バリロッサ
ばりろっさ
クライロード魔法国の騎士団に所属する女騎士。「ブロッサム」「ビレリー」「ベラノ」と共にパーティーを組んで行動している。
騎士団の中では新参者かつ没落した貴族の出身であり、実家を再興しようと研鑽を重ねている。
なので経済的な理由で使用人を雇えず、家事も自分でしていたため料理が得意。本人曰く剣術より自信があるとのこと。
性格は真面目で努力家。なので問題に直面すると誰よりも深く悩み、リーダーという事もあって他のパーティーメンバーより答えを出すのに時間が掛かることが多い。
だからと言って堅物という訳でもなくユーモアな一面が多々ある。
その一例としてブロッサムが修行+居候のお礼として耕した畑の収穫作業をサボって収穫物をつまみ食いしたり、想定外のことが起きると言語が崩壊するほど狼狽えたりしている。
無論パーティーのリーダーらしく決める時にはしっかり決める。
フリオとの初対面は彼がギルドでとある少女から依頼を受注している最中。
『(常人では扱いが困難な)転移魔法が使える』というフリオに警戒して剣の切っ先を突き付けるといった行為をしていたが、すぐ後にフリオが有言実行とばかりに転移魔法をやって見せた後はすぐさま跪いて非礼を詫びて謝罪の言葉を述べる等、騎士だけに礼節をわきまえている一面を見せる。
しかしそんなやり取りの直後に、依頼人である少女が巨大な狼に変身し、自らをフェンリースと名乗り襲い掛かってくる。その際魔素によってフリオ以外の全員が動けなくなるが、フリオの転移魔法によって王都へ飛ばされ事なきを得る。
再会の時は思いのほか早く、フリオが勇者の部隊を壊滅させた『狂乱熊(サイコベア)』の掃討依頼を受けた時。
バリロッサ達も依頼を受けたがブロッサムが負傷した上、大群に囲まれて危機に瀕していた所をフリオと正体を隠し、妻・リースとして彼と行動を共にすることになったフェンリースに救われる。
こうしてフリオから二度も命の危機を救って貰ったことや、王から魔王軍討伐に備えて鍛錬するよう勅命を受けていた事もあって、彼の力量を見込んで、パーティー全員で修行をつけてもらうため、2人の住まいに居候することになった。
野生の魔物である『狂乱熊(アニメ版では猪型魔物のマウント・ボア)』相手に長々と名乗っている最中に攻撃されるなど当初は騎士としての腕前はからっきしだったが、4人の中で戦闘能力の成長は凄まじく、修行から1か月後には単独でCランクの魔物を狩れる程になっている。
そんな中、魔族の諜報員であるウリミナスの来訪によりリースの正体が魔族、しかも以前自分たちを殺そうとした張本人であることがバレてしまう。
幼いころから「魔族は人種族の敵」と教育されてきた背景とこれまで共に過ごしてきた時間を考慮した上で4人でじっくり話し合った結果、これまでの認識を是正して王都への報告を取り止め受け入れた。
他にも居候生活中、侵入してきた魔族「ゴザル」に対し啖呵を切って追い出す場面があり、その相手が実は魔王「ゴウル」で彼に妙に気に入られて、しかも何をしてもゴウルからの好感度が上がってしまうた為、訪問してくる度に慌てふためいていた。
そして金髪勇者が軍を率いて説得(という名の脅迫)の為訪問してきた際は、横暴な振舞いをした王側を見限りフリオ達についていくことを即決し、フリオと共に王都の西部に位置する「ホウタウ」に転移している。
ホウタウに転移後もフリオ宅に居候しながら、商人として活動し始めたフリオを支えるため家事手伝いや修行を兼ねた狩りを続けている。(魔獣を討伐すると報奨金が貰えるので無職ではない)
ただし、元々農家出身で畑を切り盛りしているブロッサム、馬の扱いに長けていて魔獣の馬を使役する事となったビレリー、魔力が少ないながらも創意工夫を認められて魔法学校の教師となったベラノ、何より自分より圧倒的に強く数多の魔獣を難なく狩れるフェンリースを見て、「立派な騎士になる」という目標も見失ってしまった事から己の存在意義を見失いかけている。
恋愛面(?)では二度も命を救ってくれた恩人であるフリオに対してか弱い乙女をアピールするものの、すぐにフェンリースから警告を食らった。(フェンリース曰く、「カマトトぶるのをやめろ」)
魔王ゴウルに対しては敵対する魔族の王であり、これまで自分達の生活を踏みにじってきた事から彼に対して否定的な言動を取る。しかし、彼と結婚する夢を見てしまうあたり、思うところはあるようだ。
実際、ゴウルから「踏みにじってきたのはお互い様だ。人種族から見て魔族が存在そのものが害であっても、それを理由に我々が迫害を受け入れる事はない」という発言を受けた際、自分達もまた加害者であるという事実を目の当たりにして複雑な表情を見せている。