球であなたに救われて…宇宙であなたを救って…そうやって、私たちは互いに助け合って…。
叶うことならずっと…これからもずっと、あなたと一緒にいたかった…。
離れたくない…やっとまた会えたのに、もう二度と会えないなんて、絶対にイヤだ…。
──だから振り返っちゃダメ…。
振り返って、ジェイソンの顔を見ちゃったら…
やっと心の裏側に押し込めた“想い”が“声”になって…あふれて止まらなくなっちゃうから──
「…ジェイソン、大好きだよ。」
本当の“想い”、心からの“声”を聞くことができたジェイソン。
そんな本心が結局バレてしまったイヴ。
ジェイソンは必ず追いつくことを、イヴと約束する。
イヴはそんな約束を、信じるのだった。
時は流れ、地球に開かれた次元のひずみを調査しに超次元空間へ来たケイン。
権兵衛、カンナ、ジョッキ、そして覚悟を新たにライジングガルーダを駆るライプニッツの妨害をなんとか退けた彼は、その最奥で超巨大なミュータント・コクーンとなったイヴと、アクセルチェンジャーに順応し超次元空間の生命体になってしまったジェイソンに邂逅する。
戦いの果てに、イヴのコクーンが輝きを放ち、覚悟するケインだったが……
コクーンは希望の揺籠として、彼女が人間だった証を残すために、生身の身体を失ったイヴによって、ミュータントの因子を取り除き純粋な人間を生むために作られたもの。
そして次元のひずみは、その証たる存在……彼女が産んだ命、生まれ変わったロディとエルフィを、通常空間へ送るためにどうしても必要なものだったことが、ジェイソンとイヴによって明かされた。
イヴは超次元空間そのものと思念体として同化し始めており、2人が生きた証を残すために、子供達を産んだのだった。
その子供たちは、ライプニッツが育てていくことを決めていた。
イヴの影響を受けないミュータント、異文明生命体「ライトニングビーイング」を止めるため、ジェイソンたちは旅立たなければならなかった。
しかし、いつか危険が迫った時は必ず助けに戻ることを、父…ケインに約束するイヴ。
ケインはSFや惑星政府に上手く話をまとめることを決め、ジェイソンに対し、負うべきことは「罪」ではなく「責任」であること、家族が同じ場所で生きられる「いつか」を諦めてはならないことを伝える。
そして、イヴには自分の意志で選んだ道が自分の幸せであったことを喜んでいることを伝えた。
託すべき未来を託され、守るべき世界を守るために。
ケインは双子を連れ、通常空間へと戻っていくのだった。
エンドロールのその先で、抱きしめ合う2人。
いつか必ず地球に帰って、
この想いを、子供たちに伝えるために。
時空を、宇宙を、次元を超えた想いを乗せたソフィアJ1は、新たなる戦いへと旅立っていく。
すべてを超えたボーイ・ミーツ・ガールのトリロジーは、こうして完結する。
余談
- 装備説明の際に、インティ・クリエイツの自社ゲームネタやコラボ先のネタを匂わせる発言をすることがある。
- シリーズ展開時期とコラボの都合上、蒼き雷霆ガンヴォルトシリーズのネタが多い。というか同シリーズを明らかな元ネタとする武器名や性能をしているものが多い。確信犯である。
- シリーズを追うごとにどんどん女性らしい体型へと成長?していった彼女だが、それとは別に、ゼロ→ゼロ2の間に公開されてきた記念イラスト等では右頬にできた傷跡を隠す絆創膏を気にするような仕草が意図的に描かれており、ゼロ2発売前から既に伏線が張られていたことが『ブラスターマスターゼロまめちしき』にて明かされている。
- 機械である彼女がいつまで経っても傷が治らない(直せない)のは、改めてよく考えてみるとおかしな話である。完全には決まっていなかっただろうが、この頃からイヴに何かが起こることを考えていたインティ・クリエイツ……恐るべし。
- 『ゼロ2』では話のフラグが無い時に話しかけても寝ているようになっている。
- 『ゼロ3』では展開上イヴは囚われのヒロインな上に、肝心の後部座席にはライプニッツが座っており、フラグが無いときは座席を蹴飛ばしてくる。ライプニッツがヒロインとか言わない。
- ちなみにイヴの運命が大きく変わるきっかけとなったミュータントの「侵食」だが、漢字が「浸蝕」だったり「浸食」だったりで表現があやふやなので、ここでは描写ごとの表示に合わせている。誤字にしか見えないだろうが、念の為原作にある程度沿っているので悪しからず。