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  • すこしむかしのファンタジー

    暗闇の神と目隠しの姫

    目を覚ました姫は、自分が目隠しされ縄で縛られていることに気がついた。姫が目を覚ましたことに気づき、優しい声の誰かが「ここは鉄の山の洞窟だよ」と教える。姫は自分が湯治旅行からの帰り、両親と弟が乗る馬車が山賊に襲われたことを思い出した。優しい声の誰かは、姫しか救えなかったことを謝る。そして目隠しと縄を今すぐに外せないことも謝った。 「時期が来たら、必ず外して都へ帰すから」 そう言って、姫を洞窟に閉じ込めていた。閉じ込められている間、姫は不便ではあるものの傷つけられることはなく、大事に世話をされた。考えることしか自由のない姫は、自分を閉じ込め世話をする誰かの行動や言動から、その正体は鉄の山の神ではないかと考える。しかし本人からそれを否定され、姫は納得しないまま再び洞窟での監禁生活を送る。 あるとき、洞窟の外で叔父の声がした。しかし優しい声の誰かは小鳥の鳴き真似だと言う。またあるときは、洞窟の外で大臣の声がした。優しい声の誰かはまた、小鳥の鳴き真似だと言った。あるとき、洞窟の外で騎士の声がした。今度はあの優しい声が返ってくることはなかった。本物の騎士が姫を助けに来たのだ。 「あなたの両親と弟君は、王弟と大臣の策略により命を落としました。そしてあなたは、一つ目の巨人によってこの洞窟に閉じ込められていたのです」 胸を張る騎士は、姫を閉じ込めていたのは一つ目の巨人だったと言って、姫の目隠しと縄を解いていった。 「ご覧ください、あの化け物を!」 洞窟の外では、一つ目の巨人が事切れ倒れていた。すべての縄が解けていないのに、姫は走り出した。縄で足がもつれ、姫は転んだ。姫は這って洞窟を進んだ。騎士が追いつき、姫を止める。姫は洞窟から目一杯手を伸ばした。指先が、まだぬくもりの残る巨躯に触れる。姫は泣いていた。 「世界中の誰が化け物と呼ぼうと、あなた自身が否定しようと、あなたは優しい、私の神様よ」 事切れているはずの巨人が、わずかに口元をほころばせた。
  • 創作ギリシア神話

    【捏造注意】ギリシア神話パロ・2【かつマイナー】

    ※ヘカトンケイル、キュクロプスからみたウラノス。 ※ブログにアップしているSSを支部にも持ってきてみた。 ※キュクロプスは神話から鍛冶の神々だと分かるのですが、ヘカトンケイルの職掌は明言されていないので、色々推測した結果、開拓や造地を掌る設定にしてみました。

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