ズー・ドーパント
ずーどーぱんと
全身を様々な形状・色のディティールが覆う複雑な形状をしている。
メモリに宿る「動物園の記憶」により、1本のメモリで様々な動物の能力を扱う能力を持ち、手や脚をそれらの動物の部位へと自在に変化可能。やろうと思えば一度に複数の部位を別々の動物のそれに変形するキメラ的な運用もできる。
その能力の幅広さはいわばウェザー・ドーパントの動物版とでも呼ぶべき万能さであり、地球の本棚の検索で、このメモリに行き着いた亜樹子、照井、フィリップからはそれぞれ「一人動物園」、「反則なメモリ」、「大枚をはたいて『ゼブラ』や『ライオン』のメモリを買った者が可哀想になる」とまで評されている。
このメモリに行き着くのは非常に困難だったようで当初は使用した能力から飛行生物、続いてペガサスやキマイラなどのキメラ系幻獣を検索するも中々答えに辿り着かない事にヤケを起こした亜樹子は『動物大集合』というキーワードをフィリップに伝えた事で正解を引き当てた。
またズーメモリはファングメモリ同様ライブモードに変形する機能があり普段は黒い狼のような姿をしている。
「大自然の使者」を名乗り、風都最大のリゾート地・ZENON(ゼノン)リゾートの経営者である禅空寺家の命を狙った。
ちなみに使用した動物の能力は以下の通りである。
- 牙や爪(恐らく肉食獣)
- マントを翼に変えての飛行能力と突風(タカ)
- 弾力性に富んだ触手(蛇の尻尾)
- 鱗で作られた盾(爬虫類)
- 超音波(コウモリ)
- 4つの爪(鳥類)
- 水中での活動能力(イルカまたはサメ)
正体は禅空寺家の次女、香澄の使用人の弓岡あずさ。
このガイアメモリは本来、禅空寺家長男禅空寺俊英がガイアメモリ精製工場を建設する計画に必要な土地を手に入れるため、異母妹である禅空寺香澄を暗殺するという目的で入手した物であった。
しかし、この計画を知った弓岡はそれを阻止するため、彼に先んじてメモリを盗み出して自分を所有者として認証させ、その能力とドーパント変身の副産物としての変声作用で「大自然の使者」に扮し暗躍していたのである。
そして事件が進んだ先で『左翔太郎』の推理に動機と手口を暴かれた上で説得され、観念してメモリを渡そうとしたが、そこで俊英らの不意打ちでメモリを奪い返されてしまう。
実は彼の妻である禅空寺朝美はミュージアムの人間であり、ズーのガイアメモリも元々彼女を経由して手に入れた代物だったのだ。そのため夫婦間の地位も実際は朝美が上であり、真相発覚後からの俊英は横柄な本性を現した彼女に対して常に平身低頭だった。
特殊な機械によってメモリの設定が初期化されると、ようやく俊英が新たなズーメモリの使用者となり、彼の息がかかった長女の麗子や部下たちも生物系のガイアメモリを使って変身。圧倒的な数の差に得意気な様子だったが、翔太郎の「おチビちゃん」発言に激昂して襲い掛かったところを返り討ちにされた。
俊英側の13体のドーパントと共に仮面ライダーダブル、アクセルを襲うがサイクロンジョーカーエクストリームによって部下を全滅させられてしまう。
数の差で有利だったにもかかわらず追い詰められた事実に臆病風を吹かれてしまい、妻の朝美が変身するクインビー・ドーパントが撃破されたことで慌てて空中へ逃亡。
しかし、電磁ロープでついてきたダブルに地上へ落とされると翔太郎の気取った挑発に再び激昂する。
「私を見下すなと言っているだろうがぁっ!!」
俊英は低い身長がコンプレックスとなっており、それ故に自分自身を大きく見せようと尊大な態度や悪行に身を委ねており、その歪んだ権力志向が今回の事件の行動原理になっていた(彼が変身したドーパント体も弓岡の個体より小柄である)
しかし、そんな自分の弱さを棚に上げた彼にダブルは決め台詞をぶつけると、「ダブルエクストリーム」でメモリブレイクされた。
なおメモリブレイク後翔太郎から「とっちゃん坊や」と皮肉混じりに呆れられている。
ミュージアムのエージェントが変身するドーパント。
組織の協力者である俊英のサポートを使命としているが、それ以外にもとある重要な役目を組織から与えられている。
詳しくは該当記事を参照されたし。
※上記イラスト右側
俊英の妻で組織の人間でもある禅空寺朝美が変身する。
ビー・ドーパントを自爆させる能力を持つ。針状の武器を扱う上に蜂よろしく空中を飛行できる。更に毒を操る能力があるらしく、その事から明言はないものの禅空寺惣治を暗殺したのは彼女だと推測される。
「ビッカーチャージブレイク」で倒された。
※上記イラスト左側
禅空寺家の長女でモデル業も営む禅空寺麗子が変身する。
自在に動くムチが武器。披露しなかったが地中戦が得意との事。弱点である顔面をビッカーシールドで殴られメモリブレイクされた。
姿は花弁の中央に顔があるらしく、おそらくアネモネ怪人に似ているものと思われる。
また、もし映像化していれば仮面ライダー電王のアイビーイマジン以来久々(平成二期では初の)植物をモチーフにしたライダー怪人であったりする。
- ビー・ドーパント
※上記イラスト右端
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人で合計3体存在する。
クインビーの量産型で自爆能力を持つ。1体はプリズムソードの斬撃、もう2体はサイクロン・ルナ・トリガーの「ビッカーファイナリュージョン」を受けメモリブレイクされた。
- エイプ・ドーパント
※上記イラスト左端
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人。
跳躍力と格闘能力に優れ、爪を武器としているようだったが、何分屋内だったのでそうした能力は活かされなかった。他のドーパントにも言える事だが、リゾート地という風土に合わせて動物系を選んだまでは良かったが、場所を選ぶのを間違えている…。
「プリズムブレイク」でメモリブレイクされた。
- ドルフィン・ドーパント
※上記イラスト中央
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人。
頭部の背びれが弱点でそこを攻撃され戦闘不能になり、アクセルにメモリブレイクされた。
水中戦が得意だったようだが、何分今回は陸での戦いだった為にあまり活かされる事は無かった。完全な人選ミスである。
- エレファント・ドーパント
※上記イラスト左端
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人。
厚い皮膚に体を覆われ、長い鼻が武器だが弱点でもありそこを攻撃され戦闘不能になり、アクセルにメモリブレイクされた。
- サラマンダー・ドーパント
※上記イラスト右端
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人。
再生能力があるがプリズムソードで再生器官を焼かれ、アクセルのエンジンメモリのマキシマムドライブでメモリブレイクされた。
- フィッシュ・ドーパント
※上記イラスト中央
ZENONリゾートの社員が変身するドーパントの1人。
鋭い歯が武器。クインビーと共に「ビッカーチャージブレイク」で倒された。
※上記イラスト右端
物語序盤に登場。ベテランのサッカー選手である財前勇一が変身する。
尋常ではないスピードで動き回る事が出来、サッカー選手なだけに前蹴りを得意技としている。
「メタルツイスター」で倒された。
動物型だが禅空寺家とは全くの無関係。
今作に登場したガイアメモリとW本編にモブとして登場したガイアメモリはコンプリートセレクションに収録されている。
また、ファングメモリをダブルドライバーのソウルサイドに、ズーメモリをボディサイドに装填する事で収まりのいい形状になる。また、この時のズーメモリの機獣部分はさながらバイクの形に見えるのでWの派生形態と考えても中々に違和感がない。もし、ズーメモリが俊英の手に渡っていなければ、彼はWの心強い味方になっていたのかもしれない。