概要
低身長の男性は生物的に弱い(はっきり言ってしまうと喧嘩が弱い)ので、他人に対して過度に攻撃的になるというコンプレックスのことを指す言葉である。この記事を読んでいる画面の前の皆様も、自分の知り合いにいる低身長の男性を思い浮かべて欲しい。何人かは攻撃的な性格だったのではないですか?
小型犬がよく吠えるのは体が小さく弱いため、その弱さを補わなければ命に関わるからである。大型犬は体が大きく強いので、吠えて弱さを補うなんてことがそもそも必要ないのである。
身長が平均的、若しくは高身長の人は仮に他人からナメられたとしても特に問題は無いのだが、背の低い男性は弱いため暴力に抵抗する力がなく、ナメられるとすぐにイジメの標的にされたり、最悪自分の命に関わる。故に自分の弱さを補うように他者に対し攻撃的になるのである。
また、背の低い男性は女性からの印象も良いとは言えない。女性は優れた遺伝子を持つ男を自身のパートナーにしたいと考える。これは自分の子供に強く生まれて欲しいからである。故に強い雄である背の高い男性を好む。逆に劣った遺伝子を持った背の低い男性を避ける。これは自分の子供が劣った弱者の遺伝子に汚染されることを本能的に避けて居るからである(これは自分の子供を守りたい一心からとも言える。)。背の低い男性は女性からあまり良い反応が取れず、自分が片想いしている女性を背の高い男性に奪われる等、このような経験から背の低い男性は性格が歪んでしまうのではないかという考察も存在する。
語源
ナポレオン・コンプレックスは、フランスの初代皇帝であるナポレオンにちなんで名付けられた。一般的な言い伝えでは、ナポレオンは身長の低さを補うために、権力、戦争、征服を求めたとされている。こうした考えは、イギリス人が醸成していき、促進してきた。例えば、イギリス人は、ナポレオンの生前と死後に、印刷物や芸術品で敵を貶めるプロパガンダキャンペーンを展開し、1803年、ナポレオンはイギリスの新聞で短気な小男と嘲笑されている。
研究
オランダのフローニンゲン大学のアブラハム・バンク教授は、ナポレオン・コンプレックスの証拠を発見したと主張した。同大学の研究者は、163cmの男性は198cmの男性に比べて、嫉妬の兆候を示す可能性が50％高いことを発見した。
2018年には、アムステルダム・ヴリエ大学の進化心理学者マーク・ヴァン・ヴュートのチームが、男性にナポレオン・コンプレックスがあることを示した。実験では身長2m前後の被験者グループと170cm前後の被験者グループで、配られたコインをどちらのほうがより多く相手に渡すかという実験をした結果、2ｍ前後のグループのほうがより多くコインを相手に渡したため、低身長の人間のほうが攻撃的という結論を出した。彼らの進化心理学的仮説によると、人間であれ動物であれ、競争的な状況においてオスが物理的に負けているという合図を受け取ると、ナポレオン・コンプレックスの心理が駆動するという。また、物理的に弱いオスは、間接的に攻撃性を示したり、連合を築いたりするなど、競争条件を平準化するための代替的な行動戦略をとるはずであるという。
