NEXTから追加された新キャラ同士の組み合わせ。
キービジュアル等で並んで紹介されたことから(隣合っている上に、よく見ると他のキャラは個別に描かれているヴァンガードサークルが二人のものだけ繋がっている等)、「何か繋がりがあるのでは?」と言われていたが…
※以下、微ネタバレ。
発表された際には二人同時であったものの、名前が明かされたのはカズマの方が先でありカズミは少し間を置いてから名前が明かされた。
「カズマ」と「カズミ」という非常によく似た名前から、「苗字は違うが兄弟なのでは?」と言われていた。
本編が始まると、二人が絡むシーンはまるでないもののカズマの幼少期の回想に現れる「おにいちゃん」のシルエットがカズミと酷似しており、14話にてU20開幕の際に前大会優勝チームとして紹介されたカズミの姿を目にしたカズマは驚愕し、回想の人物とカズミが同一人物であることが判明した。
2クール目のEDにもカズマとカズミの繋がりを意識したカットがある。
その後、カズミが早々に勝ち抜けてしまったこともあり二人が対面することはないままファーストステージは終了してしまい、セカンドステージまでの間にカズミがシラヌイにディフライドされていることを知ったが仲間達には伏せておくことにしたクロノと、兄の身に起こったことを知らずに過去と向き合う決意をするカズマというチーム内での行き違いが発生してしまう。
セカンドステージにて、カズマは過去を払拭すべく自らカズミに挑む。
真相を知らないまま、カズマは「兄」と対峙するが……
ちなみに幼少期は余程仲が良かったようで、カズミはカズマのことを「まぁくん」と呼んでいたようだ。(カズミとの区別の為に「カズマ」の「マ」から取ったと思われる)
カズマは幼少期の際は「おにいちゃん」呼びだったが、再会した際には「兄さま」と呼んでいた。
二人とも多くの予想を覆すお互いへの呼び名であった。
(監督からもカズミによるまーくん呼びは衝撃的であることは触れられている)
上記の「まぁくん」呼びをしたのはカズミの記憶を読み取ったシラヌイ。
シラヌイ曰く、カズミ本人もずっと離ればなれになった弟のことを気にかけていたようである。
幼いカズマにヴァンガードを教えたのはカズミであり、カズマにとってカズミは兄であると同時に先導者でもある。
厳しい家柄のもと、何かと優秀な兄・カズミと比較されては苦い思いを強いられていたカズマだったが、それでも兄と同じ場所に立ち対等なライバルとなるべく奮闘していた。
だが回想の中でのカズマはカズミに挑むことを諦め、母親とともに鬼丸家から追い出されてしまい、それをカズマからは見えることのない場所から無表情で見送るカズミの姿で在りし日の兄弟の思い出は終わっている。
何が二人を決別させてしまったのか、二人の生家である鬼丸家にどのような事情があったのか詳細はまだ明かされていない。
幼き日の全ての想いを払拭すべく覚悟を決めてカズミに挑んだカズマだったがそこにカズマの知る兄の魂はすでになく、兄の姿をした別人に兄との思い出を騙られ、蔑まれ、心を弄ばれた末に敗れてしまう。
ファイト中のカズミとの楽しかった日々を思い浮かべながら、自分の知る優しい兄は変わってしまったのだという意味でのカズマの「もう居ない、もう居ないんだ」という言葉が、ディフライドされたことによりもうそこには居なくなってしまったカズミの事実と同じ言葉だが異なる意味で重なり、非常にやるせない状況を生み出してしまった。
二人の関係と現状を知ったクロノからカズミがディフライドされシラヌイになっていることを聞かされるカズマだったが、クロノ達とは違いこれまでまるで不可思議な出来事に縁がなかった為、すぐには信じることが出来ず激昂し、クロノに掴みかかろうとする程混乱していた。
しかし、狂人じみたカズミの言動や人生初のイメージ拉致を目の当たりにしクロノの言葉を信じざるを得なくなる。
クロノから話を聞いた後はまだ心の整理がつけられず、その日は口を開かぬまま立ち去ってしまう。
その翌日、口は閉ざしたままだがいくらか落ち着いたのか二日目のファイトを観戦しに来たカズマがタイヨウと合流している。
再び心を閉ざしてしまったように見えたが、シオンと全力でファイトをしヴァンガードの楽しさを体現するクロノの姿にかつての兄との幸せだったヴァンガードを思い出し、自分はまだあの頃のカズミとは再会出来て居なかったこと、まだ挑めることを再認識し、タイヨウの励ましも得てもう一度立ち上がる決意を固めた。
セカンドステージ終了後、休息と情報共有を兼ねて訪れた南の島にて、カズマはクロノとタイヨウに三人でU20を戦い抜くこと、そしてシラヌイを追い出し本当のカズミを取り戻すことを宣言した。
8月発売のブースター「竜皇覚醒」ではカズマとカズミの兄弟でパッケージを飾っていた。
ファイナルステージでは満を持して再戦。
以前とは違い、カズミを依り代としたシラヌイと認識し、迷いを振り切り決意を固めたカズマの成長にシラヌイは驚愕する。
今まで忘れようとしていた兄との大切な日々を一つ一つ思い出しながら、カズマは兄や兄とのヴァンガードへの想いを語り、シラヌイに支配された本物のカズミの心に呼びかけ、カズミの意識をわずかな間だが表に出すことに成功し久々に本当の意味での再会を果たす。
しかしようやく対話することの出来た兄から聞けた言葉は、成長した弟の姿を讃えながら弟を守れなかった己の無力さを嘆く悲壮なものであった。
カズミはカズマを鬼丸の家から守ることが出来ず、存在するだけでカズマを傷つける自分は消えてしまえばいいと自らの運命を呪っており、その想いがシラヌイの強制ディフライドを許してしまったと思われる。
弟を想うが故に自分の存在を否定したまま、カズマに別れの言葉だけを残しカズミは再びシラヌイに支配されてしまう。
このファイトでは惜しくも敗れてしまうカズマだったが、決して兄を取り戻すことを諦めないと言い残し、クロノに後を託した希望を潰えさせない敗北だった。
そして、クロノとのファイトを経て自分の考えを思い直したシラヌイは敗北し、ヴァンガードを呪う気持ちを改める。
本来ならば自分の先導者であるカズミとも和解し弟と向き合うよう諭しながら彼に肉体を返しクレイへ戻って行った。
意識を取り戻したカズミの目に、兄を案じる弟の姿が映る。
カズミはカズマに手を伸ばし、カズマもその手を握り返し、ずっと擦れ違っていた兄弟二人はようやく想いを通じ合わせた。
U20を終えてからは、待ち合わせをし幼き日の頃のように楽しくファイトをするカズマとカズミの姿があり、照れくさいのかカズミの「まぁくん」呼びを止めさせようとするカズマだったが、カズミから「おにいちゃん」呼びを求められた際は赤面して口に出来なかった。(「兄様」はどうやら鬼丸の家から強制された呼び方だったらしい)
トライスリーを前にして大はしゃぎするカズミをカズマが窘めたり、シラヌイのディフライドによって皆に迷惑をかけたことを詫びるカズミと一緒にカズマも頭を下げたりと、すっかり兄弟の絆を取り戻した二人の仲は大変睦まじいものだった。
NEXTからの続編であるGZでは、クロノにカズミのことを兄貴呼びかおにいちゃん呼びか訊ねられて顔を茹蛸のように真っ赤にするカズマの姿が見られた。
果たしてどのように呼んでいるのだろうか。
GZ5話では、使徒の手からカズマを守る為に少々煙たがれながらもカズミはカズマに張り付いていた。
幼い頃に引き離されてしまったトラウマのせいもあるのか、なかなかの過保護っぷりである。
尚、この時のやり取りをする際には兄弟二人で一つのポテトをシェアしながら食べている。文句を言いながらもやはり仲の良い兄弟である。
しかし、カズミが僅かな間目を離した隙にカズマは攫われてしまい、必死にカズマの乗る船を追走するカズミだったが生身では追いつくことは叶わずカズマはレリクスに幽閉されてしまう。
余談だがこの時にカズミがカズマの名前を叫んだ回数は12回。1話分の台詞の大半がカズマの名前を呼んだものである。(カズマの中の人曰く、「一年分カズマと呼ばれた」)
カズマは未だ気恥ずかしいのか呼び方を定めきれていないのか「兄様」とも「おにいちゃん」とも口にしていなかった。
カズマが無事にレリクスから救出された後は、案の定というべきか、自宅のベッドで横たわるカズマの傍らで正座で構えているという付きっきりの護衛の姿勢を崩さないカズミが居た。
これにはカズマもため息をつくしかなかった。(それでも前回とは違い文句は言わなかったのは自分の行動で兄に心配をさせてしまったことを自覚しているからだろうが)
ちなみに、情報局でのアニメ豆知識によるとカズマとカズミは異母兄弟であるとのこと。
二人が引き離されてしまった理由はこの辺りにあることが察せられる。
その後、友人であり兄弟を救ってくれた恩人でもあるクロノを守る為に使徒達と対峙するカズマであったが、激闘の末にカズマもまたギーゼの器として適合してしまい、ギーゼに乗っ取られてしまう。
カズミがクロノの護衛の為にカズマと別行動をしていた間に起こってしまった悲劇である。
ギーゼと化したカズマと再会したカズミは、かつて自分がカズマにされたようにその魂に呼びかける為、ファイトを挑む。
幼い頃から鬼丸家の重圧に縛られていたカズミにとって、共に笑い合い成長し合う弟のカズマが何よりも大切だったこと、故に守れなかった後悔や一度は全てを諦めた自分に消えるなという想いをぶつけて来てくれた感謝の気持ちを明かし、ギーゼの中のカズマの魂と呼応することに成功するが(この際カズマはカズミのことを「兄さん」と呼んでいたので呼び方についてはそこに落ち着いたようだ)、ゼロスドラゴンを従え完全覚醒したギーゼの前に敗れてしまう。
負けて尚、弟を想うカズミはその回の次回予告にて好きではなかった自分の「カズミ」という名前が「カズマ」という似た名前の弟の存在を知ってから好きになれたと告白し、「もう二度とさよならは言わない」と決意を示した。
敗北後、カズミは最後にカズマと会った浅草の桜橋付近に倒れており重傷ながらも、カズマの意思が自分を安全な場所まで逃がし彼はまだギーゼに完全には取り込まれていないという可能性をクロノに伝えた。
その後、クロノの手によってギーゼから解放されたカズマはカズミの元に降り立ち、カズミは空から降って来た弟を抱き留め意識を取り戻したカズマと熱い抱擁を交わした。
……ギーゼから救出された直後で致し方ないことなのだが、この時のカズマは一糸纏わぬ姿でカズミに抱きかかえられている。(しかもその場に居合わせたベルノや後から駆け付けたタイヨウにバッチリ目撃されている)
上記のことから視聴者に多くの衝撃を走らせたシーンであるが、引き離されてばかりだった弟を涙を溢しながら愛しげに抱きしめるカズミの姿は非常に胸を打つ名場面であった。