概要
ダーククリムゾンは2000年から講談社のマガジンZ誌に連載されていたうるし原智志氏の漫画作品。
物語開始の19年前に千年間分断されていた人間と魔族(クライアント)の世界が繋がり、人間界を再び勢力下に置こうとする魔族の主流派と先代魔王と人間の間に生まれた吸血鬼である主人公・シオンの戦いを描く。
登場人物
物語開始時点では19歳だが、外見年齢は15歳。
「千年に一度、人間界と魔界の間の門が開く日に両方の世界の血を引いて生まれた」が故に、純血の上位魔族をも圧倒する潜在能力を秘める。
日光や流水等の吸血鬼の弱点とされるものの大半は平気であり、尚且つ切断された四肢を瞬時に癒着させる程の再生力を誇るが、普通の食料を食べる事が出来ず、人間の血を摂取しなければ生命を維持出来ない。
- レイン
シオンの初めての『吸血鬼の花嫁』で、彼が最後に定住していた村の神父の姪。
長身と漆黒の長髪の持ち主。
物語開始時点で20歳。
髪の毛から剣を作り出して白兵戦を演じる事も出来るが、真の力は<鎧>となってシオンと同化した際に発揮される。
能力としては火力と飛行能力に長けた高機動・重火力型。
- ヘレン
シオンの2番目の『吸血鬼の花嫁』で、物語序盤の事件で人間界と魔界の門を開こうとした魔族アシュリンに父母を殺され、声を奪われた少女。
銀のセミショートカットの美少女で、シオンに言わせると「レインより女の子らしい」。
物語開始時点で16歳。
類まれなる美声を持つ上に音楽センスに長けており、聴覚を拡大する事による索敵・情報収集能力と音波を武器に変換して対多数の敵を同時攻撃する制圧力が特長。
シオンの母で、人間ではあるが、夫ベルゼブルから譲られた<魔眼>で上位魔族並みの戦闘力を得ている。
物語開始4年前に後述のマイケルとの戦いで敗死。
享年32歳。
- アルテミス
シオンの普通の異母妹よりも少し近縁な(→母・リリスがシオンの従姉)妹で、純血の魔族。
シオン生誕直後に、人間界に逃走したシオンとマリアへの刺客として斬首死体となった父と洗脳された母との交配で受精したので、物語開始時点で18歳~19歳になったばかり。
本来は母の穏健思想を受け継いでいるが、伯父・ルキフェルの洗脳でシオンと敵対する。
シオンの父で先代魔王。
人間との穏便な共存を目指す魔族の中では穏健派であったが、物語開始19年前に甥のルキフェルにクーデターを起こされて敗死。
- リリス
ベルゼブルの姪でルキフェルの妹。
魔族の中では人間との穏便な共存を望む穏健派に属する。
- ルキフェル
魔族の現王で、ベルゼブルの甥でリリスの兄。
王族である上に、ベルゼブル同様の<魔眼>を持ち、尚且つ魔族の中では常識的な感性の持ち主であったので、物語開始19年前のクーデターの際に担ぎ出された。
『全力を出せば地球をも上回るパワーを出せる』と物語中で評されており、尚且つ脅威となる存在を出来るだけ迅速に排除しようとするなど魔族にありがちな相手を甘く見て失敗するタイプとは少々異なる。
ベルゼブル同様に自分の嫁さんに甘い、洗脳をシオンに破られる、自分に似た外見のサイファに力を中和される以外に欠点がほぼ無い。
- マイケル
ルキフェルの妻で、クーデターを起こした魔族の中でも夫共々別格の強さを誇る。
不可視の斬撃を得意とし、老化による体力低下と<魔眼>の一つをマリアに譲った事によって弱体化したとは言え魔王ベルゼブルを一撃で倒す程の攻撃力と王族クラスの魔族に対して一撃必殺になる程の爆発の爆心地でも傷一つなく耐え切る程の防御力を併せ持つ。
ベルゼブルの遺児同士を殺し合わせる、態と敵を瞬殺せずに嬲り殺しにする等、極めて趣味が悪い。
- サイファ
人間の対魔族組織・<赤き十字架>に所属する神父。
何故かルキフェルそっくりの外見をしており、彼の力を中和する特殊体質を有する。
用語
- 魔族(クライアント)
人間界と<門>で繋がる魔界に暮らす知的種族で、容姿は勿論、種としても一代雑種が出来るぐらいには人間に近縁。
自分達では『高き者』を自称する。
概ね2次性徴までは人間と同等の速度で成長し、その後は若いままの姿でかなりの年月を生きる。
個体としての能力で人間を上回る上に、人間の生気が好物、普通の人間は何らかの対処手段が無い限り魔族に逆らう事が本能的に難しいので、人間を『家畜』扱いするのが彼等の中では常識化している。
ベルゼブルやリリスのように人間と穏便な相利共存を望む者も居ない訳ではなかったが、先代魔王ベルゼブルが『人間を王妃にして吸血鬼を王太子に立てる』施策を強行した為に、主流派の怒りを買って物語開始19年前のクーデターで却って穏健派が粛清されてしまった。
- 吸血鬼(ダーククリムゾン)
魔族(クライアント)と人間(クリムゾン)の一代雑種で、普通の食料を食べたり、魔族の様に人間の生気を吸収して自身の体力に転化したりすることが出来ず、人間の血を吸って生命を繋ぐ必要がある。
人間界と魔界の両方の血を引くので、先代魔王ベルゼブルにロックされた二つの世界の門を開く為の生贄として絶好の性質を備える。
物語開始19年前までは穏健派の魔族の男性と人間の女性の間に時々生まれていたようだが、魔族の男が人間に化けて人間の女を孕ませるパターンが多かったので、吸血鬼の性質を知らない母親が授乳して結果的に我が子を餓死させる例が極めて多かった。
- 吸血鬼の花嫁
男性吸血鬼が共生相手にした人間の女性。
吸血鬼の男に血を供給する代わりに魔族の力を注ぎ込まれて、魔族としての性質を帯びている。
人間の頃の人格を保ち、尚且つ魔族の洗脳に高い抗力を有する上に、吸血鬼の男が殺されない限り不死身とされているが、大量に失血すると思考能力を失って手当たり次第に人間を襲う近所迷惑な存在と化す。
少なくとも20歳前後までは成長・老化する事が物語中で確認されており、2次性徴期で急激に成長や老化が遅くなる魔族や吸血鬼とは時間間隔が異なる。
この先、ネタバレがあります!
この作品、兎に角、性描写が過激なのである。
以下はその例
・<吸血鬼の花嫁>へのエネルギーチャージはセックス
・魔族に衣服を着る習慣が無いので、女性は敵味方問わず裸で戦闘を繰り広げる
・『家畜の健康状態を観察する為』と称して、事有る毎に人間を脱がせる
・主人公・シオンと妹・アルテミスはアルテミス洗脳下での近親相姦で童貞&処女喪失
・学生時代のシオンとレインの趣味は先生の青姦の覗き
特にヘレンは第2巻を通じて登場しているにも拘らず、着衣のコマは僅か2コマで、その他は長手袋&長靴下&靴を除くと素っ裸、無論、乳房も陰部も丸出しで通している。
また、流血描写も過激で、モブは無論、主要人物ですら
・心臓を抉られる
・生きたまま内臓を食われる
・左腕→左脚→首を切り落とされる嬲り殺しに遭う
と敗北⇒血の池地獄の流れに逆らえない。