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ハッピーエンドのあともハッピーエンド

はっぴーえんどのあともはっぴーえんど

「ハッピーエンドのあともハッピーエンド」とは、2015年にブラック・ウルフによって制作・配信された、ADVフリーゲームである。
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概要編集

本作はRPGツクールによって制作され、2015年にふりーむ、フリーゲーム夢現などのフリーゲームサイトにて配信された。製作者は、RPG&鬱ゲー制作でお馴染みのブラック・ウルフ氏。


前作は2010年に配信された「ハッピーエンドのあとに」で、エンディングの数を追加&結末を全てハッピー(?)エンドに改正したのが本作である。

ゲームはすでに魔王を倒した後のセーブデータから始まり、パーティを育成して敵を倒す、という要素は本作にはなく、基本一本道のストーリー形式で選択肢によって4つのエンディングに分岐する。ハッピーエンドで終わったはずのRPGのストーリーに、鬱要素を多分に取り入れてその続きの世界を描き、ある意味では王道RPGのアンチテーゼと言える作品である。



あらすじ編集

RPGのラストにおいて、勇者はついに宿敵の魔王を倒して、世界に平和をもたらした!誰も文句なしの大団円のハッピーエンド…とプレイヤーの視点で見ればお話はそれでおしまいだが、ゲームが終わった後も彼らの生活は続いていく。勇者が魔王を倒した後の世界は果たして本当にハッピーエンドと言えるのだろうか?という切り口で、魔王討伐から1年後の世界を舞台にしたのが本作である。


女戦士・サリアは、勇者・ニルスのパーティに加わり、同じく戦士のゴドーと一緒に、長きにわたり国を困らせてきた魔王をついに倒すことに成功した。そして、世界に平和をもたらした。国民は魔物の脅威から解放され、国王も大喜び。仲間は実力を買われて大出世し、何もかもが丸く収まった。ようやく訪れた平穏を人々は決して離さず、この幸せはいつまでも、いついつまでも続いていくに違いない……とそう信じ、サリアは仲間の中で唯一城を離れて、自分の故郷の小さな村に戻った。


そして1年後、久々に城下町に戻ってきたサリアの目に映ったのは、人間たちの醜く争う姿であった…。富裕層と貧民層の深刻な格差、またそれによる軋轢、兵士は権威を振りかざして貧民に容赦なく暴力を振るい、生き残った魔物は広場で人間によって虐殺されて見せ物にされる…など、平穏とは似ても似つかない光景が目の前には広がっていた。かつての戦友・ゴドーも権力を振りかざして、人が変わったかのようにサリアに接するが、勇者・ニルスだけは一人国の真の平和を目指して奔走していた。二人は再会を喜び、腐敗した世界に疲弊し切っていたニルスは、サリアに対して密かに抱いていた想いを打ち明ける。

果たしてサリアの返答は…?




登場人物編集

ニルス編集

勇者ニルス

オレンジ色の髪と、ヘアバンドが特徴的な一国の勇者。桁外れの強さと人並みはずれた優しさを持つ。魔王討伐後は国王の娘と結婚し、王子として次期国王の地位に据えられた。民の平和のために魔王を倒し、以降も平和な世界を実現するために一人奔走する。


自身が魔王を倒してしまったことにより不幸になってしまった人々、また戦争によって自身の手で殺した人々への罪悪感に常に苛まれている。

国王には人間兵器として他国との戦争に駆り出され、権力を手にして豹変する旧友に絶望し、国の最下層民のために食糧や薬を調達し、人間によって虐待される魔物の姿を見て心を痛めるなど、サリアと再開するまでの一年間で完全に疲弊し切っていた。

妃と結婚する前から恋心を寄せていたサリアと1年ぶりに再会して以降は、自身のそのような状況に限界を迎えたために、思い切った行動に出るようになる。



サリアに対する執着が異常で、エンディングによってはヤンデレ王子」に豹変して、自身とサリアの幸せにおいて邪魔になる者を容赦なく殺していく一面を見せる。普段の温厚で、弱きものにまで優しい勇者としての姿からは想像もつかないほど、暴力的なことに手を染め、その対象が王や旧友、妻、はてまた国であっても容赦することはない。ただし、元来からこの性格であるというわけではなく、みんなの平和のために自身を犠牲にしすぎた故の反動で、唯一の心の拠り所であったサリアへ激しく依存してしまったものだと考えられる。



サリア編集

サリア

ポニーテールが特徴的な女戦士で、ニルスのパーティーに加わり魔王を倒した。魔王討伐後は故郷の小さい村に帰っており、街の荒んだ現状を知らずに平穏に過ごしていた。


凛とした意志の強さを持ちながら、心優しく、弱者が痛めつけられる世界に対して嫌悪感を示している。あるエンディングでは国の統治者となるが、差別のない平和な国を作る統治を行なった。

ニルスとは基本的に両思いであるが、サリアはニルスが魔王討伐後すぐにニーナ姫と結婚してしまったために、自分から彼に告白することは決してなかった。ときとしては自身の感情よりも理性を優先し、ニルスと結ばれることと、それによって国が崩壊してしまうこととの葛藤に悩まされている。



ゴドー編集

ゴドー

ツノがついた鎧に身を包み、ニルス、サリアとともに魔王を倒して国の戦士長にまで出世した戦士。元々は温厚な性格だったが、権力を手にしてからは毎日酒を浴びるようにのみ、気に食わない国民に暴力を振るっては即牢屋に送るなど暴力的な治安維持を行うようになった。そのためかニルスとはしょっちゅう意見の食い違いを起こし、元々人並外れた才能と人柄を持つニルスに対してのコンプレックスがあるようで、次第に彼に対する嫌悪感を強めていくことになる。家族を魔物に殺された仇うちとして魔王退治には参加したが、平和になってからは熱意を持ってやりたいことがなくなったために、酒と暴力に執心してしまった様子。END4ではサリアと結婚していることから、サリアに対して恋心を寄せている(?)。



ニーナ姫編集

ニーナ姫

ピンク色の髪が特徴的な国王の娘で、魔王を討伐した勇者に愛慕の念を寄せており、王の勧めのおかげでニルスと結婚する。しかし、多忙でなかなか2人きりの時間を取れないニルスに強い不満を抱くようになり、金で雇った男たちを周囲にはべらせるようになる。ニルスや家来の目の前でも堂々と不倫を行い、ニルスには顔を合わせるたびに嫌味を吐く。そのためか夫婦関係は1年で即座に悪化しており、ニルスにも周囲の人間にも愛想を尽かされているニーナ姫は、4つのエンディングの中でどれも悲惨な運命を辿っている。


エミール編集

ニルスとニーナ姫の間の子供(ただしニーナ姫の不倫のため、ニルスが実の父親かは不明)。END1にのみ登場する。歳の割には賢く、弁が立ち、建前に隠された大人の本心も鋭く見抜いている。多忙な父と男遊びのおさまらない母親からの愛情に枯渇しており、子育ては、家来に丸投げされていた。しかしながら健気に親の愛を求め、また人間によって虐められていた魔物を助けるなど、非常に心優しい少年として成長していた。あの時までは…。


ツトム編集

本作をゲームとしてプレイしている人で、メタ的な存在。エンディング後、あまりにも救いのない鬱展開に対して思いっきり苦言を呈して、本作をクソゲー扱いしてゴミ箱に捨てている。ひきこもりであるようだが、最後にペアの旅行券が当選したり、家族ともども宝くじが当たったり、突然美少女が家にやってきて求婚を迫られるなど、絵に描いたようなハッピーエンドを迎えている。しかし、ニルスらがそうであったように、ハッピーエンドの後にはそれを覆すような不幸が待っているのでは…。





結末編集

本作は4つのエンディングから成り立つ。ニルスと一緒に城に入る場合と、ニルスと一緒に街の外に出た場合に、それぞれ2つのエンディングに分岐する選択肢が発生する。どちらの場合も、ニルスからの告白を承諾するか・断るかというところで派生する。エンディング名はこちら側で勝手に名付けたもの。作者によれば、どのエンディングもハッピーエンド…ということらしい。


END1:不貞エンド編集

ニルスの城に泊まり、ニルスからの告白を受け入れることで到達するハッピーエンド。













ニルスとサリアが秘密裏に結ばれた数年後、ニルスとニーナ姫の間の子供・エミールは元気に成長していたが、両親からの愛情に飢えた日々を送っていた。そんな中でも心優しく育ったエミールは父・ニルスを慕い続けた。


ある日、街に遊びに出たエミールは、人間によって殺されようとしていた魔物を助ける。その日の晩、ひとりでにどこかへ外出するニルスの姿を見かけたエミールはその跡をつけると、小さな村のある民家にたどり着く。ドア越しに様子を伺ったエミールは絶句する。なんとそこには、サリアとの間にできた赤子を自分よりも遥かに可愛がるニルスの姿があったのだ。

父に対して失意の念に暮れたエミールは、助けた魔物と結託して、両親の暗殺、そして人間国家を転覆させて魔物支配の復活を謀るようになるのだ。計画は確実に成功の兆しを見せている。めでたし、めでたし。


END2: 狂人エンド編集

城でのニルスの告白を断ることによって到達するハッピーエンド。












ニルスヤンデレENDの1つ。


ニルスの告白を断った翌日、サリアが目を覚ますと、ニルスが城に民衆を集めていた。そして突然、国王がゴドーによって殺害されたこと、そして国王殺害を実行したゴドーを粛清したこと、その手引きをしたニーナ姫がどこかへ姿をくらましたことを発表し始めた。その荒唐無稽な根拠のない発表に皆疑問を抱いたものの、ニルスは反感の意を示した者を容赦なくその場で斬り殺した。ニルスは国の主要人物がいなくなった今、この国を収められるのは自分とサリアしかいないと主張し、サリアに接近するものの、狂ったニルスに対して嫌悪感を示したサリアは「近づかないで」という言葉だけを残してニルスの元を去った。


それから数十年の時がたち、年老いたニルスは遠くで暮らしていたサリアの元を尋ね、余命宣告されたために人生の最期の瞬間をサリアと過ごすことを望む。サリアにこれまで直接近づかなかったニルスだが、常に部下を使って監視させており、ついにはサリアを誰とも結婚させなかった。目も耳も悪くなり、何も反応を示さないサリアの元へ一方的に近づいたニルスは、人生の最期をサリアと共に過ごしためでたし、めでたし。


END3:生き残りエンド編集

街の外へ移動し、ニルスからの告白を承諾した際に到達するハッピーエンド。










ニルスヤンデレENDの1つ


国の平和を守ることに疲弊したニルスは、サリアとともに国を捨てて遠くへ旅に出ることが叶った。しかし追っ手が来ることを危惧したニルスは、国を徹底的に破壊し尽くし、国民を全員虐殺してから、サリアと旅に出発した。


それから時はたち、人里から遠く離れた場所で幸せに暮らしていた2人のもとに、突然魔物がやってくる。身構える2人だったが、魔物が彼らに告げたのは衝撃の事実であった。なんと、人間界で生き残っているのはサリアとニルスの2人のみで、残りの人間は人間同士の争いによって勝手に滅びたとのこと。その事実を知って歓喜した2人は、これ以上人間を世界に産み落とさないために子供は決して作らず、その後世界は魔物たちが再び繁栄の時代を迎え、宇宙が滅びるその時まで争いのない平和が続いていった。めでたし、めでたし。


END4:処刑エンド編集

街の外に移動し、ニルスからの告白を断った際に到達するハッピーエンド。












サリアに告白を拒絶されて深いショックを受けたニルスは、その日から行方をくらます。そしてニルスが皆の記憶から忘れられ始めた頃に、ニルスは街にふらりと戻ってきた。そこで目にした光景は、失踪前よりも遥かに荒れた国の姿。そして、ニルスが国を空けていた間に、ゴドーがニルスの位置に成り替わり、さらにはサリアがゴドーと結婚してともに国を統治していた。

国の統治体制に不満を爆発させ、城に反乱を起こしにきた国民の前で、ゴドーは国の混乱の原因が全てニルスにあると示す。完全に国民たちから憎悪の念をいっせいに向けられたニルスは、牢屋に閉じ込められ、処刑されることが決定する。サリアはニルスを心配して逃がそうとするものの、国民の憎悪の対象になったこと、愛するサリアがゴドーに取られたことで全てどうでも良くなったニルスは、何も抵抗せず刑に処されようとする。


しかし、刑の執行直前に天使が到来し、ニルスの命を救った。ニルスが実は普通の人間ではなく、やはり普通の人間よりも遥かに優れた才能を与えられた「神の子」であると判明する。天使はニルスを労り、天界に連れ返そうとするが、普通の人として生きたいと願うニルスは天使の提案を拒否。天使はニルスをあっさりと見放し、結局ニルスは死んでしまった

ニルスの死後、ゴドーはサリアに距離を取られて孤独のまま早逝し、サリアは差別のない平和な世界を目指して長きにわたって国を治め、死後はニルスの隣で眠ることを願った。めでたし、めでたし。



前作との違い編集

前作の「ハッピーエンドのあとに」では、エンディングは1つしか存在していない。しかも、かなり後味の悪いものとなっている。











続編のEND1、END2と同様にサリアを城に泊めたニルスであったが、サリアに告白する寸前で自らそれを思いとどまり、サリアに自身の疲弊した心情を吐露した後、目の前で塔から飛び降りてしまう。特にその後のフォローはなく、プレイヤー視点であるツトムにクソゲー認定されて、掲示板に批判を書かれてゲームは終わる。

また、本作と続編ではツトムの性格にも多少の違いがある(続編のツトムは親に接する態度が優しいのに対して、本作のツトムは親に暴言を吐いている)。




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フリーゲーム 鬱ゲー

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