概要
『ナンバMG5』の続編に当たる作品。前作では喧嘩、ギャグエピソードが多かったが本作では人間関係、進路といったエピソードを重点に置いたシリアスな展開が多くなっている。それに伴ってか、前作ではコミカルな描写、作画が多かったのに対し、今作ではそれらは殆どなくなり、作画も繊細なタッチとなった。
ヤンキーと高校生の二重生活をしている主人公、難波 剛が三年生になったところから物語は始まり、そこから次々と起こる騒動を描いた作品である。
あらすじ
筋金入りのヤンキー一家で育った主人公、難破 剛(なんば つよし)は幼い頃から両親、兄から教育を受け、中学時代は中学14校を傘下に持つ萬田中学のアタマを張るほどのヤンキーだった。しかし、喧嘩に明け暮れる日々の中で普通生活に憧れ、家族には内緒でヤンキー校である市松高校の向かい側にある真面目な白百合高校に進学し、逆高校デビューを果す。家ではヤンキー、学校では優等生という二重生活を送っていたが友人が不良に絡まれている際に特効服を着て不良を下す等という人助けを繰り返していく内に、本人の思いと反し「特服」として名を馳せていき、事実上関東制覇を果たす(ナンバMG5)。本作はそんな剛が高校三年生に進級した時点で開始される。
美術部部長となった剛は、生徒会長に選出されるなど真面目な高校生活を送っていた。前作同様、自校の生徒が不良に絡まれている際は「特服」として活躍していたが、「特服」として行動するたびにその名は広がり、剛に挑むため白百合生徒が絡まれる事が増えていった。剛の正体を知る友人に助けられ、高校生活を楽しく過ごしていたが、妹である吟子(ぎんこ)の白百合高校入学を始めとした様々なトラブルが生じ、剛の二重生活は終わりへと近づいていく。
登場人物
難破一家
難破 剛(なんば つよし)
本作の主人公。ヤンキー一家、難破家の次男。物語開始時は高校三年生。ヤンキーとして動く際は特効服を着用するため、通称「特服」
中学時代で喧嘩の毎日に嫌気がさし、白百合高校へ入学する。美術部の部長を務めており、生徒会長も兼任する。
難破 猛(なんば たけし)
難破家の長男で剛の兄。
かつては高校時代に関東制覇を成し遂げたヤンキーのカリスマで、作中最強の人物。前作から剛が何か隠している事を察している様子。
難破 吟子(なんば ぎんこ)
難破家の長女で剛の妹。
ヤンキー一家に育てられた為か頭のネジがゆるんでいるおバカキャラ。しかし前作で出会った佐藤 順一(さとう じゅんいち)から柔軟な思考の持ち主と明かされており、佐藤と共に勉強に打ち込み、剛が在学しているとは知らないまま白百合高校へ入学する。
難破 勝(なんば まさる)
難破家の家長で、剛の父。職業はトラック運転手。
元ヤンでかつては千葉制覇をしている。幼い頃から剛をヤンキーとして育てた。
難破 ナオミ(なんば なおみ)
難破家の主婦で、剛の母。ヘビースモーカー。
元レディースで下手な男より気合が入っている。剛の為に20万円かけて特効服を自作し、常に持ち歩くように念を押している。料理が上手く、唐揚げは絶品。
剛の協力者
伍代 直樹(ごだい なおき)
剛の二重生活を知る人物の1人。本作では三年生に進級しており、市松高校の実質的なアタマとなる。
クールな性格をしているが、常に剛を助けてきた最大の理解者。
大丸 大助(おおまる だいすけ)
千鳥商業高校の生徒。剛の二重生活を知る人物の1人。
喧嘩は強いが深く考えるのは苦手意識でよく頭がパンクする。剛とは藤田を巡る恋のライバル。
駿河 鉄人(するが てつと)
剛の二重生活を知る人物の1人。剛の中学時代の後輩で「鉄」と呼ばれる。
舎弟として剛を尊敬しているが、剛のシャバい姿には納得しておらず、元のヤンキーに戻って欲しいと思っている。
白百合高校
藤田 深雪(ふじた みゆき)
剛のクラスメイト。美術部に所属。
剛が入学当初から思いを寄せているが、その思いに気づいている様子はなく、逆に「特服」に惚れている。授業中によく居眠りをしており、成績は良くない。容姿端麗で作中でもよく可愛いと言われる。正義感が強いため不良に絡まれている生徒を見ると放っておけず、度々トラブルに巻き込まれていた。
島崎 登(しまざき のぼる)
剛のクラスメイト
中学時代はイジメられており、自分を変えるために高校デビューしてヤンキーになったが、不良相手には萎縮してしまう。「特服」をアニキと慕っている。
守田 巻(もりた まき)
剛のクラスメイトで、藤田の親友。
牧野 弥生(まきの やよい)
美術部に所属している元レディース。
かつて特服姿の剛に救われたことで思いを寄せており、特服を探している。