伊クロ
いぶくろ
1期の前半までは、この二人の直接的な絡みは3話・22話・31話のみ。
ついでに言うと、伊吹は最終回までクロノに名前を名乗らなかった。
後に伊吹はクロノとハイメ・アルカラスのファイトをこっそり観戦しており、クロノもファイト前に彼とのファイトでの事を思い返している。
1期の後半では、伊吹がユナサン支部のチームディマイズのコーチであった事等からクロノと対峙するシーンも増えていく。
作中において、伊吹はクロノを気に掛ける事が多く、クロノも伊吹を意識して行動することが多い。
ネット上では一部のファンが、伊吹がカードを届ける際、1話と1期最終話でクロノの出席番号を知っていたり、カードと共に何故か蕎麦を届けた際家の住所がバレていたり、自転車に封筒が貼り付けられてたりしていた事でストーカー呼ばわりされたりしていたが、2期ギアースクライシス編でクロノ自身からストーカー呼ばわりされたがこればっかりは言われても仕方ないと思われる。
主人公と物語のキーパーソンという位置づけであることもあり、何かしら繋がりがあると思われる。
クロノ関連の繋がりとしては、1期の作中でクロノの父親新導ライブに砂漠の様な場所で出会っている。
二人の普段の関係性としては、1期最終話以降は味方であると認識はしたものの秘密裏に行動する伊吹に子供扱いされて信頼されていないと思い苛立つクロノ、と言った風である。
伊吹はクロノへ成長を促す為に幾度も試練を与え、時に助け、クロノは伊吹に悪態をつきつつもその試練に応えて来た。
そしてついに、ストライドゲート編にて、長い間ため込んでいたお互いへの思いを話し合い、様々な出来事を経て成長したクロノが伊吹の本質を見抜き理解した上で、今まで計画の為とはいえクロノに真実を隠し利用する形となってしまっていたことを謝罪する伊吹を受け入れ、ようやく仲間として打ち解けるに至っている。
初めてファイトをした際に伊吹に言われ、その後幾度となく様々な局面でクロノが反復して来た「ファイトにはその人間の全てが現れる」という言葉がまさに二人の繋がりを強め、かつて伊吹に言われた言葉をクロノが伊吹自身に返すことで二人の気持ちは通じ合った。
クロノも、自分をヴァンガードに導いてくれた伊吹には感謝しており、自分が超えるべき存在であり、信じるべき存在だと認識している。
伊吹もリューズとの最終決戦において、最初はクロノに対して過去の自分を重ねていたこともあって苛立ちを覚えていた部分もあったが、成長を見守り接してゆくうちにクロノ自身を信じその成長に喜びと幸福を見出すようになっていた心情が明かされた。
リューズに敗れはしたものの、伊吹は身を挺して封印されていたクロノ・ドラン及びクロノジェット、ネクステージをクロノの元へ奪還することに成功する。
力尽きた伊吹を抱きかかえながらクロノは、必ずリューズに勝つことを誓った。
この時に初めてお互いの名前を呼び合っている。(今まで、1期最終話以降はクロノは本人の居ないところで呼び捨て、伊吹はフルネームか苗字しか口にしなかった。)
伊吹の想いを受け取ったクロノは、リューズとの最終決戦に挑み、ファイト中に伊吹を愚弄した発言をしたリューズに激昂し涙を溢しながら伊吹の今までの真摯な心と自分の未来を開いてくれた感謝の想いと、絆を訴えた。
そして、伊吹の手によってもたらされたヴァンガードと、ヴァンガードによって生まれた仲間との絆の力を背負い、クロノはリューズに勝利する。
関係者曰く、「ヴァンガードGはクロノの成長の物語であると同時に伊吹の成長の話でもある」とのこと。
G1期から3期にかけて、クロノの進む道を陰で支える伊吹という関係性の形で物語は展開されて来た。
ストライドゲート編本編ラストを飾るファイトは、物語の始まりとなったこの二人が因縁や使命もなく楽しそうにぶつかり合う姿で締められた。
G1期22話にて、ファイト中に微かだが実体化したクロノのユニット攻撃を胸当てに受けた伊吹は、傷がついたままその後も身につけており、時折クロノを想う度にその傷を指でなぞる描写があり、公式アニメ情報においても「クロノとの思い出の胸当て」と言われている。(ただしクロノ本人には傷をつけた自覚はない)
尚、この胸当ては最終決戦にて伊吹の命を守るように、リューズからの一撃を受けた際に砕け散っている。
余談だが、この二人は公式によるカラオケ店のコラボメニューでは共通の材料が使われていたり(毎回ではない)一番最新のメニューでは「クロノと伊吹」というストレートな名前のメニューも出たりしている。
2期が始まってからはブースターパック「月煌竜牙」のパッケージを二人で飾ったり、月刊ブシロードの表紙も一度二人で飾っていたりもする。
ブースターパック、月刊ブシロードの表紙の際はCMも二人で出演している。
NEXTにおいては、22話目で久々の対話をする。
今期のキーパーソンである鬼丸カズミの怪しさにいち早く勘付いていた伊吹だったが、確信には至っていない為カムイにU20に参加して調査するよう依頼していた。
リューズ達との騒動が終わって平和な暮らしを送っていたクロノには自分の杞憂の範囲である為打ち明けられなかった様子。
クロノはひょんなことから事の次第を知ってしまうが、以前のように自分に隠し事をしていたから憤るというものではなく、伊吹が何かに巻き込まれてまた一人で問題を抱え込んでいるのではないかという彼の身を案じた意味でのものだった。
伊吹は巻き込みたくなかったとはいえクロノに黙っていたことを謝罪し、クロノはあまりに素直に謝り過ぎる伊吹を窘めていた。
伊吹は後日、時間を作って改めて事情を話すと約束し、クロノも必ずU20を勝ち抜けることを宣言し伊吹もそれにエールを贈った。
今までの出来事を乗り越えて、NEXTでは安定した関係になった二人の親しさが窺えるやり取りであった。
後日、約束通り伊吹から事情を聞こうとするクロノだったが、その前に伊吹からファイトを持ちかけられる。
また自分を計るような伊吹の行為に信頼されていないのかと憤りかけるクロノだったが、これまでの伊吹の自分への言動や性格から、信じていないから試そうとしているのではなく信じているからこそ今のクロノの力を知ろうとしていることに気づき、伊吹の真意を見抜いた上でその気持ちに応え、勝利する。
クロノの実力と成長を確認した伊吹はクロノにクソガキ卒業認定をした。
伊吹自身は仮にクロノが負けていたとしてもカムイ達に特訓を頼んで充分な力をつけさせてから件に連れて行くつもりだったらしく、そのことをカムイからクロノにバラされ、アイチにも心配性であることを指摘され、気まずそうにクロノに睨まれていた。
ちなみに、このファイトでの伊吹のクロノに対する「ようやくやる気になってU20に出たかと思えば…」という呟きから、高校生活でのクロノの無気力状態は本部長となり忙しくなった身でも少なからず把握していた模様。どこまでも心配性な男である。
ノームとの邂逅の帰り道に伊吹は一旦アイチ達と別れて二人きりの時間を設け、事件の詳細を知ったとしても必要な時が来ない限りは自分達のU20に集中してほしい旨をクロノに伝える。
クロノも伊吹の姿勢を理解し他の仲間達にも今は事件のことは伏せておくことを決める。
結局伏せきれずセカンドステージ終了後に休息と情報共有を目的に訪れた南の島にてクロノも伊吹も隠し事をしていたことをマモルやシオン達に叱られることになってしまうが、怒られながらも楽しそうに戯れるクロノと仲間達の光景に微笑む伊吹の姿があった。(この後伊吹もマモルに窘められるが)
NEXTの続編であるZでは、敵である使徒達にメサイアの先導者として命を狙われる伊吹と、破壊神ギーゼを宿すにもっとも相応しい器として付け狙われるクロノという位置づけで久々にキービジュアルに並んでいる。
Z本編の12話では、使徒のリーダーであるガスティールにより伊吹は異空間に拉致され、ファイトのダメージを受ける度に心臓に負荷がかかり命を削られる呪いをかけられてしまう。
伊吹の危機を知るや否やクロノは飛び出し(この時のクロノはレリクスとギーゼの紋章の影響なのか異空間での伊吹のダメージと呼応して右手の紋章が痛み出していたため、それを頼りに伊吹の居る場所へ繋がる空間の歪みをこじ開けた)ファイトの勝敗がつく前に肉体のダメージで力尽きそうになる伊吹の元へすんでのところで駆けつける。
そして、ファイトを引き継ぎ伊吹の代わりにガスティールと戦うことに。
普段クロノが使わぬメサイアデッキに加え、ダメージ5から引き継ぎ盤面的にもきつい状態でクロノが負けてしまうと伊吹が死ぬ極限状態からの参戦だったがクロノは盤面のユニットや手札の状況から伊吹がどのようにファイトをするつもりだったか瞬時に理解し、伊吹も迷うことなくクロノに後を託した。
この時のクロノはガスティールに「まるで自分のデッキのようだ」と感心させるほどに伊吹のメサイアデッキを使いこなしている。
今まで幾度となく伊吹とファイトをし、ファイトを通じてお互いを理解し合って来た二人だからこそ出来る芸当であり、クロノも「こいつ(伊吹)の戦い方は俺が一番知っている」と断言した。
ガスティールの盤面を削ぎつつ一気にカタをつけようとするも後一歩が届かず耐えられ切り札であるゼロスドラゴンを使われガード制限をかけられ追い詰められてしまう局面もあったが、伊吹のファイトを信じるクロノと、クロノを信じて託した伊吹はこれを防ぎ切り、次のターンで手札のない状態から見事ストライドを果たし、アタックの際はヴァンガードに触れるクロノの手に伊吹も自分の手を添え二人で一枚のカードを持つ形で声を揃えて、スキルの説明などは阿吽の呼吸で二人で交互に言いながら宣言するという凄まじいコンビネーションを見せた。
これまで築いて来た絆の強さと伊吹を絶対に死なせない決意を示すクロノと、クロノをギーゼの器になどさせない伊吹の想いを掲げて、ガスティールの宣う呪わしい運命を跳ね除けて自分達の選んだ運命を信じる二人は勝利を収める。
無事に帰還し、カードキャピタルへの帰路の途中で伊吹はクロノにクリスマスプレゼントと称してガスティールから回収したゼロスドラゴンを渡す。(ちなみにこの12話が放送されたのはクリスマスイブだった)
伊吹からの久々のプレゼントと受け取ったクロノはゼロスドラゴンだったことに少々困惑するが、伊吹からはお前なら正しく使えるはずだという旨の信頼を示される。
伊吹のデッキを使い、改めて伊吹の強さとヴァンガードへの覚悟を知ったクロノは伊吹にその覚悟の理由を訊くが、伊吹は「お前がおっさん(二十歳)になったら教えてやる」と返した。クロノはその答えにかつて初めて会った時の言葉を思い出したのか「相変わらずだな」と苦笑する。
つまりはクロノが成人したら自分の過去を明かすことを約束した伊吹だが、「酒のつまみにもならない話だがな」という言葉を添えている辺り、さりげなく将来成人したクロノと酒を酌み交わす約束もしているシーンである。
ちなみに余談だがこのZ12話は伊吹が体調不良のため、ほとんどのシーンでクロノが伊吹に肩を貸し寄り添い合っている。
Gシリーズ最終話となるEXTRA TURNでは、クロノと伊吹が今までの出来事の中で得たそれぞれの居場所で仲間達と平和な日常を送る話で締められた。
G一期開始の頃は孤独だったクロノが友人達と共に未来に進み、隠密行動の為に普及協会に入った伊吹が今や本部長となり多くの部下に慕われている姿は、これまでの物語を見守っていた視聴者にとって非常に感無量の光景となった。
コメント
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