概要
ニコンは2013年に「Nikon 1」シリーズでミラーレスに参入していたが、この1シリーズはセンサーが「CXフォーマット」というごく小型の独自規格で、フルサイズ(ニコン流に言うと「FXフォーマット」)のセンサーを搭載したのはZシリーズが初めてとなる。
ちなみにフルサイズのミラーレス機をリリースしたのはソニー(2013年の「α7」)、ライカ(2015年の「SL」)に次ぐ3社目。
2018年9月28日発売の「Z 7」を皮切りにラインナップを揃えつつあり、2024年現在ではフルサイズ(FX)・APS-C(DX)ともハイエンドからエントリーまでが揃っている。
Zマウント
ミラーレス化に伴い、従来のFマウントに替わる新たなレンズマウント「Zマウント」が導入された。
内径がFマウントの47mmから拡大され55mmとなり、ツメの数も3本から4本に増えている。これにより、レンズ設計の自由度が増したとされるほか、レンズ交換時に回す角度が減っており(60°→40°)、レンズ交換の手間が減ったという。
なお、他社同様、FマウントのレンズをZマウントのボディで使えるようにするアダプター「FTZ」が発売されている。
カメラボディ一覧
2024年7月現在、新規生産されている機種を紹介する。生産終了した機種はメーカーサイトを参照のこと。
リンク先はメーカーの紹介ページ。
フルサイズ(FX)機
UNSTOPPABLE : いついかなる時も、静止画・動画を問わず、あらゆる瞬間を確実に。 |
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2021年12月24日発売。
縦グリップ一体型のフラッグシップ機。
次世代処理エンジン「EXPEED 7」を採用し、Z 7 II比でおよそ10倍の処理速度を実現。
一眼レフのフラッグシップ機「D6」に搭載された「グループエリアAF」と「3Dトラッキング」をZシリーズとして初めて採用した。さらに「Real-View Finder」と題し、これまたニコンのミラーレス一眼初となるブラックアウトフリー機能を搭載。
またメカニカルシャッターを廃止し、電子シャッターのみとしているのも大きな特徴。メカシャッターレスなカメラはZ 8を除けばソニーの「VLOGCAM ZV-E1」ぐらいしかなく、フラッグシップ機をメカシャッターレスとしているのは、2024年7月現在ニコンだけである。
READY. ACTION. : 静止画でも動画でも決定的な瞬間を逃さない ― 敏捷さがもたらす、確信。 |
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2023年5月26日発売。
メカシャッターレスなど基本性能はZ 9とほぼまったく同じだが、プロユース向けの一部機能や縦グリップをオミットして大幅に軽量化したモデル(Z9は1340g、Z8は910g)。
Z 9では記録媒体にCFexpressカード・XQDカードしか使えなかったが、Z 8ではSDカードも使えるようになっている、など、汎用性にも気が配られている。
世界のすべてを描ききる。映像に臨場感をもたらす、高画素フルサイズミラーレス |
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- Z6III
OUTPERFORM : 想像を超えた表現が待っている。 |
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- Z 6II
映像フィールドは、もっと豊かに。静止画と動画に歓びを、ハイブリッドフルサイズミラーレス |
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創造力を、解き放て。Zマウントの高画質を軽快なフルサイズで手に入れる。 |
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2020年8月28日発売。
フルサイズのエントリー機種であり、出費は抑えたいがフルサイズ機に手を出してみたい...という際に候補になる。
愛しさを形に ― 手と、目と、心を通して自分にしかできない表現を。 |
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2023年10月27日発売。2013年発売の一眼レフ「Df」の後継ポジションに当たる機種。
今なお人気の機械式フィルム一眼レフ「FM2」にインスパイアされた、クラシカルなデザインが特徴。そのためシャッタースピードやISO感度選択はボタンではなく物理ダイヤルで行う。またレンズキットに同梱されるレンズ「NIKKOR Z 40mm f/2」は、昔のマニュアルフォーカスレンズを彷彿とさせる「SE」仕様となっている。
"f"は"Fusion"(融合)を意味し、「70年以上にわたるニコンの革新と精緻なものづくりの伝統、最先端のフルサイズミラーレス技術の結び付き」を表しているという。
ボディカラーはブラックのみだが、「プレミアムエクステリア」と題して革部分を5色(ブラウン・ブルー・グレー・グリーン・オレンジ)から選んで張り替えられるキャンペーンが実施されている(終了時期未定)。
APS-C(DX)機
- Z 50
描きたい毎日がある : 高い描写力と多彩な表現力を小型・軽量ボディーに凝縮。 |
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伝えたいがあふれる。感動がひろがる。 |
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2022年8月5日発売。
VLog撮影やスマートフォンのカメラからのステップアップに訴求したエントリー機。
ファインダーを非搭載としライブビューのみとすることで、Zシリーズ中最もコンパクトかつ軽量なボディを実現した。またエントリー機ながら画像処理エンジンはZ 7・Z 6と同じ「EXPEED 6」を搭載しており、JPEGと12bitRAW同時記録で最大11コマ/秒での高速連写が可能。
撮っている時間も持っている時間も楽しい、自分らしさが表現できるミラーレスカメラ |
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2021年7月23日発売。
NIKKOR S-Line
ニコン独自の設計指針と品質管理をさらに厳格化した NIKKOR Z レンズの中でも、さらに高い基準を満たすレンズにつけられた称号のこと
同社が販売する無印レンズ(Zマウント)の違いは
•あらゆる状況下にも対応する堅牢性
•フレアゴーストを抑えるアルネオコートが付与されてる点(レンズによって搭載の有無がある)
•従来のレンズよりシャープさが出る
など様々である