何故か、ゴルファーに対しても謝罪を行った兼重社長(中京テレビのニュースによるナレーション)
概要を愛する人に対する冒涜ですよ
詳細はビッグモーターの項目に譲るが、ビッグモーターは2023年7月25日に、度重なる不祥事発覚に対する釈明として、記者会見を開催した。
しかしそこで行われたのは、自分はあたかも被害者であるかのような口調で語る兼重宏行社長の弁明と、現場に全ての責任を押し付ける経営陣の見苦しい姿だった。
そしてそこで飛び出したのが、「ゴルフを愛する人に対する冒涜ですよ」という発言だった。
この発言に至るまでの経緯に対する冒涜ですよ
この発言が行われたのは、ビッグモーターは自動車修理業者でありながら、修理に運び込まれた車をわざと傷つけ、その傷を報告することで保険金を水増し請求するという詐欺行為を働いていたことに対する一連の答弁の中である。
その際に、破壊行為の一環として大粒の雹が車に当たったよう偽装するため靴下の中にゴルフボールを何個か入れて振り回し、車体に凹みを作るという、衝撃的な行為が報告されていた。
- 業界で雹害車(ひょうがいしゃ)と呼ばれる雹の直撃で複数の凹みが出来たりガラスが割れた車体は修理に手間と費用が発生する反面、内部の機器類に損傷が無ければ売り物になるため、機器類へのダメージが確実に及ぶ水没車よりも利益を出しやすい「珍品」として取引されていた経緯がある。
この一件は特に車好きや、車の所有者に大きなショックを与えた報道であり、この件について兼重社長がどう釈明するのか注目されていた。
そんな中、兼重社長は「こんなひどいことをしているなんて信じられない」「報告を聞いた時に言葉を失った」などと、まるで自分が被害者であるかのように語ったのちに、「ゴルフを愛する人への冒涜ですよ」と、口にしたのだ。
反響を愛する人に対する冒涜ですよ
そもそも自社の人間が顧客の車を傷つけているにも拘らず、被害者ぶった口調で語った事もさることながら、車への愛情を持つ人や顧客への謝罪よりも、まさかのゴルフを愛する人への謝罪という明後日の方向へ向けての発言に、多くの冷笑が集められた。
壊された車や、振り回された靴下に関しても「冒涜」というつもりだったのだろうか。
なお、ゴルフを冒涜するのを例えたのは、兼重社長ら上層部がゴルフ好きだから思いついたとの説が有力。
そもそもこの謝罪会見自体、経営陣は現場の不祥事を知らなかった。という、知らぬ存ぜぬに始まり、現場に責任をおしつけての切り捨て、現在の経営の中心人物であった副社長の欠席、不祥事を報道したメディアへの不満、社長を辞任するとしながらも経営陣は旧体制の人間を登用し、兼重社長自身はビッグモーターの株を保有したまま退陣など、誰がどう見ても「謝罪」とは形だけで、反省や改善の余地が一切見えないものであった。
余りにも見え見えな、形だけの謝罪会見に、多くの視聴者が呆れ返り、企業に対する怒りの声が燃え上がったのはいうまでもない。
それどころか、この謝罪会見を契機に、ビッグモーターに対する内部告発が加熱し、更には疑惑への追及もますます激しいものになっている。